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FX/為替 月間見通し「ドル/円は歴史的な高値圏。やや不安定な値動きが続く公算 」ドル/円 外為どっとコム総研 House View 2022年7月

【外為総研 House View】

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執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼ドル/円
・ドル/円の基調と予想レンジ
・ドル/円 6月の推移
・6月の各市場
・6月のドル/円ポジション動向
・7月の日・米注目イベント
・ドル/円 7月の見通し

ドル/円

ドル/円の基調と予想レンジ

ドル/円の基調と予想レンジ

ドル/円 6月の推移

6月のドル/円相場は128.649~136.998円のレンジで推移し、月間の終値ベースでは約5.5%の大幅高(ドル高・円安)となった。

米連邦準備制度理事会(FRB)が積極的な引き締めを継続するとの思惑がドルを押し上げるとともに、日銀が大規模金融緩和を維持するとの観測で円が下落。6日には5月に付けた年初来高値の131.35円前後を更新して132円台へと上昇した。

その後もドル高・円安の流れが続き、13日には20年ぶりに135円台へと続伸。15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後は、ひとまずドルに売り戻しが入ったが、131円台で下げ渋ると再び上昇基調が強まった。日銀が大規模緩和の維持を決めた17日には135円台へと反発。21日には岸田首相が日銀の緩和スタンスを支持した事で1998年以来の136円台へと上伸した。

パウエルFRB議長が引き締めによるリセッション(景気後退)の可能性を認めたため弱含む場面もあったが、日米の金融政策の相違を意識したドル高・円安の流れは変わらず、29日には137.00円前後まで上昇して1998年9月以来の高値を付けた。

ドル/円 6月の推移

6月のドル/円4本値
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

1日
米5月ISM製造業景況指数は56.1と市場予想(54.5)に反して前月(55.4)から上昇。構成指数の中では新規受注が55.1に上昇したのが目立った(前回:53.5)。これを受けて米長期金利が上昇するとドル/円は130円台を回復した。

3日
米5月雇用統計では、非農業部門雇用者数は39.0万人増と予想(31.8万人増)を上回ったが、前月(43.6万人増)から増加幅が鈍化した。失業率は3.6%と予想(3.5%)を上回ったが、3カ月続けて2020年2月以来の低水準で横ばいとなった。平均時給は前月比+0.3%と予想(0.4%)を下回ったものの、前年比では+5.2%と予想と一致した。市場は雇用統計を堅調な内容と受け止めた模様で、FRBが金融引き締めを積極的に進めるとの観測が改めて強まった。

8日
黒田日銀総裁は「日銀は緩和政策を継続することで経済支えるべき、金融緩和はまだ道半ば、完全には成功していない」と改めて金融緩和を続ける方針を示した。また「為替レートは日銀の政策目標ではない」として円安抑制のために金融緩和を修正する考えがないことを示唆。これを受けて円売りが加速するとドル/円は134円台へと続伸した。

10日
財務省・日銀・金融庁による三者会合後の会見で神田財務官は、急速な円安の進行について「憂慮している」と発言。円安けん制のトーンが一段上昇したと受け止められ、円を買い戻す動きが強まる場面もあった。ただ、その後は米5月消費者物価指数(CPI)の上ブレを受けて米長期金利が上昇する中、ドル買いが強まった。米5月CPIは前年比+8.6%と市場予想(+8.3%)に反して伸びが加速し、1981年12月以来の高い伸びとなった。

15日
FOMCは政策金利を1.50-1.75%へと75bp引き上げた。声明では「インフレを2%の目標に戻すために継続的な利上げが適切になると予想する」と表明した。同時に発表した政策金利見通しでは、2022年末の政策金利の予測を3.4%(従来1.9%)、23年末を3.8%(従来2.8%)とし、一段と速いペースでの利上げを示唆した。

パウエルFRB議長はその後の会見で、「今回の75bpの利上げが異例に大きな幅である事は明らかであり、この幅が一般的になるとは予想していない」と明言。米経済の先行きについては「ソフトランディング(軟着陸)は容易ではないだろうが、そこに至る道筋はある」と述べた。

17日
日銀は金融政策の現状維持を決定。一部に憶測としてくすぶっていた長期金利目標の許容レンジ(0±0.25%)を拡大する事はなかった。

黒田総裁は定例会見で「為替市場については注視しており、最近の急激な円安は経済にとってマイナス」としながらも「海外金利が上昇しても、国債買い入れ増額や指値オペの追加でイールドカーブ・コントロール(YCC)は維持できる」との見解を示した上で「現時点の金融引き締めは適切ではない」と明言した。

22日
パウエルFRB議長は議会証言で「インフレ率2%への回帰に強く取り組む」と強調し「継続的な利上げが適切」と発言。その上で、米経済のソフトランディングについては「我々の目標だ」としながらも「非常に困難なものになるだろう」との認識を示した。

29日
パウエルFRB議長は欧州中銀(ECB)主催の年次フォーラムで「米経済は引き締めに十分対応できる状況にある」としながらも「行き過ぎた利上げがリセッションを招く可能性よりもインフレ抑制に失敗するリスクへの懸念が大きい」と明言し、積極的な引き締めを継続する考えを強調した。これを受けて137.00円付近までドル高が進んだ。

6月の各市場

米国債債利回り(2年、10年)

日経平均、NYダウ平均

6月のドル/円ポジション動向

6月のドル/円ポジション動向

【情報提供:外為どっとコム】

  • ※ データの更新は、NYC時に行われます(前営業日のデータが追加)。また、過去180日間のデータが表示されます。
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7月の日・米注目イベント

7月の日・米注目イベント

ドル/円 7月の見通し

7月のドル/円相場はどこまで上値を伸ばせるか注目したい。6月29日に付けた24年ぶり高値の137.00円前後を上抜ければ1998年8月以来の140円台も見えてこよう。

米国のインフレが予想外に高進したことで米連邦準備制度理事会(FRB)はタカ派姿勢を強めており、7月26-27日の連邦公開市場委員会(FOMC)でも6月に続き75bp(0.75%ポイント)の大幅利上げに動く公算が高まっている。FRBはバランスシートの縮小(量的引き締め=QT)も粛々と進めると見られ、指値オぺなどで買い入れ資産を拡大させている日銀とのスタンスの違いは鮮明だ。ドル高・円安の流れはすぐに止まりそうにないと言えるだろう。

ただ、過剰な金融引き締めで米国景気が早晩リセッション(景気後退)に陥るとの見方がくすぶっており、米長期金利の上昇が止まりつつある点には注意が必要だ。6月に一時3.50%付近まで上昇した米10年債利回りは足元で3.00%付近へと低下している。リセッション懸念を背景に3%割れの水準が定着すればドル/円も相応の調整が避けられないだろう。米景気の動向を見る上で、7月8日に発表される6月雇用統計や、15日の6月小売売上高にも注目したい。

いずれにせよ、ドル/円相場は歴史的な高値圏にあるだけに、7月を通してやや不安定な値動きが続く公算が大きい。上昇後の急反落や下落後の急反発など、荒い値動きになりやすいと考えられる。
(予想レンジ:131.500~139.000円)

kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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