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「テーマは各国の『金融政策』に」外為総研 House View ドル/円・ユーロ/円 2022年1月

【外為総研 House View】

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目次

▼ドル/円
・ドル/円の基調と予想レンジ
・ドル/円 12月の推移
・12月の各市場
・12月のドル/円ポジション動向
・1月の日・米注目イベント
・ドル/円 1月の見通し

▼ユーロ/円
・ユーロ/円の基調と予想レンジ
・ユーロ/円 12月の推移
・12月の各市場
・12月のユーロ/円ポジション動向
・1月のユーロ圏注目イベント
・ユーロ/円 1月の見通し

ドル/円

ドル/円の基調と予想レンジ

ドル

ドル/円 12月の推移

12月のドル/円相場は112.561~115.206円のレンジで推移し、月間の終値ベースでは約1.7%上昇(ドル高・円安)した。

前月末のオミクロン・ショックの余波で112円台に差し込む場面もあったが、米連邦準備制度理事会(FRB)のメンバーの多くが、パウエル議長のテーパリング(量的緩和の段階的な縮小)加速の方針に賛同を示すと下げ渋った。その後は、新型コロナ変異株「オミクロン」について、感染力は強いものの重症化リスクは低いとする見解が大手製薬企業などから相次いで示された事で市場センチメントが改善する中、113円台で底堅く推移。15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でテーパリングの加速の方針と早期利上げ見通しが示されると114円台を回復した。

多くの国が休日で参加者が限られたクリスマス休暇中もドル高・円安基調が続き、年末が迫った29日には約1カ月ぶりに115円台を回復。30日には新たな手掛かり材料がない中で115.21円前後まで上昇して11月に付けた年初来高値(115.52円前後)に迫った。

ドル/円 12月の推移

12月のドル/円4本値
出所:外為どっとコム

1日
米11月ISM製造業景況指数は61.1と予想(61.2)を僅かに下回った。この日、米疾病対策センター(CDC)は、米国で初のオミクロン変異株感染を確認したと発表。なお、オミクロン株についてはこの日、南アフリカで新規感染者が前日から倍増したと伝えられた一方、世界保健機構(WHO)は「ワクチンで重症化を防げる公算が大きい」とする見解を示した。

3日
米11月雇用統計は、非農業部門雇用者数が21.0万人増と今年最低の伸びにとどまり予想(55.0万人増)を下回った一方、失業率は4.2%と、予想(4.5%)以上に改善した。労働参加率は61.8%(予想61.7%)、平均時給は前年比+4.8%(予想+5.0%)であった。米11月ISM非製造業景況指数は69.1と予想(65.0)を上回り、1997年の統計開始以来で最高を記録した。

10日
米11月消費者物価指数(CPI)は前年比+6.8%となり、1982年6月以来の高い伸びを記録。食品とエネルギーを除いたコア指数も前年比+4.9%に加速した。もっとも、伸び率はいずれも予想通りだったことから、過度なインフレ警戒ムードが和らぎ米長期金利が低下に転じた。CPIの発表前に上昇していたドル/円も下げに転じた。

13日
12月日銀短観(全国企業短期経済観測調査)の業況判断指数(DI)は大企業製造業が+18(予想+19)で9月調査から横ばい。大企業非製造業は+9(予想+5)と9月(+2)から上昇した。その他、2021年度の想定為替レートは1ドル=109円09銭で、9月調査(107円64銭)から円安方向に修正された。

14日
米上院は、連邦債務の法定上限を2.5兆ドル引き上げる法案を賛成多数で可決。下院でも速やかに可決される見込みで、バイデン大統領が署名すれば債務上限は現在の28.9兆ドルから31.4兆ドルに拡大する。2023年初めまでの政府借入れに十分な額と見られ、当面は米国債の債務不履行(デフォルト)が回避される事になった。

15日
FOMCは政策金利(0.00-0.25%)の据え置きを決定。声明で「インフレの進展と労働市場のさらなる改善を考慮して、委員会は、純資産購入の月間ペースを国債で200億ドル、エージェンシーローン担保証券で100億ドル縮小することを決定」として、2022年1月以降にテーパリングを加速させる事を決めた。

