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ポンド/円・豪ドル/円の4月見通し「金融不安は一服、関心は景気と物価へ」

【外為総研 House View】

House View

執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼ポンド/円
・ポンド/円の基調と予想レンジ
・ポンド/円 3月の推移
・3月の各市場
・3月のポンド/円ポジション動向
・4月の英国注目イベント
・ポンド/円 4月の見通し

▼豪ドル/円
・豪ドル/円の基調と予想レンジ
・豪ドル/円 3月の推移
・3月の各市場
・3月の豪ドル/円ポジション動向
・4月の豪州・中国注目イベント
・豪ドル/円 4月の見通し

ポンド/円

ポンド/円の基調と予想レンジ

ポンド/円 3月の推移

3月のポンド/円相場は158.260~165.467円のレンジで推移し、月間の終値ベースではほぼ横ばいだった。米地銀シリコンバレー銀行(SVB)の破綻をきっかけに米長期金利が急低下したためドル安が進行する中、ポンド/ドルが上昇した一方でドル/円が下落したことから、ポンド/円は方向感が出にくかった。

SVBの破綻が伝わった10日以降は弱含む展開となり、金融不安が独最大手銀ドイツ銀行に飛び火するかに見えた24日には158.26円前後まで下値を切り下げた。しかし、月末にかけて過度な金融システムを巡る懸念が後退した他、四半期末に絡んだポンド買いフローが観測されたことから、31日には一時165円台へと反発した。

ただ、英国経済の先行きに不透明感がくすぶる中で上値は伸びず、前月の終値とほぼ同水準の163.78円前後で3月の取引を終えた。

出所:外為どっとコム

10日
英1月国内総生産(GDP)は前月比+0.3%と予想(+0.1%)を上回る伸びとなった。ストライキなどの影響で-0.5%だった前月から持ち直した。なお、英1月鉱工業生産は前月比-0.3%(予想±0.0%)、同貿易収支は178.55億ポンドの赤字(予想175.00億ポンドの赤字)だった。

13日
SVBの英法人を英銀HSBCが1ポンドで買収すると発表。英中銀と英財務省は「SVB英法人のすべての預金者の資金が安全であることを確認」「今回の措置によって直接的に重大な影響を受ける英銀行はない」とした。なお、スナク英首相も英国の銀行には十分な資本があるとしてSVBの破綻によるシステミックリスクの懸念はないと表明した。

14日
英2月失業率は3.8%(前回3.8%)、同失業保険申請件数は1.12万件減(前回3.03万件減)だった。国際労働機関(ILO)基準の英11-1月失業率は3.7%と予想(3.8%)を下回った。11-1月の週平均賃金は前年比+5.7%と予想と一致した。

15日
前日に過去2年の財務報告と管理手順に「重大な弱点」があったと表明したスイス金融大手クレディ・スイスを巡り、「筆頭株主のサウジ・ナショナル・バンクは追加投資をする意向がない」と報じられた。これを受け、同行の株価は一時30%超下落して上場来安値を更新。他の欧州銀行株にも売りが波及した。

20日
前日19日未明、クレディ・スイスをスイス金融最大手UBSが30億スイスフランで買収することが決まった。これを好感して円売りが先行したものの、その後は欧州市場にかけて円が買い戻された。スイス金融市場監督機構(FINMA)がクレディ・スイスの救済買収に伴い、同行の160億スイスフランのAT1債(永久劣後債)の無価値化を表明したことが市場の不安を煽った。

21日
英2月公共部門純借入額(財政赤字)は167億ポンドに膨らみ市場予想(117億ポンド)を大幅に上回った。家計の光熱費支援策向けの支出増大を背景に2月としては過去最大の赤字となった。

22日
英2月消費者物価指数(CPI)は前年比+10.4%と予想(+9.9%)に反して、前月(+10.1%)から伸びが加速。エネルギー・食品などを除いたコアCPIも前年比+6.2%と予想(+5.7%)を上回った(前回+5.8%)。

