執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
豪ドル/円(4時間足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
直近1週間のポイント
☆日銀「指値オペ」で金融緩和継続を強調
・原油安で上げ幅縮小
・ウクライナ停戦期待で原油安・ユーロ高・豪ドル安
足元の豪ドル/円は6年8カ月ぶり高値から反落
日銀が大規模緩和を維持する一方、海外の主要中銀は引締め志向を強めており、そうした金融政策の方向性の違いを意識した円売りが活発化する中、24日には91円台へ上昇しました。25日には92円台へ続伸後に反落しましたが、週明け28日には日銀の「連続指値オペ」を受けて円売りが加速。一気に94.31円前後まで上伸して2015年7月以来の高値を付けました。ただ、中国上海のロックダウンの影響などから原油が値下がりしたため高値更新後は大きく上げ幅を縮小する展開となりました。29日にはロシアとウクライナの停戦交渉に合意の兆しが見えたとして原油が一段安となる中、対ユーロでの豪ドル安も重しとなり91円台へと反落。30日の東京市場では円を買い戻す動きが強まり、91.10円台まで軟化する場面もありました。
注目ポイントはRBA
豪中銀(RBA)は4月5日に政策金利を発表します。3月会合では「インフレ率は上昇しているものの、持続的に物価目標の範囲内に収まると結論付けるのは時期尚早」として利上げに慎重な姿勢を維持しました。それでも市場は、早ければ6月にもRBAが利上げに動くとの見方を変えていません。こうした利上げ期待が、対円で豪ドルを6年8カ月ぶりの高値へと押し上げた一因です。5日の会合では政策金利は0.10%に据え置かれる公算で、RBA声明の慎重なトーンに変化があるかがカギとなりそうです。早期利上げ期待が高まれば豪ドル/円は上昇すると考えられますが、28日に一時94円台まで急伸した事でいったん「天井感」が出ているのも事実でしょう。29日のように、ウクライナ情勢の好転が原油安とユーロ高を通じて豪ドル売り材料になりそうな点も不安要素です。当面は、荒い値動きが続く事になるかもしれません。
来週までの豪ドル/円の見通し
予想レンジ
88.500~93.000円
基調
不安定
来週までの注目ポイント
☆4/5 RBA政策金利
・主要国株価 国際商品価格
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【チャート】
「為替チャート|豪ドル/円(AUDJPY)|60分足」はこちら
「高機能チャート(テクニカル分析|豪ドル/円(AUDJPY)|60分足」はこちら

神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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