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【ダイジェスト】FX/為替「プロが解説!FXトレード戦略!6月ユーロから始まるドラマの予感」 高橋 祥夫氏 2022/5/20

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動画配信期間:2022/5/20
ナットウエスト・マーケッツ証券会社のチーフ・エコノミスト高橋祥夫氏が登壇。
2022年上半期は地政学リスクからユーロやポンドが大きく変動しました。これまでの常識が変わりつつある中で、今後の焦点やポイントを徹底解説!
投資戦略のヒントを読み解くセミナーとなりますので、ぜひご覧ください。

(00:56頃から)
実質実効為替レートをご覧ください。ドルが上がり円が下がっておりますが、ユーロやポンドは小幅な動きとなっています。

なぜそのような流れになったかは、主要4中銀の金融政策を比較すると一目瞭然です。FRBは金融引き締めをペースアップしています。次に、BOEは4回利上げをしていますが売られています(理由は後程)。そしてECBはようやくバランスシートの拡大縮小を検討したほか、利上げが見えてきました。最後に日銀ですが、依然として緩和姿勢を保っています。

金融政策の方向性の違いから、ドル/円相場ではドル買い/円売りが活発化しました。

ECBの利上げが見えてきた現在、為替は「変化」に反応しますので、ドルとユーロの相対比較が面白いかもしれません。

(05:44頃から)
ドル/円相場と米10年債利回りは高い相関性があります。それを見ると、米長期金利は上がりきった可能性があり、ドル高は一服となりそうです。一方で(足元の)円安については、実質政策金利を見ると他の国より相対的に高い状態が続いていましたが、昨年あたりからエマージング通貨や主要国通貨の実質金利がプラス、もしくはマイナス幅縮小していることも挙げられます。

(07:51頃から)
米長期金利が十分に上昇したと考える理由について、実質金利とBEI(Break Even Inflation rate、市場が予想する期待インフレ率)をご覧ください。

利上げの時、実質金利が上がりインフレ期待が下がる場合は「十分に引き締めをしてインフレ予想が下がる」、つまり、利上げが効くとマーケットは見ている、ことを意味します。21年にFRBが利上げを開始した際はそのようになりました。

その後、実質金利が上昇するもインフレがなかなか下がらない状況が続きました。今年に入り、FRBが金融引き締めのギアを上げたため実質金利が一段高となりましたが、インフレ期待が低下しています。足元の株安と合わせて考えますと、チャートからは景気が減速してインフレが低下するところまでを織り込んでいる可能性があります。

ここから読み取れるのは、景気がよほど強いか、もしくはこれまでの動きが強すぎたので一服を迎える可能性があります。以上から、米長期金利の上昇がいったん落ち着くと見ています。

(28:47頃から)
米独の10年債利回りを並べたチャート(左)をご覧ください。欧州の金利は米金利が決定要因となる傾向があり、足元で米金利に追いつかなかったのでユーロが下落していました。

チャート(右)では、ラガルドECB総裁が4月末に利上げについて言及したこともあり、右端で実質金利が上がってインフレ期待が低下しています。チャートからは「市場は利上げがインフレ抑制に効くと見ている」と読み取れます。

一方で欧州経済を見ますと、(上昇しやすい傾向のある)インフレ率が上昇する一方、景況感の落ち込みは米国以上となっています。金利市場は特に短期では中央銀行の意向が反映されますが、為替市場でそこまで織り込んでいるとは思えませんので、ユーロは上昇余地があると見ます。

(37:46頃から)
以下、ECBの金融政策で見るべきキーワードです。
1.順序付け:資産買い入れ完了後、「しばらく後」に利上げを決定
2.利上げの3条件(インフレ率の2%達成、2%目標にとどまる、2%で安定する)
3.選択性・漸進主義・柔軟性

(47:12頃から)
英国は4回利上げしたが最終局面の様相を呈しています。4回目利上げの後にポンドは下落。市場は利上げ継続とみていますが、BOEの予想がショッキングであった点です。

BOE理事会での議論の前提となっているインフレ予測には2つあり、一つは金利が変わらない場合、もう一つはマーケットが織り込んでいる通りの利上げをした場合です。右図をご覧ください。2023年に10%台に到達した後、金利が変わらない場合はその後25年にかけて2%付近の低下に留まるとした一方、市場の期待に沿って利上げした場合は25年に1.3%まで低下するとの見通しを示しました。これらを勘案すると、利上げは8月にあと1回で十分との見通しです。

こちらでは、金利が変わらなかった場合と、市場の期待に沿って利上げした場合の、GDPと失業率の予測です。いずれも市場の期待に沿ってあげた場合、GDPの落ち込みが大きく失業率がより上昇するとの見通しです。

ポンドをトレードする上で、利上げ云々よりも英経済の行方が重要です。

takahashisi.jpg ナットウエスト・マーケッツ証券会社 チーフエコノミスト
高橋 祥夫(たかはし・よしお)氏
野村総合研究所でエコノミストとして勤務した後、ドイツ証券、バークレイズ証券で20年以上にわたり外国債券と為替のストラテジストとして活躍。現在、ナットウエスト・マーケッツ証券チーフ・エコノミストとして日本経済の分析を海外向けに発信するとともに、豊富な経験に基づき為替を含めた海外投資戦略を幅広い投資家に提供している。
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