ペソ相場は、金融市場のリスク・センチメントに左右されやすい【知っトク!メキシコペソ】2023/3/20
新興国通貨であり、アメリカ経済との親和性の高いメキシコペソについて、投資に役立つ「知ってトクする」情報をまとめました。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
ペソ売り一服も上値が重い
足元のメキシコペソは上値の重い展開。対ドルでは16日に1ドル=19.1792ペソ前後まで下落しておよそ1カ月ぶり安値を付けた。19ペソ台に入ると押し目買いの動きも見られるが18ペソ台後半では伸び悩んでいる。対円でも16日に1ペソ=6.882円前後まで下落して2月3日以来の安値を記録。その後も下げ渋る動きこそ見られるが上値を切り下げる動きが続いており、本日も7.00円台で上値を抑えられている。
リスク回避の動きが伝播
米地銀シリコンバレー銀行(SVB)の破綻に端を発した金融不安がスイスの大手銀行であるクレディ・スイスに飛び火。クレディ・スイスについては、スイス銀最大手のUBSが買収を決めたことで過度な不安は和らいでいるが、社債市場ではクレディ・スイスが発行した劣後債(AT1債)の取り扱いを巡り混乱が生じている。通常の社債より返済の優先度が低い(代わりに利回りが高い)AT1債の市場規模は世界で約36兆円と推定され、株式や国債に比べはるかに小さいことから「致命傷」にはならないと見るが、市場センチメントにとって悪材料であることには違いない。
リスク回避の動き収束には時間がかかる見通し
高金利・新興国通貨であるメキシコペソ相場は、金融市場のリスク・センチメントに左右されやすいことで知られる。一般的に、金融不安は市場に疑心暗鬼が広がりやすく、収束には一定の時間を要するケースが多い。ペソ相場も当面は上値の重い展開を強いられそうで、大幅な反発局面はまだ先になる公算が大きいだろう。
メキシコペソ/円(MXN/JPY) 日足:6.8円台で推移
【キャンペーン】
大還元キャッシュバックキャンペーン
スワップポイント最大50%増額キャンペーン
人気の複数通貨ペア スプレッド縮小キャンペーン
【高金利通貨特集】
「メキシコペソ/円」 ページはこちら
【チャート】
「為替チャート|メキシコペソ/円(MXNJPY)|60分足」はこちら
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。