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【海外特派員】トルコリラへの影響は?トルコにおける現在のCOVID-19対策

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 トルコでは、今年の前半にCOVID-19の陽性者や死者が急激に増加したことを受けて、マーケットや病院などへの外出以外を禁止するほぼ完全な外出禁止令、その後陽性者数が減少し始めてからは、日常生活の段階的正常化を目指す平日と土曜日の夜間および日曜日の外出を禁止する部分的な外出禁止令、およびそれに伴うマーケットやその他施設の営業時間制限などを実施してきました。

 陽性者が平均5,000人前後、死者が50人前後に達した7月1日、外出禁止令と営業時間制限が撤廃されました。それに伴い、制限撤廃後わずか1か月で陽性者数約2万人、死者数は100人を超え、2か月後には陽性者数23,000人超、死者数は290人に増加しました。それでも、今年前半のような外出禁止対策はこれまで一切講じられず、トルコ政府は「コロナとの共存」を目指していることがわかります。現在は、陽性者数が17,000~19,000人、死者数が170~190人台を推移しています。

 このように、陽性者数と死者数が高止まりしている理由のひとつは、外国人観光客の入国を制限していなことにあります。トルコでは観光が重要な産業のひとつとなっていますが、2020年は海外からの観光客が激減し、打撃を受けました。そこで、今年はコロナ陽性者数が多い一部の国を除き、2回ワクチンを接種している観光客は、隔離せずにほぼ無制限に入国させています。そのおかげで、今年の夏から秋にかけて、トルコ人だけではなく、ヨーロッパを中心とする観光客で有名観光地が賑わいましたが、観光客はほぼマスクをつけていませんでした。(トルコ人は、マーケット、その他の施設、航空機の搭乗時にはマスクの着用を義務付けられていますが、外で歩いているときの着用率は8~9割程度です。)

 次に考えられる理由は、今年始めから接種が開始されたワクチンの効力が弱まっていることが挙げられます。トルコではワクチン接種を急ぐために、60歳以上の大半は中国製のワクチンを2回接種しました。60歳以下が接種する5月頃からは、ファイザー社のワクチンと中国製のどちらかを自分で選択して接種できるようになりました。18歳以上の接種対象年齢のうち2回ワクチンを接種した国民は、現在8割を超えています。2回中国製のワクチンを接種した人は、3回目にファイザー社のワクチンを接種するように奨励されていますが、3回目の接種を終えた人は20数%に留まっています。

 さらに、意図的にワクチン接種を回避する国民の存在が挙げられます。このグループの人達は、ワクチンの開発にイスラム教で食べることを禁じられているブタの体内組織が使われているのではないかという疑念を抱いており、個人的というよりは家族内での話し合いの結果ワクチンを接種しないことに決めています。(ただし、イスラムの教えでは、必要に迫られている場合は、ブタ由来の製品(この場合はワクチン)を消費しても罪にはならないとされています。)筆者の夫や子供たちの知り合いでも、最近家族全員がCOVID-19に感染するケースが目立ち、なかには死者も出たという話を聞きますが、ほとんどの場合家族全員が接種していませんでした。

 

トルコ政府は、国民がコロナと共存できるようにさまざまな対策を講じています。

 まず、保健省がHayat Eve Sığar (生活は家で満たされる)というアプリを開発し、アプリで生成されるHESコードというトルコ独自のコードの取得を国民に義務付けています。トルコでは、国民と在留許可証を所持する外国人に対してID番号を発行しています。このID番号とHESコードが紐付けされ、万が一COVID-19で陽性になるとHESコードに登録されます。HESコードは、公共の交通機関への乗車時、航空機の国内線のチェックイン時、ショッピングセンターや博物館・美術館への入場時、ホテルのチェックイン時などで提示しなければなりません。HESコードのQRコードを施設側が読み取ると、顧客がCOVID-19に感染しているかどうかがわかる仕組みになっています。このアプリでは、HESコードを活用して国民のCOVID-19感染状況をトルコ全土の地図上で表示できるようにし、国民は自宅の周囲にCOVID-19の感染者がいるかどうか即座にわかるようになっています。

 また、e-nabizというアプリでは、病院の受診記録、薬の処方箋履歴などに加え、COVID-19のワクチン接種記録が保存され、ワクチンの接種証明、いわゆるワクチンパスポートがオンライン上で発行されます。ワクチンパスポートは国内では不要ですが、海外から帰国する際、空港でのチェックイン時にこのパスポートを提示すれば、搭乗前のPCR検査が免除されます。PCRテストは、どこの病院でも無料で受けられます。海外に渡航する場合は、パスポート番号を記載した英文の証明書を有料で受け取ることができます。  

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アプリに表示される首都アンカラの感染状況。赤が感染者が多い地域


 トルコのフラッグキャリアであるターキッシュエアラインズでは、国内線、国際線とも搭乗時にマスクと除菌シートをセットにした衛生キットを配布して、搭乗客の衛生面をサポートしています。機内では、長距離、短距離にかかわらず、マスクの着用が義務付けられています。また、隣合った人が同時にマスクを外して機内食を食べないように注意を促しています。

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ターキッシュエアラインズで配られる衛生キット(マスクと除菌シート2パック)


 さらに、外国人観光客を誘致して外貨を獲得するために、トルコ政府は観光客の安全を最優先に考える新型コロナウイルス感染防止策として、昨年夏、ホテルをはじめ、空港、レストラン、カフェなどに対して「セーフ・ツーリズム」プログラムを整備し、健康や衛生面に対する高度な要件を満たすと「セーフ・ツーリズム認証」が発行されるようにしました。この認証に基づいて、ホテル、空港、レストラン、 では、無料で使える消毒液が設置され、いつでも手指を消毒することができます。

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ショッピングモールに設置された消毒液。空港、ホテル、駅の構内、ジムなどにも同様の設備がある

 

 TVでは、夜のニュース番組で毎日陽性者数と死者数を発表し、ワクチン未接種者、2回目の未接種者、2回目接種から3か月以上を経た国民に対してワクチンを接種するように呼びかけています。

www.gaitame.com
 PickUp編集部 トルコ特派員