23日
BOEは予想通りに政策金利を4.00%から4.25%に引き上げた。声明では「インフレ持続の兆しがあればさらなる利上げが必要」「インフレ率の急上昇はこれまでの予想よりも早く鈍化する」との見通しを示した。議事録では英中銀金融政策委員会(MPC)メンバー9人中7人が利上げを支持、2人は据え置きを支持していたことが明らかとなった。

24日
英3月PMI・速報値は製造業が48.0、サービス業が52.8といずれも予想(49.7、53.0)を下回った。一方、これより前に発表された英2月小売売上高は前月比+1.2%と予想(+0.2%)を大きく上回った。

28日
ベイリーBOE総裁は議会証言で「金融環境がいくぶん引き締まりつつある兆候が一部に見られる。ただ、その面で決定的な展開は見られていない」とした上で「中銀は常に金融政策決定に際し信用環境を考慮する」と述べた。

31日
英10-12月期国内総生産(GDP)・改定値は前期比+0.1%と、速報値の±0.0%から上方修正された。英10-12月期経常収支は25億ポンドの赤字であった(予想:175億ポンドの赤字)。

3月の各市場

3月のポンド/円ポジション動向

【情報提供:外為どっとコム】

  • ※ データの更新は、NYC時に行われます(前営業日のデータが追加)。また、過去180日間のデータが表示されます。
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  • ※ 尚、このポジション比率情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

 

4月の英国注目イベント

ポンド/円 4月の見通し

3月31日に発表された英10-12月期国内総生産(GDP)・改定値は前期比+0.1%に上方修正され、2四半期連続のマイナス成長を回避した。警戒していたほど英国景気は下振れしないとの見方がポンド相場を支えているようだ。

実際、ポンド/ドル相場は足元で1.24ドル台を回復。1月に付けた直近高値の1.24478ドルに迫る勢いだ。対円でも2月に付けた166.00円前後の年初来高値を視界に捉えている。

英中銀(BOE)が、少なくとも次回5月11日の金融政策委員会(MPC)までは利上げを継続するであろうとの見方もポンドの支えになっている。英国のインフレは主要先進国で最も高い10.4%(2月消費者物価指数=CPI前年比上昇率)である。このため、BOEは5月も利上げに動くとの見方が優勢だ。ただ、ベイリーBOE総裁は3月28日の議会証言で金融不安による信用収縮の兆しに言及しており、スイス金融大手クレディ・スイスの救済合併を巡って市場の混乱が長引けば利上げを見送る可能性もある。

4月のポンド相場は、利上げ期待で底堅い推移を見込むが、英国経済と金融市場の動向次第では不安定化することも考えられるため注意が必要だろう。

(予想レンジ:161.000~168.500円)

豪ドル/円

豪ドル/円の基調と予想レンジ

豪ドル/円 3月の推移

3月の豪ドル/円相場は86.056~92.241円のレンジで推移し、月間の終値ベースでは約3.1%下落した(豪ドル安・円高)。7日の豪中銀(RBA)声明がややハト派的との見方から利上げ打ち止め観測が浮上すると豪ドルは下落基調となった。

9日に90円台を割り込むと、米地銀シリコンバレー銀行(SVB)が破綻した10日には89円台も割り込み、週明け13日には一時87円台まで下落した。その後、90円台を回復する場面も見られたが、スイス金融大手クレディ・スイスの経営不安が浮上すると改めて上値が重くなった。

20日に再び87円台へと軟化すると23日には一時86円台へと続落。24日には86.06円前後まで下値を拡大して約1年ぶりの安値を付けた。

月末にかけては、金融システムを巡る過度な懸念が和らいだとしていくぶん買戻しが入ったが、29日の豪2月消費者物価指数(CPI)の鈍化を受けてRBAの利上げ見送り観測が広がったことなどから伸び悩んだ。

出所:外為どっとコム

1日
豪10-12月期国内総生産(GDP)は前期比+0.5%と予想(+0.8%)に反して7-9月期(+0.7%)から減速。同時に発表された豪1月消費者物価指数(CPI)は前年比+7.4%と予想(+8.1%)を大幅に下回り前月(+8.4%)から鈍化した。

