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FX/為替予想「上値の重い豪ドル、いつ何がトリガーとなって上に切り返すのか?」なっとく 豪ドル見通し 戸田裕大

なっとく豪ドル見通しタイトル

こんにちは、戸田です。

本シリーズでは、オーストラリアのマクロ経済政策などをもとに、豪ドルの現状や相場見通しについてお伝えしていきます。豪ドルの通貨売買のご参考にして頂ければ幸いです。

第11回目は「上値の重い豪ドル、いつ何がトリガーとなって上に切り返すのか?」です。

結論から申し上げますと、しばらくは上に切り返すのは難しいかも知れません。かと言って下は底堅そう、そんな状況に映ります。

順を追ってみていきましょう。

目次

1.豪ドル相場を定点観測
2.直近のRBAで決まった2つのこと
3.豪ドル上昇のトリガーが見当たらない
4.結局、豪ドルとどのように対峙すればよいか?

1.豪ドル相場を定点観測

まずは現在の豪ドル相場をかんたんに確認し一緒に状況を確認しましょう。

<豪ドル/米ドル(AUD/USD)チャート、日足>
作成時点のAUD/USDレート:0.7097

豪ドル/米ドル(AUD/USD)チャート、日足

前回報告が1月25日で、その作成時点のAUD/USD相場が0.7182でしたので、2週間で85ポイントの豪ドル安が進みました。オーストラリア独自の材料で売られているというよりは、アメリカが利上げ、早期のバランスシート縮小に動くなかで、相対的に売られている、このような状況と認識します

<豪ドル/日本円(AUD/JPY)チャート、日足>
作成時点のAUD/JPYレート:81.70

豪ドル/日本円(AUD/JPY)チャート、日足

前回報告(1月25日)が81.74円ですので、差はわずかに0.04円、つまりAUD/JPYは2週間ほぼ横ばいでした。ドル/円が上昇した分と、豪ドル(AUD/USD)が下落した分が相殺され、豪ドル/円(AUD/JPY)は横ばいになっています。

2.直近のRBAで決まった2つのこと

変更点は「量的緩和の終了」と、「買い取った国債の再投資に関する議論を5月3日の会合で始める」ことの2点です。逆説的にはここから5月まで何にも大きな変化がないのかも知れませんね・・・

2022年2月1日に公表されたRBA金融政策
  ● 銀行間の翌日物貸出レート0.10%(政策金利)
  ● 国債の追加の買い入れを中止(量的緩和の停止)
  ● 5月の会合で満期を迎える国債の再投資を行うかどうか議論

次に報告書から私が気に留めておきたいと感じた文言を4文、意訳してご紹介します。

量的緩和の終了(停止)は、そのあとの利上げや、金融引締めを意味するものではない

オーストラリアはグローバルなインフレ圧力に影響されているが、他の先進国にくらべて影響はすくない。ただし想定したよりもインフレ圧力はつよく、今後数年のインフレ率は2~3%よりも上で推移する可能性がある。その際にRBAの目標(価格の安定、完全雇用、オーストラリア国民の経済的繁栄と安寧)が早期に達成されることになる。

● しかしオーストラリアのインフレは7年ぶりにちょうどターゲット(2~3%)の中心に達したばかりで、それゆえに、メンバーはいまのインフレ率が十分に高いかどうか結論をだすには早すぎると判断した。

● 結論として、メンバーはひきつづき注意深くさまざまなインフレ要因をウォッチしていく。

この辺りが抑えておいて役に立つポイントです。

3.豪ドル上昇のトリガーが見当たらない

オーストラリアの経済指標はすこぶる好調です。過去最高水準の貿易黒字に加え、最低水準の失業率、さらにインフレ率も他の先進国対比で低く、経済環境が「適温」とでもいいますか、とても良い状態になっています。ゆえに豪ドルは底堅い展開が続くと思います。

しかし豪ドルが大きく上昇するだけのトリガーもありません。それは、ひとつはオーストラリアのインフレ圧力が高まっていないので、RBAが利上げや金融引締めに急ぐ理由がないことが原因です。

もう一つは米国の金融政策が引締めに動いていること。3月の利上げや、早期のバランスシート縮小へと動いており、現時点においてはRBAとFEDのコントラストは明確なんですね。

ゆえにこの関係性がくずれる「何か」の発生に期待するしかない状況です。

中銀のコメントみたいになってしまいますが、辛抱強く、豪ドル買いの材料を探しにいく時間帯になると思います。

4.結局、豪ドルとどのように対峙すればよいか?

<AUD/USD 4時間足>

AUD/USD 4時間足


AUD/USDは金融政策を素直に追うなら「売りから」、豪ドルの大きな戻りに期待するなら「買いから」入って行く局面と考えます。目先のトレンドは売り優勢ですが、オーストラリア経済は順調そのものであり、のちに大きなトレンド転換が控えていると思うので個人的には買いから入りたいです。

どちらにしても最も重要なチャートポイントになるのは0.6970~0.7000周辺になります。この水準は2020年の11月ごろから保たれていますので、まず意識しておくべきポイントになるでしょう。私はそこまで下がってきた場合には買いから入っていきたいと思います。

ただ、目先は売りが優勢になる気がしますね・・・

<AUD/JPY 日足>

AUD/JPY 日足

AUD/JPYについては、押し目買いでよいとおもいます。煮え切らない豪ドルではありますが、日本は資源高による貿易収支の悪化、金融緩和の長期化と円売り材料が多いですので円売り、豪ドル買いが素直だと思います。チャート的にもじり高が続いていますので、赤いラインを参考に買いを入れるとよいと思います。

特に77円台後半~78円台は買い場になると思います。下落している時は買うのが怖くなりますが、リスク管理としてストップ注文を併用しながら買っていくと良いでしょう。


本日はここまでとなります。

引き続き、みなさんのお役に立つ記事を作成してまいりますので、応援して頂けますと幸いです。

戸田裕大

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<参考文献・用語解説>
豪ドルチャート:外貨ネクストネオ

オーストラリアの金融政策:Statement on Monetary Policy – February 2022
https://www.rba.gov.au/publications/smp/2022/feb/overview.html

RBA:Reserve Bank of Australia、オーストラリアの中央銀行の略称で、中央銀行や、その金融政策決定会合そのものを指すこともあります。

FRB:Federal Reserve Board、アメリカの中央銀行制度の最高意思決定機関

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