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ポンド/円・豪ドル/円の12月見通し「クロス円のカギはドル/円の動向」

【外為総研 House View】

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執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼ポンド/円
・ポンド/円の基調と予想レンジ
・ポンド/円 11月の推移
・11月の各市場
・11月のポンド/円ポジション動向
・12月の英国注目イベント
・ポンド/円 12月の見通し

▼豪ドル/円
・豪ドル/円の基調と予想レンジ
・豪ドル/円 11月の推移
・11月の各市場
・11月の豪ドル/円ポジション動向
・12月の豪州・中国注目イベント
・豪ドル/円 12月の見通し

ポンド/円

ポンド/円の基調と予想レンジ

ポンド/円の基調と予想レンジ

ポンド/円 11月の推移

11月のポンド/円相場は163.044~170.952円のレンジで推移し、月間の終値ベースでは約2.4%下落した(ポンド安・円高)。

ポンドは対ドルでは約5.2%上昇しており、ドル/円の下落がポンド/円を押し下げる格好となった。月初の170円台から弱含みで推移していたポンド/円は、10日の米10月消費者物価指数(CPI)を受けてドル/円が急落すると翌11日には163.04円前後まで下落した。

しかし、ドル売り・ポンド買いの流れも強まったため下げ渋った。17日に英政府が発表した財政報告が前政権の放漫財政策とは真逆の緊縮型であったことも好感された。その後も、23日には一時169円台を回復するなど持ち直しの動きとなったが、ドル/円が3カ月ぶりに137円台半ばまで下落した28日には再び165円台へと軟化。166円台半ばで11月の取引を終えた。

ポンド/円 11月の推移

ポンド/円4本値

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

1日
英中銀(BOE)は量的緩和(QE)で積み上げた保有債券を売却する「量的引き締め(QT)」を開始。入札は7億5000万ポンド 相当の英短期債が対象で、24億4000万ポンドの応札を集めた。初回のQTは、混乱なく無難に乗り切った。

3日
BOEは予想通りに政策金利を2.25%から3.00%に引き上げた。75bp(0.75%ポイント)の大幅利上げは1989年以来、33年ぶりとなる。議事録では英中銀金融政策委員会(MPC)メンバーの9人中7人が3.00%への引き上げを支持した一方、2人はより小幅な利上げを主張したことが明らかになった。あわせて発表した四半期金融政策報告書では、2024年の英国内総生産(GDP)の見通しを前年比-1.00%と、前回8月の-0.25%から下方修正した。インフレ率は今後2年間のうちに目標の2.0%を割り込む水準まで低下し、25年には0%に落ち着くとの見通しも発表した。その後ベイリーBOE総裁は「政策金利は金融市場が現在織り込んでいるほど大きく上昇しなくて済むと考えている」などと発言した。

11日
英7-9月期国内総生産(GDP)・速報値は前期比-0.2%と6四半期ぶりにマイナスとなったが、市場予想(-0.5%)ほどには落ち込まなかった。英9月鉱工業生産は前月比+0.2%と予想(-0.3%)に反して増加。英9月貿易収支は156.56億ポンドの赤字となり、赤字額は市場予想(186.00億ポンド)を下回った。

15日
英10月失業率は4カ月連続で48年ぶり低水準の3.9%となった。同新規失業保険申請件数は0.33万件増(前回0.39万件増)だった。また、7-9月のILO失業率は3.6%(予想3.5%)、7-9月の週平均賃金は前年比+6.0%だった(予想+5.9%)。

16日
英10月CPIは前年比+11.1%と予想(+10.7%)を上回り、41年ぶりの高水準となった。エネルギー・食品・アルコール飲料・タバコを除いたコアCPIも前年比+6.5%と予想(+6.4%)を上回る伸びとなった。ただ、市場の反応は限定的だった。その後、ベイリー英中銀(BOE)総裁は「冬以降のインフレの顕著な低下を見込む」などと述べた。

17日
英政府はハント財務相が増税と歳出削減を盛り込んだ秋季財政報告を発表。5年間で550億ポンド規模の財政再建策が示された。同時に英予算責任局(OBR)は経済見通しを公表し、2023年のGDP成長率予測を-1.4%に下方修正した(3月時点+1.8%)。