同時に発表した経済・金利見通しではインフレ率や失業率の予測を上方修正した上で、2022年末までに25bp(0.25%)ずつ3回の利上げを行う見通しを示した。パウエル議長は会見で「経済見通しの変化がテーパリング加速を支持」「引き続き力強い経済成長を想定」「労働市場は最大雇用に向け急速に進展」「賃金はここ数年で最も速いペースで上昇」「テーパリングは来年3月半ばに終了する見通し」「テーパリングと利上げの間に長い遅れが生じると予想しない」などと発言した。

なお、この日発表された米11月小売売上高は前月比+0.3%と予想(+0.8%)を下回った。自動車を除いた売上高も前月比+0.3%(予想+0.9%)にとどまった。

23日
米11月個人消費支出価格指数(PCEデフレーター)は前年比+5.7%と予想通りの伸びとなった。一方、食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターは前年比+4.7%と予想(+4.5%)を上回り、1983年以来の高い伸びを記録した。

24日
日本11月CPIは前年比+0.6%(予想+0.5%、前回+0.1%)と3カ月連続でプラスとなった。日銀が注目するコアCPI(除生鮮食品)は前年比+0.5%(予想+0.4%、前回+0.1%)となり、伸び率は1年9カ月ぶりの高水準だった。

12月の各市場

12月の米2・10年債利回り

12月の日経平均、NYダウ平均

12月のドル/円ポジション動向

12月のドル/円ポジション動向

【情報提供:外為どっとコム】

  • ※ データの更新は、NYC時に行われます(前営業日のデータが追加)。また、過去180日間のデータが表示されます。
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  • ※ 尚、このポジション比率情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

 

1月の日・米注目イベント

1月の日・米注目イベント

ドル/円 1月の見通し

2021年のドル/円相場は約11.4%上昇し、6年ぶりに年足が陽線となった。コロナ禍からの経済回復に伴い、米国の金融政策が正常化に向かう一方、インフレ率の上昇が鈍い日本では大規模な金融緩和が当面維持されるとの見方が強く、そうした米日金融政策の格差がドル高・円安を促したと考えられる。

1月は早速、17-18日に日銀金融政策決定会合、25-26日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されている。日銀は今回も大規模緩和の維持が確実で、黒田総裁もハト派姿勢を堅持すると見られる。一方、市場の注目が集まるFOMCは3月にテーパリング(量的緩和の段階的な縮小)を終えた後の、資産圧縮(QT)や利上げなど、金融引き締め開始に向けた地ならしを始める可能性があろう。7日の米12月雇用統計や12日の米12月消費者物価指数が上ブレすれば、その可能性はより高まりそうだ。

1月も米国と日本の金融政策のスタンスの違いが改めて浮き彫りになる公算が大きく、ドル/円の上昇基調も継続しやすいと考えられる。2021年11月に付けた115.52円前後の高値を完全に視界に捉えており、これを超えれば2016年12月から2017年1月にかけて上値を抑え込まれた118円台半ばまでチャート上の上昇余地が広がりそうだ。
(予想レンジ:113.500~118.000円)

ユーロ/円

ユーロ/円の基調と予想レンジ

ユーロ/円の基調と予想レンジ

ユーロ/円 12月の推移

12月のユーロ/円相場は127.380~131.045円のレンジで推移し、月間の終値ベースでは約2.1%上昇(ユーロ高・円安)した。新型コロナ変異株「オミクロン」を巡る懸念などから、3日には約10カ月ぶりに127.38円前後まで下落したが、その後はドル/円相場の上昇などが支えとなり持ち直した。「オミクロン」を巡り、大手製薬企業などから楽観的な見方が示された事もあって8日には129円台を回復。

欧州中銀(ECB)理事会で、予想通りにパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の終了が決まると、翌17日には材料出尽くし感から127円台に反落する場面もあったが下値は堅かった。年末に向けて、ショートカバーと見られるユーロ買いが強まった事で、欧州のクリスマス休暇中にもかかわらず27日には130円台を回復。31日には約1カ月半ぶりに131.05円前後まで上値を伸ばした。

ユーロ/円 12月の推移

ユーロ/円 12月の4本値
出所:外為どっとコム

1日
米疾病対策センター(CDC)は、米国で初のオミクロン変異株感染を確認したと発表。これを受けて米国株が上げ幅を失うと円が強含んだ。なお、オミクロン株についてはこの日、南アフリカで新規感染者が前日から倍増したと伝えられた一方、世界保健機構(WHO)は「ワクチンで重症化を防げる公算が大きい」とする見解を示した。

