豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
・WTI原油価格は反落。「ゼロ・コロナ政策」を採る中国で、新型コロナの感染者数が拡大していることで、同国での原油需要の先行き不透明感が高まった。1バレル=87ドル台まで下落(10月28日)。
・10月26日に豪統計局は7-9月期四半期消費者物価指数(CPI)と9月の月次CPIを発表。7-9月期CPIは前年比+7.3%(予想:+7.0%)、9月CPIも+7.3%(予想:+7.1%)とそれぞれ上振れとなった。7-9月期CPIのトリム平均は+6.1%となり、同項目の公表が開始された2003年以降で最大の伸びとなった。
・9月分の豪雇用者数は900人増と予想の2.5万人増を大きく下回る。失業率は3.5%、労働参加率は66.6%と前月から横ばいとなった(10月20日)。
・10月4日に豪準備銀行(RBA)は金融政策会合を開催。市場予想の0.50%を下回る0.25%の利上げを実施し、政策金利を2.60%とした。次回の会合は11月1日。
・2022年4‐6月期の賃金指数(前年比)は+2.6%と市場予想(+2.7%)を下回る。前期比は+0.7%(前回:+0.7%)と、賃金は堅調さを維持している(8月17日)。次回は11月16日発表予定。
今日のメインシナリオ
中国経済の先行き不透明感が豪ドル/円の重しとなる?
本日は豪9月小売売上高が発表される。市場は前月比+0.4%を予想している。予想に反して前月比マイナスとなれば、「RBAの急速かつ大幅な利上げの影響により豪経済が減速し始めている」との思惑が強まり、豪ドルには売り圧力がかかってくることとなりそうだ。他方で、予想を上回ったとしても、明日に控えるRBA理事会での政策決定に大きな影響を与える可能性は低いとみている。10:30には中国の10月製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表される。豪州は中国と交易関係が強いため、結果の良し悪しに対して豪ドルは素直に反応することとなりそうだ。また、中国では新型コロナの感染が再び拡大傾向にある。「ゼロ・コロナ政策」を行う同国経済の先行き不透明感が、豪ドルにとってはネガティブ要因となり得る。
個別の想定シナリオ
■豪9月小売売上高が予想外の前月比マイナス
⇒豪経済がRBAの大幅利上げに耐えられないとの思惑が強まる
⇒豪ドルは売られる
⇒豪ドル/円は下落
チャート分析
今後の注目材料
豪9月小売売上高
中国10月製造業PMI
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円、豪ドル/米ドルともに晴れ。8時に豪ドル/円の移動平均で買いシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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