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FXなのに積立なの? 外為どっとコムの「らくらくFX積立」を試してみました!(前編)

以下の取材記事は個人の経験や考えに基づくものです。その内容について当社が保証するものではありません。実際のお取引については充分内容をご理解の上ご自身の判断にてお取り組みください。

最近登場した金融商品の中に「FXを使った積立」があります。外為どっとコムで言えば、「らくらくFX積立」です。FXといえば、レバレッジを使って効率よく資金が増やせる点が最大の特徴です。秒単位で売買を繰り返す「スキャルピング」で、億を超える利益を1年間に得ている個人トレーダーもいるくらいです。

その一方で積立は、NISAやiDeCoなど、年金代わりの老後資金作りに利用され、ゆっくり、着実に資金を増やする投資方法として知られています。つまり、相反する特長を持つ新しい金融商品が生まれたのです。これを運用したらどうなるのでしょうか。雑誌などで金融や経済記事を長年書いてきたFX歴10年以上のライターである自分が、外為どっとコムの「らくらくFX積立」を実際に試してみることにしました。

目次

 

運用期間4カ月、毎週4,000円ずつ2通貨を買付

「らくらくFX積立」がどのようなものなのかを知るためには、少なくとも数カ月の積立を行う必要があります。また、FXの代表通貨で、FXの特長を利用し、誰もが無理なく続けられるようなものがいいと考え、以下のような条件を設定しました。

(1)2021年11月10日から3月17日(米FOMCの翌日)までの約4カ月間
(2)毎週4000円の定期買付(無理なく長期間にわたって続けられそうな金額)
(3)2通貨ペアで実施(メジャー通貨:米ドル マイナー通貨:メキシコペソ
(4)レバレッジを利用(2倍)

なお、毎週の買付額は4,000円にしました。2通貨ペアなので合計8,000円になります。1年は52週ありますので、長期でFX積立を行うと、月平均4.3回の買付が行われる計算になります。つまり、毎月8,000円×4.3回=3万4,400円がFX積立のために必要な運用資金になるわけです。

ある金融機関(新生銀行)が2021年6月に発表した調査結果によれば、サラリーマン男性(20代〜50代)の1カ月のお小遣い額は平均3万8,710円だそうです。「毎月のお小遣いをそのまま『FX積立』に回した場合」を想定し、これを超えない範囲の最大額にしました。

5万円を入金して買付手続き

条件を決めたらいよいよ運用開始です。そのためには「らくらくFX積立」専用の口座を開設しなければなりません。私の場合はすでにFX口座がありましたので、2021年11月5日に手続きを行い、手続き完了と同時に口座がすぐ用意されました。また、資金も一般FX口座から積立口座に振り替えるだけなので、手続き後すぐ5万円が口座に入金されました。
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※らくらくFX積立の画面から作成

口座に入金された資金は①のように表示されます。また、②の運用状況をクリックすると、下記のようにより詳細な状況が表示されます。
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口座に資金が入ったら、今度は購入の手続きです。アプリで表示される以下の4項目の中から、自分の運用条件に合ったものを選択すればいいので、とても簡単です。
(1)運用通貨の選択(米ドルとメキシコペソ)
(2)購入額(4,000円)
(3)レバレッジ(2倍)
(4)購入頻度(毎週)
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私は用意された10通貨ペアの中から、「米ドル/円」と「メキシコペソ/円」を選びました。購入額は上に書いた通り4,000円に決めましたが、FX積立では1通貨単位、100円から購入可能です。レバレッジは1倍、2倍、3倍の3択(法人は1倍のみ)で中間の2倍にしました。なお、購入頻度は即時と定期買付があり、定期は毎日、毎週、毎月の3択から毎週を選びました。

この画面はメキシコペソを購入したときのものです。米ドルでも同じです。こちらのページで4条件を選択します。そして、最終確認画面で注文ボタンを押せば、自動定期買付がスタートします。
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ただ、始める前に、私は「らくらくFX積立」の買付が毎週金曜日に行われると思い込んでいて、11月5日金曜日に手続きしてしまったのですが、自動買付が行われるのは毎週水曜日の11時30分です。そのため実際の運用開始は翌週の11月10日水曜日11時30分になりました。

