この1週間でドル高ムードに大きな変化がありました。きっかけはウォール・ストリートジャーナルのFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者が「11月のFOMCでは0.75%の利上げを決め、今後の利上げ幅を議論する見通しだ」「複数の委員がやりすぎるリスク」を意識している」との投稿をしたことです。その後、発表されたアメリカの経済指標が予想を下回るものが続いたため、更に利上げのペース鈍化の可能性を意識するようになり、長期金利も急低下しています。
今後の注目は、11月1日、2日に行われるFOMCと雇用統計、CPIです。FOMCでは、0.75%の利上げの実施はほぼ確実ですが、問題は、12月以降の利上げのペースについてどういった議論がなされるかということです。複数の委員が今後の景気後退に懸念を示したりすると、市場は金利下げ、ドル安の反応をすると思います。そこに注目しておいてください。
そして、その後は、主要な経済指標の結果に注目が集まります。特に雇用統計と消費者物価指数、この2つの指標の11月の結果が12月のFOMCの決定に大きく影響します。利上げ幅が鈍化するのではないかという観測が出ている時ですから、これらの指標の注目度はこれまで以上のものになるでしょう。
これらの結果がはっきりするまでは、今後踊り場が続く可能性は非常に高いです。ただ、ドル円に関して言えば、輸入企業のドル買い需要はまだかなりあるようですので、下がればドル買いが出てくると思います。当面の底値は145円程度と想定してトレードに臨んでいます。
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今井雅人 氏
1962年生まれ、岐阜県下呂市出身。上智大学卒業後、1985年に三和銀行入行、1987年よりディーリングの世界に入る。1989年から5年間シカゴに赴任、その間多くの著名トレーダーと出会う。日本に戻ってからは為替部門に従事。2004年3月までUFJ銀行の為替部門の統括次長兼チーフディーラーを勤めていたが、同年4月に独立。内外の投資家にも太いパイプを持ち、業界を代表するトレーダーとして活躍するが、2009年8月第45回衆議院選挙に立候補し、初当選。現在は、経済アナリスト活動など多忙な毎日を送る。元東京外為市場委員会委員、東京フォレックスクラブ理事歴任。株式会社マットキャピタルマネージメント代表取締役。
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