18日
英10月小売売上高は前月比+0.6%と予想(+0.5%)を上回った。自動車燃料を除いた売上高は前月比+0.3%だった(予想+0.6%)。

29日
ベイリーBOE総裁は上院経済問題委員会で、「英国債市場で流動性がきわめて乏しくなった時期があったことは明らかだ。現時点でまだ平時に戻っていない」とした上で、BOEが量的緩和で蓄積した資産を一度に売却しない理由を問われ「そのようなことは、きわめて率直に言って勧められない」と答えた。なお、BOEはこの日、10月の市場混乱時に緊急購入した債券の売却を開始した。

11月の各市場

日経平均、FTSE

英国債利回り(2年、10年)

11月のポンド/円ポジション動向

ポンド/円ポジション動向

【情報提供:外為どっとコム】

  • ※ データの更新は、NYC時に行われます(前営業日のデータが追加)。また、過去180日間のデータが表示されます。
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  • ※ 尚、このポジション比率情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

 

12月の英国注目イベント

12月の英国注目イベント

ポンド/円 12月の見通し

ポンドは、8月から9月にかけて財政不安の高まりを受けて下落した反動と見られる上昇が、対円以外では続いている。ただ、対ドルで8月の水準を概ね回復したことから、12月については買戻しの動きが一服すると見ている。

英国経済を取り巻く環境は厳しいと言わざるを得ない。エネルギー価格の上昇による家計の可処分所得の減少を念頭に、英予算責任局(OBR)は2023年に英経済がマイナス成長に陥るとの見通しを示している。英中銀(BOE)も景気後退(リセッション)が避けられないとの見方を示しつつ、政策金利の引き上げを進めている。12月14-15日の金融政策委員会(MPC)でもBOEは50bp(0.50%ポイント)の利上げに動くと見られるが、リセッション入りを前提とした利上げだけにポンドの押し上げには繋がらない公算が大きい。英12月購買担当者景気指数(PMI)などの経済指標にリセッションの兆候が見られればポンドは下落に転じる可能性もあろう。対円については、ドル/円相場の展開次第という面もあるが、英国経済を巡る不透明感を踏まえればポンドが大きく上昇する展開にはなりにくいだろう。

(予想レンジ:161.000~169.000円)

豪ドル/円

豪ドル/円の基調と予想レンジ

豪ドル/円の基調と予想レンジ

豪ドル/円 11月の推移

11月の豪ドル/円相場は92.148~95.555円のレンジで推移し、月間の終値ベースでは約1.5%下落した(豪ドル安・円高)。もっとも、豪ドル/米ドルは約6.1%上昇しており、豪ドル/円の弱含みはドル/円が下落した影響が大きかったと言える。

豪中銀(RBA)は1日政策金利の引き上げ幅を前回に続き25bp(0.25%ポイント)にとどめた。ただ、予想通りの減速とあって豪ドル相場への影響は小さかった。4日に発表された米10月雇用統計を受けてドルが売られると、豪ドルが上昇。ただ、ドル/円が下落したため豪ドル/円は95円台で伸び悩んだ。その後も、豪ドル/米ドルの上昇とドル/円の下落に挟まれて93~94円台を中心に方向感なくもみ合った。28日には、中国のゼロコロナ政策に対する抗議活動が活発化したため92円台前半へ下落したが、30日にはパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長のハト派発言を受けて93円台後半に持ち直した。

豪ドル/円 11月の推移

豪ドル/円4本値
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

1日
RBAは政策金利を市場の予想通り2.60%から2.85%へ25bp引き上げた。声明では「多くの国同様、豪州の物価は高すぎる」「今年後半にインフレは約8%でピークに達すると予測」とした上で利上げを継続する見通しを示した。ただ、「今後の金利上昇の規模とタイミングは、今後のデータと物価と雇用の見通しの評価による」とした。その後、ロウRBA総裁は「緩やかなペースでの利上げが適切と判断した」としながらも「必要であれば、より大幅な利上げに戻る可能性もある」「必要であれば、しばらくの間、金利を安定維持する可能性もある」などと発言した。