買付直後から評価損に

いよいよ買付です。自動買付が行われると通知が届くような設定ができるので、約定レートなどはメールでも確認できます。通知が届いたので、実際にアプリを開いて、どのような画面表示になっているのか見てみました。
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これは購入約10分後の画面です。米ドルもメキシコペソもマイナスになっていて、合計で約80円の赤字と表示されています。所持している通貨ペアをクリックすると、より詳しい運用状況が確認できます。
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為替相場は刻一刻と変化しているので、買付時よりもレートが円高に動けば、評価損になります。評価損益は変動する為替レートとともに常に増えたり、減ったりしているのです。銀行の外貨預金では気が付かないと思いますが、こうしたことがリアルタイムでわかるところは、やはりFX積立ならではでしょう。

FX積立は「買いポジション」のみとなります。相場が反対に動いたからといって、通常のFXのように売りポジションを持ち、反対売買で損失分を取り返しにいくことはできません。つまり、アプリを開いてみたところで、積立投資をすると決めた以上、何かできるわけでもないのです。それでも評価損益が気になり、その日の夜にもう一度確認してみると、今度は米ドルが値を戻して黒字になり、合計の赤字幅も縮小していました。
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オミクロン・ショックでも少ない評価損?!

FX積立を開始してから1カ月も経たないうちに為替相場が急落しました。新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」が11月26日に南アフリカで確認されたのです。株式市場も為替市場も急落しました。積立運用期間中の米ドル/円相場をチャートで見ると、以下のようになります。●は買付・売却が行われた日です。
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※外為どっとコム高機能チャートより作成
「高機能チャート(テクニカル分析)」はこちら
PC:https://www.gaitame.com/markets/chart/advanced.html
スマホ:https://www.gaitame.com/markets/chart/advanced_sp.html

このようなとき、FX積立はどのようになるのでしょうか。オミクロン・ショック後の12月2日の第4回買付直後の運用状況で確認してみました。
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米ドルとメキシコペソの評価損益の合計は約1486円の赤字でした。レバレッジ2倍で運用しているので、1倍であればこれの半分です。オミクロン・ショックで米ドル/円相場は115.51円という2021年の年初来高値から11月26・27日の2営業日で約3円急落しました。通常のFXでのポジション評価額の変化を見ていたからかもしれませんが、「(相場が急落しても)FX積立の評価損は意外に少ないな」という印象でした。

ドルコスト平均法の効果を実感

これはFX積立が「価格変動リスク」を抑える効果のある「積立」という投資方法で運用されているからでしょう。
今回のように毎週水曜日11時30分に4,000円分の外貨を購入すると、円高であれば、たくさん米ドルが購入できて、円安になると少しだけしか米ドルが購入できません。米ドル/円で実際の買い付けレートと購入量をグラフにしてみました。
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ご覧の通り、購入レートが円高・ドル安になると米ドル購入量は増え、円安・ドル高になると減ります。その結果、購入レートは平均化されていきます。当然、評価損益の変動もより緩やかになるわけです。「評価損が意外と少ない」と感じた最大の理由でしょう。
こうして始まった私のFX積立。3月の売却までの4カ月間には相場を変動させるような大きな出来事が起こります。後編では、私がどのように積立を続けたのか、そしてどのような運用成績に終わったのか、詳しくお伝えします。
(後編へ続く)

マネ育PickUp編集部
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新興国通貨が高金利である理由について
新興国に分類される国々は概して政治リスクや財政リスクが先進国よりも高く、したがってその経済的信用度は相対的に低い水準にあります。こうした条件下では海外投資家の資金を呼び寄せられず、経済発展の支障となるため、金利を上げたり税金を安くしたりすることで、信用度の低さを補いうる投資環境を構築しようとします。そのため新興国通貨は一般に先進国通貨よりも高金利となる傾向にありますが、前述したように各種リスクが高い水準にあることから、長期的には先進国通貨に比べて価値が下がる(=通貨が下落する)条件を備えているともいえます。