明けましておめでとう御座います。
本年もどうぞ宜しくお願い致します。
先週の為替・債券市場はクリスマス明け、そして年末を控えて閑散な動きとなり、ドル・円は115円、ユーロ・ドルは1.13そしてポンド・ドルは1.3450、米国10年債券利回りは1.5%を挟んでの取引で薄商いの中、年末に向けてのトレンドが続き、ドル・円は115円台回復、そしてユーロとポンドは対ドルで高値で引けて米国10年債利回りも1.5%台を回復して2021年を終えた。
東京市場が休場であった年明け3日の為替市場は、米国10年債利回りが1.636%へと大きく上昇し、ニューヨーク株式市場のダウとS&P.が最高値を更新する中、意外に小動きに終始した。
年始は日経ヴェリタスが恒例の市場関係者(機関投資家や証券会社、銀行の為替、債券担当者や投資戦略を担当するストラテジストという事だが、肝心の為替ディーラーが只の一人も入っていないのが何時も気になる。)のドル・円予想の結果を発表するが、今年は余り面白いとは言えない結果となった。
まとめてみたのでご披露しよう。
ドル・円に関しては円の高値、安値そしてそのタイミングについて質問しており、回答は“高値109円1月、安値119円12月と言う形式となっており、これは“自分は今年のドル・円の安値は109円、高値は119円と見ており、そのタイミングはそれぞれ1月と12月である。”と読む。
結果は70名中、円高予想平均値は109.58でその分布は以下の通りである。
円高予想の最高値の99.90と最安値の117は兎も角、107~108の予想が多く110がそれに続く。
円安予想平均値は119.14でその分布は以下の通りである。
円安予想の最高値の115と最安値の130.50は兎も角、117~118の予想が多く120がそれに続く。
平均値では109.58~119.14、そして相場分布では円高107~108と円安117~118の大体10円のレンジとなった。
次に何時円高のピーク、そして円安のボトムを見るかとの質問への結果は、68名中最も円高になると思う人は1月が最も多く、2月と12月がそれに続いている。
3月、10月、11月を予想する人も多く、円高のタイミングに関しては極めてばらけているのがよく分かる。
次に最も円安になると思う人は12月が圧倒的に多く、6月がそれに続いている。
円安のタイミングに関しては年央か年末と言う事か?
これをまとめると、今年のドル・円相場は1月を底値にしてFRB.の利上げに沿って徐々に値を上げ、12月にそのピークを迎えると言うものであるが、これは極めてファンダメンタルズ的な観測で先週のレポートで指摘した秋の米国中間選挙、台湾、ウクライナ、そしてイランを巡る米中露が絡んだ緊張関係、そして新型コロナ・ウィルスなどの地政学的リスクを織り込んでいるとは思えない。
そもそも地政学的リスクを予知することは不可能である。
現在取引されている115円台から今月中に大方の予想通りに109円台まで下落すると見るのは現実的ではないが、“ドル・円相場の最安値は幾らですか?”と言う質問と、“何時ドル・円相場が安値を付けますか?”と言う別々の質問への平均の結果であり、“1月にドル・円は最安値の109円台を付ける。”と解釈するよりも、“ドル・円相場は年初から徐々に上げていくだろうが、突発的に109円~110円台へのドル安&円高も有り得る。”と考える人が多いと言う程度に受け止めておくのが無難であろうか?
先週のレポートで、“2022年はファンダメンタルズ対地政学リスクの綱引きとなり、基調はドル高&円安であるが突然のドル安&円高にも備えなければならないと言う難しい年になりそうである。”と述べたが、日経ヴェリタスのアンケート結果(基調はドル高&円安であるが、突発的な地政学リスクの勃発により何時突然のドル安&円高に見舞われるか分からない。)も自分の勝手な憶測があながち間違いではないかも知れないと思う所以である。
今週のテクニカル分析の見立ては113.85を下切れない限りドルに強気のままで、次のターゲットは2017年に付けた高値118.60になると言うものである。
今年の始値は昨日の115.01。
果たして、昨年の年足の陽線(始値103.07で終値115.09)に続いて今年の終値はこれよりも高いか?