オーストラリアの通貨「豪ドル」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
目次
- ▼今日の豪ドル トレードシナリオ
- 昨日から現在までの相場
- 今日のメインシナリオは
- この先の個別相場変動
- 豪ドル/円 最新チャート分析
- 今後の注目経済指標・イベント
- 「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果
今日の豪ドル トレードシナリオ
昨日から現在までの相場
・4月26日に発表された豪1-3月期消費者物価指数(CPI)は前年比+7.0%となり、前四半期(7.8%)からインフレは鈍化した。また同時に発表された3月月次CPIは前年比+6.3%となった。
・NY原油先物市場は大幅続落。米金融システム不安や米景気が強まったことで、原油需要の鈍化が意識された。終値は前日比-2.77ドルの1バレル=74.30ドル(4月26日)。
・豪3月雇用統計が発表され、雇用者数は市場予想(2万人増)を上回る5.30万人の増加だった。失業率は3.5%、労働参加率は66.7%となった(4月13日)。
・4月4日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。政策金利を3.60%で据え置きとした。声明は前月から比べるとハト派的な印象となった。
今日のメインシナリオは
米1-3月期GDP 結果次第では豪ドルが急反発?
昨日発表された豪1-3月期CPIは前年比+7.0%となり、予想(+6.9%)を上回ったものの前回(7.8%)から豪州のインフレは大幅に鈍化していることを示した。また、RBAが重視するCPIトリム平均(変動幅の大きい15%と小さい15%をそれぞれ除外したもの)が+6.6%となり予想(+6.7%)以上に鈍化していた。これらの結果を受けて市場は5月2日のRBA理事会での利上げ再開の可能性がなくなったとの見方を強めた。金融政策の面から見ると豪ドルは対米ドルやユーロなどでは売られやすい状況となりそうだ。
また、昨今の米経済指標の結果を見ると、製造業を中心に芳しくない結果が目立つ。米景気に陰りが見え始めていることで、資源国通貨である豪ドルの上値が抑えられている。
本日は米1-3月期国内総生産(GDP)が発表される。市場予想(前期比+2.0%)よりも米経済の成長率が低下していた場合は、豪ドルは下げ足を速めそうだ。予想に反して前期(+2.6%)よりも成長率が上昇していた場合、豪ドルは素直に買いで反応しそうだが、前述したRBAの金融政策に対する市場の思惑が上値を抑える要因となるのではないか。
この先の個別相場変動
■米1-3月期GDPが予想を下振れる
⇒米国の景気先行きに対する懐疑的な見方が強まる
⇒米株価が下落する
⇒豪ドルはリスクセンチメントに敏感
⇒豪ドルは売られる
豪ドル円 最新チャート分析
今後の注目経済指標・イベント
21:30 米1-3月期GDP
米国株価動向
「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円、豪ドル/米ドルともに晴れ。昨晩22時に豪ドル/米ドルのボリンジャーバンドで買いシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
<「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」 詳細はこちら>
- ※ 「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」とは、選択した通貨ペア・足種に対して、複数のテクニカル分析を行った結果をパネル形式で一覧表示することにより、直感的に相場状況を把握することができるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(パソコン版)/(スマホ版)では「取引分析」 を選択することで、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況をチャート上に表示が可能です(「外為注文情報」)。
- ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。