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FX/為替見通し「120円の次は123円が目標レベルだが、ウクライナ不安は健在、200日線との乖離も拡大」週刊為替レポート ハロンズ ドル/円 2022年03月19日

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目次

▼03月14日週のドル/円は6年1カ月ぶりの119円台へ上伸
▼米景況感を睨んだ振幅
▼ロシアへの新たな制裁措置が出るのか注目
▼200日線とのかい離率が拡大
▼03/21週のイベント
▼一言コメント

執筆日時 2022年03月18日 16時00分

120円の次は123円が目標レベルだが、ウクライナ不安は健在 200日線との乖離も拡大

03月14日週のドル/円は6年1カ月ぶりの119円台へ上伸

ウクライナとロシアの和平交渉への期待や、米金融当局のタカ派化進展で日米の金利差拡大が意識され、ドル/円は2016年2月以来のレベルとなる119.118円までレンジ上限を広げました。

米景況感を睨んだ振幅

新たに公表された米金融当局の経済見通しでは、22年の成長見通しは昨年12月の4.0%から2.8%へ大きく下方修正されました。インフレ高進に加え、東欧の地政学リスクが影響したようです。実際に3月のニューヨーク連銀製造業景気指数が-11.8と、2月の3.1から急ブレーキがかかっており、見通しへの不確実性を高めています。しかし、0.25%の利上げを決定したFOMC(連邦公開市場委員会)後の会見で、パウエルFRB議長は成長鈍化への切迫感をみせませんでした。しかも、今後の会合でより積極的な利上げを行う姿勢を明示したたことで、ドル/円は下方向の厚みが増しつつあります。また、日銀が緩和政策の継続性をアピールしたことも支援材料となっているようで、ドル/円はもう少し戻りを試す動きが継続しても不思議ではありません。

ロシアへの新たな制裁措置が出るのか注目

ただ、不安な点もあります。それは、米国のイールドカーブ(利回り曲線)が平坦化していることです。こうした形状は将来的な景気減速のシグナルになることがあります。FRBのタカ派姿勢がこうした流れを加速させるようなら、米国のスタグフレーションが意識される危険はあります。来週は、ニューヨーク連銀調査より広い調査となる3月製造業購買担当者景気指数、同サービス部門購買担当者景気指数で、足もとの米経済の状態を確認することになりそうです。イールドカーブの平坦化が進めば、ドル/円の頭を抑制することになりそうです。また、24日に北大西洋条約機構(NATO)の緊急首脳会議が開催されます。そこで、対ロシアへの新たな経済制裁が発表されれば、世界経済へのネガティブ要因が増えそうで注意が必要でしょう。

200日線とのかい離率が拡大

2016年12月のトランプ高値118.661円をあっさりと超えて119円台乗せを果たし、地合いの強さを感じさせます。久方ぶり水準で上方向には目立った抵抗帯はみえません。目先の節目である120.000円突破を果たせば更なる次は2015年11月高値123.749円付近へ視線が上がりそうです。ただ、200日移動平均線とのかい離率が過去5年程度でみてかなり高水準となっている点は注意が必要でしょう。ここからの上昇幅拡大には相当な力が必要となるかもしれず、仮に大台回復を果たしても、滞空時間は短いかもしれません。

【ドル円チャート 日足;ボリンジャーバンド(上)、200日線との乖離率(下)】

ドル

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:
USD/JPY:117.500-120.500

03/21週のイベント:

03/23 (水) 23:00 米国 2月 新築住宅販売件数
03/24 (木) 北大西洋条約機構(NATO)、緊急首脳会議(於:ベルギー)
03/24 (木) 21:30 米国 2月 耐久財受注
03/24 (木) 21:30 米国新規失業保険申請件数
03/24 (木) 22:45 米国 3月 製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)
03/24 (木) 22:45 米国 3月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)
03/24 (木) 22:45 米国 3月 総合購買担当者景気指数(PMI、速報値)
03/25 (金) 08:30 日本 3月 東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)
03/25 (金) 08:50 日本対外対内証券売買契約等の状況
03/25 (金) 23:00 米国 3月 ミシガン大学消費者態度指数・確報値


(執筆:小野 直人)

一言コメント:

ロシア財務省は17日、16日に期限を迎えたドル建て国債の利払い計1億1700万ドル(約140億円)の支払いを実施したと発表し、ロシアの目先のデフォルト懸念はひとまず回避されました。しかし、今後も利払いが続くことから油断はできません。次に大きな償還・利払いがあるのは4月4日です。

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