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FX/為替見通し「ウクライナ・ロシア問題は未解決のまま、英中銀はQTに距離置く」週刊為替レポート ハロンズ増刊号 ユーロ&ポンド 2022年03月20日

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目次

▼03月14日週のユーロとポンドは明暗が分かれる格好に
▼NATO首脳会議で制裁強まるか見守る展開に
▼BOEはQT(量的引き締め)に距離
▼ユーロ/円、間もなく三役好転
▼ポンド/円は155円を維持できるかどうかがポイント
▼03/21週のイベント
▼一言コメント

執筆日時 2022年03月18日 14時30分

ウクライナ・ロシア問題は未解決のまま、英中銀はQTに距離置く

03月14日週のユーロとポンドは明暗が分かれる格好に

主要各国が緩和策からの脱却を模索するなか、日銀はまだそうした地点に届いていないことで、本邦との金利差拡大が意識され円安が進行し、ユーロ/円、ポンド/円は買い先行し、ユーロ/円は130円半ば、ポンド/円は156円後半までレンジ上限を広げました。しかし、イングランド銀行MPC(金融政策委員会)を境にしてトレンドに差異が生じました。
先週にECBが緩和策からの脱却に向かう姿勢を示した一方、これまで引き締めで先行していたイングランド銀行がタカ派トーンを低下させたため、ユーロ/円は2月11日来となる131.909円(執筆時点)まで続伸した一方、ポンド/円は155円半ばまで押し戻されました。とはいえ、ベースとなる円安傾向は変わらず、両通貨ペアとも週を通じてみれば底堅く推移しました。

NATO首脳会議で制裁強まるか見守る展開に

ラガルドECB総裁は15日、「コモディティ価格の上昇が成長の足かせとなっても、経済は堅調に推移する」との見解を示しました。また、デギンドス副総裁も「リセッションに陥るとは考えていない」と述べ、スタグフレーション観測を否定しています。ECB首脳から想定上に前向きな発言が出たことで、インフレ抑制への対応が近いとの観測が薄っすらと広がっています。こうした雰囲気がユーロの下押し圧力を緩和させているようで、短期的にはユーロ反発への期待はあります。ただ、今後、エネルギー価格の上昇などでドイツの経常黒字が減少していけば、再びユーロの上値が重くなる危険もあり油断は禁物でしょう。
また、ウクライナ問題も未解決のままです。ロシアとウクライナが15項目の暫定的な和平案で大きく進展したと英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じましたが、ロシア側がそれを直ちに否定するなど、交渉の妥結点が見出しづらいことに変わりありません。事態が悪化すれば、2週間程度前の状況に逆戻りしてユーロ売りが強まる危険はあり、引き続き同ニュースへの警戒も怠れないでしょう。最後に、足もとのユーロ/円高が円安期待によるところが多分に大きいと感じられるため、円の動向にも注意が必要です。金融政策イベントを一通り通過し、次の材料を模索する時期だけに、視野を広くして相場を観察したいです。

BOEはQT(量的引き締め)に距離

イングランド銀行は、3会合連続で利上げを実施し、政策金利を0.75%へ引き上げました。ただし、カンリフ副総裁が据え置きに票を投じたほか、他の委員も0.25%利上げに賛同し大幅利上げを主張したメンバーもおらず、BOEのタカ派トーンは少し低下しました。今後の展開としては、『保有債売却の積極的な検討』のトリガーである政策金利1%までとりあえず金利を引き上げ、そこでいったん一連の引き締めを休止して様子をみることになるのではないかと考えています。その点では、5月に追加利上げに踏み切っても不思議はなさそうです。BOEの議事要旨でも、今後、インフレがさらに悪化する可能性があるとの認識が示しており、完全に引き締めサイクルを止めた様子はありません。
23日のインフレ指標が市場予想を上回れば、利上げ観測が復活することは十分に考えらます。その時は、ポンド買い直しが強まるかもしれません。また、24日には製造業・サービス業の企業景況感が発表されますが、そこで地政学的リスクの高まりによりスタグフレーションへの不安が高まれば、逆にポンドが売り直される危険もあります。いったん、大きなイベントを通過したあとでレンジが広がりづらいなか、指標結果の強弱に合わせた振幅になりそうです。

ユーロ/円、間もなく三役好転

ローソク足が一目均衡表の雲の上抜けに成功し、転換線と同基準線の逆転、遅行スパンの実線越えが来週初めにも達成されそうで、地合いは好調と言えるでしょう。直近130円前半で推移している200日移動平均線を上抜けしてきたことも、ユーロに有利に働いています。2月高値の133.151円トライする場面はありそうです。もっとも、200日線は未だ低下中でサポート力が十分ではないため、ユーロ/円の上昇も一時的にとどまりそうです。

【ユーロ/円チャート 日足】

ユーロ/円チャート 日足

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:EUR/JPY:130.000-133.000

ポンド/円は155円を維持できるかどうかがポイント

堅調な足取りで、1月・2月に上値を抑えられた水準である158.00円の壁に再挑戦するかと思いきや、高値圏で上ヒゲの長いローソク足が出現し期待は半減しています。155円半ばから156円前半で値固めして、上値トライの格好に持ち込めればレンジブレイクへのチケットを入手できそうですが、これに失敗すれば、調整的な動きが強まるかもしれません。

【ポンド/円チャート 日足】

ポンド/円チャート 日足

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:GBP/JPY:155.000-158.000

03/21週のイベント:

03/21 (月) 16:00 ドイツ 2月 生産者物価指数(PPI)
03/21 (月) 19:00 ユーロ圏 1月 建設支出
03/22 (火) 18:00 ユーロ圏 1月 経常収支(季調済)
03/23 (水) 16:00 イギリス 2月 消費者物価指数(CPI)
03/23 (水) 16:00 イギリス 2月 小売物価指数(RPI)
03/23 (水) 24:00 ユーロ圏 3月 消費者信頼感(速報値)
03/24 (木) 16:45 フランス 3月 企業景況感指数
03/24 (木) 18:00 ユーロ圏 3月 製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)
03/24 (木) 18:00 ユーロ圏 3月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)
03/24 (木) 18:30 イギリス 3月 製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)
03/24 (木) 18:30 イギリス 3月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)
03/25 (金) 09:01 イギリス 3月 GFK消費者信頼感調査
03/25 (金) 16:00 イギリス 2月 小売売上高
03/25 (金) 18:00 ドイツ 3月 IFO企業景況感指数

(執筆:小野 直人)

一言コメント:

本日から選抜高校野球が開催されます。オミクロン株の影響や出場校の選出を巡り疑念が高まったこともあり、盛り上がりはいま一つですが、球児には正々堂々と戦って若さとすがすがしさを感じさせてほしいところです。

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