2日
ユーロ圏10月生産者物価指数は前年比+21.9%と、1999年のユーロ発足後最大の伸びを記録。予想(+19.0%)を大きく上回り、前月の+16.1%から加速した。

7日
独12月ZEW景況感調査は29.9と市場予想(25.4)を上回ったが、前月(31.7)から低下した。また、ユーロ圏7-9月期域内総生産(GDP)・改定値は前期比+2.2%で速報値からの修正はなかった。なお、これ以前に発表された独10月鉱工業生産は前月比+2.8%と予想(+1.0%)を上回った。

16日
ECBは主要政策金利を0.00%、預金ファシリティ金利を-0.50%に維持すると発表。PEPPについては2022年3月に予定通りに終了するとした。従来の資産買い入れプログラム(APP)を4-6月期に月400億ユーロに増額、7-9月期には月300億ユーロとし、10-12月期以降は従来の月200億ユーロに戻す予定。PEPPの終了により、22年4月以降の量的緩和は現在の半分以下に縮小する事になった。おおむね予想通りの決定ではあったが、ユーロは上昇した。ただ、その後ラガルド総裁が会見で「インフレ率は来年のうちに低下するだろう」「ECBが2022年に利上げする可能性は非常に低い」などと述べると、材料出尽くし感も相まって反落した。

17日
独12月Ifo企業景況感指数は94.7と予想(95.3)を下回った。その後に発表されたユーロ圏11月消費者物価指数(HICP)・改定値は速報値と変わらずの前年比+4.9%で過去最高の伸びとなった。

20日
ドイツ連銀はこの日、年末で退任するバイトマン総裁の後任として国際決済銀行(BIS)幹部のヨアヒム・ナーゲル氏を起用する方針を表明した。ナーゲル氏のスタンスはバイトマン総裁と同じくタカ派と見られている。また、2027年に任期が満了するラガルドECB総裁の後任の有力候補になると見られる。

22日
シュナーベルECB理事は「インフレに上向きのリスクがある」などと発言。オーストリア連銀のホルツマン総裁も「APPを終了すれば、その後に利上げがあるという非常に強いシグナルを市場に送る事ができる」などと指摘した。その後、ラガルドECB総裁は、インフレは来年中に減速するとの見解を改めて示した上で「今後数年間の経済成長は力強い見通しだ」と述べた。

12月の各市場

12月の日経平均、DAX

12月の独2・10年債利回り

12月のユーロ/円ポジション動向

12月のユーロ/円ポジション動向

【情報提供:外為どっとコム】

  • ※ データの更新は、NYC時に行われます(前営業日のデータが追加)。また、過去180日間のデータが表示されます。
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1月のユーロ圏注目イベント

1月のユーロ圏注目イベント

ユーロ/円 1月の見通し

2021年のユーロ/円は約3.8%上昇した。ただ、ユーロは対ドルで約6.9%下落したほか、対ポンドでも約5.9%下落している。ユーロそのものは弱い部類の通貨で、ユーロ/円の上昇は主に円安主導であったことがわかる。

コロナ禍からの経済回復に伴い、米国や英国の金融政策が明確に引き締めに向かう一方、ユーロ圏は引き締めスタンスへの転換にそれほど前向きではなかった。他方、日本は金融緩和維持のスタンスを表明しており、そうした違いが各通貨の強弱に影響したと考えられる。もっとも、ユーロ圏では一部の加盟国がインフレの上昇を重く見て引き締めスタンスへの転換を主張しており、そのぶんだけ「円ほど弱くなかった」とも言える。

こうした各通貨の序列は2022年前半も続くと見られ、ユーロは全体として下落基調ながらも、対円では底堅く推移すると考えられる。ユーロ/円相場の週足チャートでは13週、26週、52週の各移動平均線が129円台後半に集まっており(1月4日時点)、これらを大幅に下回る公算は小さいだろう。一方で、2021年10月高値(133.48円前後)や同年6月高値(134.13円前後)は強い上値抵抗となりそうだ。
(予想レンジ:128.000~133.500円)

 

神田 卓也

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