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FX「今週はトルコ重要週。来年の選挙へ向けトルコは過激となる。リラ安」トルコリラ見通し


総括

FX「今週はトルコ重要週。来年の選挙へ向けトルコは過激となる。リラ安」トルコリラ見通し

(通貨最下位、株価首位)   
予想レンジ トルコリラ/円 7.2-8.2

(ポイント)
*最弱通貨 貿易・経常赤字は改善せず
*今週は重要指標の発表が多い
*インフレ70%でも政策金利は14%で据え置き
*フィンランド、スウェーデンのNATO加盟に異議
*外貨準備が減少している
*来年6月の選挙まで与野党の激しい攻防が続く 海外へも不合理な強さ示す
*住宅価格上昇はロシア人の購入によるもの
*リラ特別預金の増加が支え
*観光収入は増える
*EU加盟の望みは捨てず
*IMF成長見通し下方修正
*S&Pは格下げを実施
*エルドアン政権が与党に有利な選挙制度改革を計画している
*主要食品の付加価値税を1%に引き下げ
*トルコ実業界はリラの対ドルレートを9から14の間で推移することを望む

(今年も最弱通貨、その根本の原因)
トルコリラは年初来、対円で10.882%安、対ドルで23.92%安。対ドルではトルコ産業界が望む9.0-14.0のレンジを抜けて16台となった。様々な問題があるが、根本は貿易赤字、経常赤字が恒常的に続き実需のリラ売りが出ることだ。豪、NZ、南ア、メキシコも貿易・経常赤字が続き、売り込まれてきたが、最近は豪と南アが安定的な黒字、NZとメキシコも黒字を計上することが多く通貨の安定に繋がっている。やはり資源を持つということは強みだ。トルコは鉱物性燃料の輸入が大きく、また通貨安の懸念で金購入額も大きく貿易赤字が続く。政府は様々なリラ売り抑制策をとるが効果は一時的に終わっている。

(今週はトルコ週間)
今週は4月貿易収支、1Q・GDP、5月製造業PMI、中銀議事録、外貨準備高、消費者・生産者物価の発表がある。

(選挙1年前で自己主張あり、足の引っ張り合いあり)
NATOに加盟しようとするスウェーデン・フィンランドへ異議を申し立てていること、極右政党のMHPのNATO離脱論、CHPのエルドアン大統領国外逃亡説、テロ組織PKKへの攻撃再開など過激な報道が続くが、これらは来年6月への選挙戦へ向けた論戦の始まりとも言える。ただこれも世界に協調しない姿勢となりリラ売りに繋がっている。

(インフレ70%でも政策金利14%で据え置き)
中銀は5月26日の金融政策決定会合で、主要政策金利を14%に据え置くことを決めた。据え置きは5会合連続。中銀は、強力な対策が講じられ、物価の上昇は鈍化する見通しだと強調した。ただ高インフレと通貨リラの下落は続いている。リラはこのところ1ドル=16リラ台に達し、年始から2割近く下落した。
4月の消費者物価指数は、前年同月比で69.97%上昇し、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中でも突出する。昨年後半の連続利下げに伴う通貨暴落はいったん落ち着いていたが、外貨準備不足の懸念が強まり、リラ安が進んでいる。

テクニカル分析(トルコリラ/円)

ボリバン2σ下限に沿って下落

 日足、団子天井から下落。2σ下限に沿って下落後5月26日から3連続陽線で小反発。5月17日-23日の下降ラインが上値抵抗。5月26日-30日の上昇ラインがサポート。5日線。20日線下向き。
 週足、8週連続陽線の後は3週連続陰線。21年12月20日週-22年5月23日週の上昇ラインがサポート。5月9日週-23日週の下降ラインが上値抵抗。ボリバン2σ下限。
 月足、3月、4月の底堅さも5月は維持できない。3月-4月の上昇ラインを下抜く。21年9月-10月の下降ラインが上値抵抗。
  年足、7年連続陰線。22年は寄り引き同時に近づいてきた。18年-21年の下降ラインが上値抵抗。



メルハバ

NATO加盟異議に繋がっているシリア北部での軍事作戦

 エルドアン大統領は、南部のシリア国境沿いで軍事作戦を近く開始すると表明した。テロの脅威に対応するため国境から向こう30キロにわたる安全地帯を設けるとした。この戦いがトルコのフィンランドやスウェーデンのNTO加盟への異議に津鳴ってる
 軍事作戦はシリア北部を標的にする可能性が高い。トルコは2016年以降、少数民族クルド人民兵組織「人民防衛部隊YPG」を弱体化させるため、軍事作戦を何度も実施している。トルコはこのテロ組織をスウェーデンやフィンランドが保護していると主張し両国のNATO加盟に異議を唱えている。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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