総括
FX「回復への道。問題は雇用不安」南アランド見通し
通貨2位、株価8位
予想レンジ 南アランド円 7.9-8.4
(ポイント)
*週足は4週連続陰線の後、2週連続陽線と回復
*今週はもりだくさん、貿易収支、アブサ製造業PMIやS&P・PMI、雇用
*中銀=スタグフレーションのリスクあり
*いすゞ、アフリカ事業拡大
*通貨番付2位堅持
*利上げ、格付け見通し引き上げ、コロナ感染第5波ピークで上昇
*政策金利を予想通り0.5%引き上げ、4.75%へ
*4月の消費者物価上昇率は前年比5.9%
*世銀やIMFは成長見通し下方修正
*南ア産出の資源価格は上昇していない
*貿易収支は黒字を維持
*洪水で「国家的災害事態」宣言
*計画停電が続いている
*中国の景気減速も悪影響を及ぼす
*失業率は35%と高い
(2週連続陽線と回復、要因は)
週足は4週連続陰線の後、2週連続陽線と回復してきた。コロナ感染が抑制されてきたことが大きい。利上げ、格付け見通し引き上げも効果があった。まだ計画停電や洪水からの復興問題は残る。日足もなべ底のようになり抵抗力が増してきた。格付け会社(S&P)が良好な交易条件と財政支出抑制への道筋を評価したことも大きい。
(今週の注目)
今週の発表される指標は多い。4月貿易収支は黒字を維持し、5月アブサ製造業PMIや S&P・PMIは改善の見込みだ。問題は雇用であり、1Qは35%台を維持しそうだ。雇用不安は暴動などのきっかけとなってしまう。
(中銀の懸念)
中銀は、ウクライナ戦争の波及リスクについて、食品・燃料価格の上昇、景気鈍化、高失業率を通じて、国内金融の安定に悪影響を及ぼす恐れがあるとの認識を示した。
金融システムの健全性に関する半期に一度の報告書で述べた。国内の金融システムは「底堅い」が、スタグフレーションのリスクが格差と景気鈍化を悪化させる恐れがあると指摘。
「南アフリカは、特にロシア・ウクライナ戦争、世界的なスタグフレーション懸念など、世界情勢の波及効果の影響を依然として受けやすい」とし、社会の安定が損なわれる可能性があると懸念した。
(いすゞ、アフリカ事業拡大 南アで取引先支援)
いすゞ自動車がアフリカ事業を拡大する。5月に南アフリカで売り出すピックアップトラックの生産に合わせ、同国の取引先支援に5億8000万ランドを投資した。半導体不足が続くなか、車1台に使う半導体が少ない新興国向けの販売を増やし、業績の安定につなげる狙いもある。
いすゞのアフリカ販売は2022年3月期に前の期比34%増の8万3千台と、世界販売(72万1千台)の12%を占めた。とくにピックアップトラックでは5万7千台を売り、主要市場の一つとなっている。
テクニカル分析(ランド/円)
なべ底。5日線上向き20日線を上抜く
日足、なべ底のような形になってきた。現在は雲中。ボリバン中位超える。5月26日-27日の上昇ラインがサポート。5月5日-27日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き20日線を上抜く。
週足、2週連続陽線。5月16日週-23日週の上昇ラインがサポート。4月18日週-5月23日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、4月は陰線。5月もここまで陰線。2σ上限から反落。3月、4月は上ヒゲが長かった。1月-3月の上昇ラインがサポート。
年足、21年はかろうじて陽線。22年も陽線スタート。18年-21年の下降ラインを上抜く。20年-21年の上昇ラインがサポート。
喜望峰
アフリカから手を引け、 南アで反仏デモ
首都プレトリアにある仏大使館前で5月25日、急進左派政党「経済的解放の闘士(EFF)」の党員や支持者ら数百人が反仏デモを行い、アフリカから手を引くよう求めた。
EFFのジュリアス・マレマ党首は「フランスの白人至上主義者」に対し、「あなた方はアフリカで大勢の人を殺した。今になって何をそんなに怖れているのか」と呼び掛けた。
マレマ氏はアフリカ民族会議(ANC)青年同盟の指導者だったが、2013年に離脱してEFFを結成。欧米の帝国主義を繰り返し非難し、労働者や失業者を中心に数百万人の支持を集めている。ウクライナ侵攻をめぐっては、ロシア支持を表明している。
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