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ポンド/円 今日の見通し 「英国インフレに鈍化の兆し!BOEの金融政策でポンドはどう動く?」トレード戦略 2022/12/15

ポンドのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
日々、相場情報発信中!

目次 

今日のポンド トレードシナリオ

ここまでの相場

本日12月15日 BOE政策金利発表!
・11月の会合でイングランド中銀(BOE)は0.75%の利上げを実施し、政策金利を3.00%とした。金融政策委員会(MPC)メンバーの9人中2人がそれぞれ0.25%と0.50%の利上げ支持した。今回の会合で、市場はBOEが0.50%利上げに利上げ幅を縮小することを予想している。

・英11月消費者物価指数(CPI)は前年比+10.7%(予想+10.9%)と約41年振りの高水準だった10月の+11.1%からインフレは鈍化した(12月14日)。

英8-10月失業率(ILO方式)は3.7%と前回(3.6%)から悪化。賃金上昇率(除賞与、3カ月平均、前年比)は+6.1%と堅調な伸びを継続していた(12月13日)。

・英7-9月期国内総生産(GDP、速報値)は前期比-0.2%と予想(-0.5%)を上回った(確報値は12月22日発表)。12月12日に発表された英10月月次GDPは前月比+0.5%(予想:+0.43%)となり3カ月ぶりのプラス成長となった。

・英11月製造業/サービス業購買担当者景気指数(PMI、確定値)はそれぞれ、46.5、48.8となった。12月1日に発表された製造業PMIが速報値(46.2)を上回ったことが、一時的にポンド買いの要因となった(12月5日)。12月分は12月16日発表。

・英10月小売売上高(除自動車燃料)は前月比+0.3%と予想の+0.6%には届かなかった(11月18日)。11月分は12月16日発表。

今日のメインシナリオ

英国インフレに鈍化の兆し!BOEの金融政策でポンドはどう動く?

昨日発表された英11月CPIが前年比+10.7%となり、ついに英国のインフレも鈍化の兆しを見せ始めた。そうとは言え、BOEのインフレ目標は2%であり、10%強のインフレ率は依然として高すぎるといえる。
本日はMPCが開催される。英国経済は高インフレ、高金利、エネルギー価格の高騰などにより、既にリセッション入りしている可能性がある。そのため、家計に負担をかけすぎずに、インフレを抑制する水準に金利を設定することがBOEの目標となりそうだ。一部では「政策金利が据え置き、0.25%利上げ、0.50%利上げ、0.75%利上げの4種類の投票に票が割れる可能性がある」との見方まで浮上している。市場予想の中心値は0.50%に利上げ幅を縮小することだ。幸い、英11月CPIが鈍化傾向を示してくれた。「金融引き締めを若干緩めて、0.50%利上げにする」と言うのは、景気を締め付けすぎずにインフレ鈍化を継続させるためには、最もバランスの取れた方針かもしれない。
注目は金利と同時に公表される議事要旨だ。MPC委員は今回の決定を下すのにどういったことを議論したのか。今後のインフレや金融政策の方向性についてどのような予想をしてるのか確認したい。MPCが英国経済に対して悲観的な見通しを示せば、利上げ幅に関係なくポンドは売られることになりそうだ。

個別の想定シナリオ

■BOEが利上げ幅を0.50%に縮小
⇒インフレ鈍化の兆しは示したが、英国の景気減速懸念は根強い
⇒ポンドは売られやすい

チャート分析

注目材料

21:00 BOE政策金利発表 
21:00 MPC議事要旨

「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」

外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」ではポンド/円は曇り空に雨がぱらつき、ポンド/米ドルは雨。13時にポンド/米ドルの移動平均で売り、RSIで買いシグナルが点灯。

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nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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