3日
豪9月貿易収支は124.44億豪ドルの黒字で、黒字額は予想(87.50億豪ドル)を上回った。鉄鉱石や液化天然ガス(LNG)などの資源輸出が増加したことが寄与した。その後に発表された中国10月財新サービス業PMIは、48.4と予想(49.0)を下回り、5月以来の低水準となった。

4日
RBAは金融政策報告で、インフレ率は年内に8%でピークに達するとの見通しを示した。賃金上昇率の見通しと合わせて上方修正し、さらなる利上げを想定する主な理由の一つとして賃金・物価スパイラルのリスクを挙げた。その上で、「インフレ率を目標に戻し、豪経済のより持続可能な需給バランスの実現に力を注ぐ。これを達成するには、金利はさらに引き上げる必要が出てくると考える。インフレ率を目標に戻す政策委の決意は固く、達成に必要な対応を行う」と表明した。

11日
中国当局が、新型コロナウイルス対策として入国者と濃厚接触者に義務付けている隔離期間を短縮すると発表。「ゼロコロナ」政策の緩和を好感して香港株が急伸する中、豪ドル/円も上昇。しかし、欧米市場でドル売りが強まりドル/円が140円台を割り込んで下落すると豪ドル/円もつれ安した。

17日
豪10月雇用統計は、新規雇用者数が3.22万人増となり、予想(1.50万人増)を上回った。失業率は3.4%と予想(3.5%)を下回り、7月に記録した1974年以来の低水準に並んだ。労働参加率は66.5%と、予想(66.6%)に届かなかった。好結果であったものの、中国で新型コロナウイルスの感染が再拡大していることが重しとなり豪ドルは伸び悩んだ。

25日
中国人民銀行は、預金準備率を12月5日から0.25%引き下げると発表。5000億元を市場に放出する金融緩和で、「ゼロコロナ」政策による経済活動の低迷に苦しむ企業の資金繰りを支援する姿勢を示したが、豪ドルの反応は限定的だった。

28日
香港や上海の株価指数が大きく下落して始まり中国人民元安も進行。中国ではゼロコロナ政策への抗議活動が各地で活発化。習近平体制への不満の声が高まっており、経済低迷への不透明感が広がった。この日発表された豪10月小売売上高は前月比-0.2%と予想(+0.5%)に反して減少した。

30日
豪10月消費者物価指数(CPI)は前年比+6.9%と予想(+7.6%)に反して9月の+7.3%から伸びが鈍化した。コアCPIにあたるCPIトリム平均も前年比+5.3%に鈍化した(予想+5.7%、前回+5.4%)。同時に発表された豪10月住宅建設許可件数は前月比-6.0%と予想(-2.0%)を大幅に下回った。

11月の各市場

日経平均、NYダウ平均

上海株、豪10年債利回り

11月の豪ドル/円ポジション動向

豪ドル/円ポジション動向

【情報提供:外為どっとコム】

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12月の豪州・中国注目イベント

12月の豪州・中国注目イベント

豪ドル/円 12月の見通し

12月の豪ドル/円相場は、中国の動向とドル/円相場の展開がカギになりそうだ。

中国のゼロコロナ政策を巡る抗議活動は沈静化に向かっている模様で、政情不安は薄れつつある。とはいえ、当局がゼロコロナ政策を一気に放棄するとの見方は少なく、経済活動の制限が続く中で中国景気の先行きを不安視する声は消えていない。国際通貨基金(IMF)は、ゼロコロナ政策や不動産危機の影響で同国の経済成長率見通しについて下方修正を迫られる可能性があるとの見解を示している。こうした中国を巡る不透明感がくすぶる中では豪ドル/円が大きく上値を伸ばす展開にはなりにくいだろう。

もっとも、11月に24年ぶりの下落率を記録したドル/円相場が大きく持ち直す展開になれば豪ドル/円もつれ高しそうだ。反対に、1ドル=135円の節目を割り込んで下落するようなら、豪ドル/円の重しになるだろう。仮に、米国の利上げペースが鈍り、利上げのピークが近いとの市場の観測に修正が入るとすれば、12月13-14日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)がそのきっかけになる可能性がある。米国の金融政策も豪ドル/円相場における注目材料のひとつであろう。

(予想レンジ:88.500-95.000円)

 
kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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