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ドル/円、135円台へ再トライ! この後、FRB高官の講演に注目

ドル/円、3月15日以来の135円台に到達

19日のドル/円は、135円台突破も押し戻される展開でした。
東京市場では、米債利回りの上昇などから上値摸索の展開となる中、英3月消費者物価指数の結果に伴ったポンド/円の上昇に連れて、ドル/円は134.70円台まで上値を伸ばしています。

欧州市場に入っても堅調で、米10年債利回りが時間外取引で上昇するとドル/円は、一時135.13円前後まで上伸しました。その後は、戻り売りが強まり134円台前半まで押し戻されるも134.80円台まで戻すなど底堅い値動きとなりました。

NY市場で公表された米地区連銀経済報告(ベージュブック)は、「全体的な経済活動はここ数週間ほぼ変わらず」などの記述で相場に大きな影響を与える内容とはなりませんでした。

ドル/円、前日高値(135.13円)上抜けられるか

本日、東京市場のドル/円は、伸び悩む展開でした。ゴトー日(5・10日)の仲値公示にかけてドル買いが強まり134.97円前後まで上伸しましたが、心理的節目の135円を前に伸び悩んでいます。その後、上値の重さから戻り売りが強まり134.39円前後まで弱含みましたが、切り返して134.87円前後まで戻しています。

NY市場では、昨日の高値(135.13円前後)を上抜けられるかに注目です。心理的節目の135円前後では、戻り売り意欲が強まり押し戻される展開となっています。ただ、前日高値を更新すれば新規ドル買いが強まる中で戻り売り勢力が弱まり、上値摸索の展開となる可能性が考えられます。この後、ウォラー米連邦準備制度理事会(FRB)理事やボウマンFRB理事の講演が予定されています。5月米連邦公開市場委員会(FOMC)のブラックアウト期間入りを22日に控える中で、FRB高官の発言に注目が集まります。

ドル/円をテクニカル分析で見ると、日足だと10・20・80日SMAが上向きで、一目均衡表の雲を上抜けたことから上昇基調であると見ます。今後は、一目均衡表の雲上限がサポートになるかにも注目です。次に4時間足を見ると10・20SMAをサポートに堅調です。ただ、134.80円台で上ヒゲを連発しており伸び悩んでいます。終値で135円を上抜けば上昇基調が強まりそうです。

この後の経済イベント

4/20(木)
20:30 ECB議事要旨
21:30 米新規失業保険申請件数
21:30 米失業保険継続受給者数
21:30 米4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
22:15 ビスコ・イタリア中銀総裁、講演
23:00 米3月中古住宅販売件数
23:00 米3月景気先行指数
23:00 ユーロ圏4月消費者信頼感指数
24:00 ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
24:30 テンレイロ英MPC委員、講演
25:00 ウォラーFRB理事、講演
25:20 メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
28:00 ボウマンFRB理事、講演
28:00 ローガン米ダラス連銀総裁、講演
29:15 シュナーベルECB専務理事、講演
----- ラガルドECB総裁、講演
4/21(金)
06:00 ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
08:30 日本3月消費者物価指数
08:45 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁、講演

今日の注目トピック

財務省が昨年度(2022年度)の貿易統計を発表しました。昨年度の貿易収支は21兆7285億円の赤字となり1979年度以降で最大の貿易赤字となりました。要因となったのは、エネルギー価格の上昇や歴史的な円安です。昨年2月以降ウクライナ問題により原油価格などが値上がりしたことで、各国のインフレがさらに加速し、インフレを抑えるために日本以外の主要国が政策金利の引き上げを行ったことで外貨高円安が進んでいます。そうした背景から輸入品の価格が大きく上昇し貿易赤字が膨らむことになりました。ちなみに、輸入品価格の高騰は、我々の生活必需品の値上げにつながっています。昨年、日本においても多くの商品が値上がりしたことを肌で感じたと思いますが、今年は昨年を超えるペースで値上がり品数が増加しているとのことです。物価上昇は経済成長には当然のことですが、日本で問題となっているのは賃金上昇を伴わない物価上昇ということでしょう。そこを解決することが日本経済がさらに成長するカギとなるかもしれません。

 
uehara.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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