6日
前日5日に開幕した中国の全国人民代表大会(全人代)で、今年の成長率目標が5%前後に設定され、大方の予想より控えめだったことから豪ドルは売り優勢で取り引きが始まった。

7日
豪1月貿易収支は116.88億豪ドルの黒字となり、黒字額は市場予想(122.50億豪ドル)を下回った。RBAは政策金利を予想通りに3.35%から3.60%へ25bp(0.25%ポイント)引き上げた。声明で「月次消費者物価指数(CPI)は、インフレがピークに達したことを示唆」「家計消費の伸びは金融環境の悪化により鈍化しており、住宅建設の見通しも軟化」との見解を示した。

また、前回まで「この高インフレの時期が一時的なものに過ぎないことを確認するため、今後数カ月の間にさらなる金融引き締めが必要」としていたフォワードガイダンスに関する一文から「今後数カ月の間に」の文言を削除した。これらを受けて利上げ終了の時期が近いとの見方が広がった。

10日
米連邦預金保険公社(FDIC)はSVBについて、経営破綻し事業を停止したと発表。SVBはカリフォルニア州を拠点とする銀行で、昨年末時点の総資産は約2090億ドルと全米16位の規模だった。米金融システム全体への影響を巡る不透明感から米国株が下落するとリスク回避の円買いが優勢となった。

16日
豪2月雇用統計は失業率が3.5%(予想3.6%、前回3.7%)、新規雇用者数が6.46万人増(予想5.00万人増、前回1.09万人減)であった。労働参加率も予想通りとはいえ66.6%に上昇(前回66.5%)した。

20日
前日19日未明、クレディ・スイスをスイス金融最大手UBSが30億スイスフランで買収することが決まった。これを好感して円売りが先行したものの、その後は欧州市場にかけて円が買い戻された。スイス金融市場監督機構(FINMA)がクレディ・スイスの救済買収に伴い、同行の160億スイスフランのAT1債(永久劣後債)の無価値化を表明したことが市場の不安を煽った。

21日
RBAは3月会合の議事録を公表。「CPIは第4四半期にピークに達したが、コアCPIは高すぎる」とし「インフレ鈍化の為にはさらなる金融引き締めが必要」だとした。一方で「利上げ休止のタイミングはデータや経済見通し次第」「次回会合で利上げ休止について再検討する」との見解を示した。

28日
豪2月小売売上高は前月比+0.2%と予想通りの結果であったが、伸びは前月(+1.8%)から鈍化した。

29日
豪2月CPIは前年比+6.8%と予想(+7.2%)を下回り、前月(+7.4%)から鈍化した。これを受け、RBAが4月4日の会合で政策金利の引き上げを見送るとの観測が強まった。

3月の各市場

3月の豪ドル/円ポジション動向

【情報提供:外為どっとコム】

  • ※ データの更新は、NYC時に行われます(前営業日のデータが追加)。また、過去180日間のデータが表示されます。
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  • ※ 尚、このポジション比率情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

 

4月の豪州・中国注目イベント

豪ドル/円 4月の見通し

豪中銀(RBA)は4月4日の理事会で政策金利を3.60%に据え置き、2022年5月以来10会合続けてきた利上げを停止した。ただ、声明で「これまでの利上げの影響と経済見通しを評価するための追加的な時間を取るために、今月は金利を据え置くことを決定した」と説明した上で「インフレが目標に戻ることを確実にするために、金融政策のさらなる引き締めが必要になる可能性がある」と表明した。

早ければ5月2日の次回会合で利上げを再開する可能性に含みを持たせた格好で、どうやら利上げサイクルを完全に停止したわけではなさそうだ。

RBAは今回の声明で、インフレがピークを越えたとの見通しを示した一方で、労働市場については「非常にひっ迫している」との認識を改めて表明。次回理事会で利上げが再開するかどうかは、4月13日に発表される豪3月雇用統計と26日の豪1-3月期消費者物価指数(CPI)の結果がカギとなりそうだ。4月の豪ドル相場はRBAの利上げ期待が明滅する中で神経質な値動きが予想される。

(予想レンジ:86.000~92.000円)

 
kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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