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「コロナ変異株『オミクロン』の影響を注視」外為総研 House View ポンド/円・豪ドル/円 2021年12月

【外為総研 House View】

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目次

▼ポンド/円
・ポンド/円の基調と予想レンジ
・ポンド/円 11月の推移
・11月の各市場
・11月のポンド/円ポジション動向
・12月の英国注目イベント
・ポンド/円 12月の見通し

▼豪ドル/円
・豪ドル/円の基調と予想レンジ
・豪ドル/円 11月の推移
・11月の各市場
・11月の豪ドル/円ポジション動向
・12月の豪州・中国注目イベント
・豪ドル/円 12月の見通し

ポンド/円

ポンド/円の基調と予想レンジ

ポンド/円の基調と予想レンジ

ポンド/円 11月の推移

11月のポンド/円相場は149.724~156.490円のレンジで推移し、月間の終値ベースでは約3.6%下落した(ポンド安・円高)。

英中銀(BOE)が市場の期待に反して利上げを見送った事や、欧州で新型コロナウイルスの感染が拡大した事がポンドの重しとなった。4日のBOE金融政策委員会(MPC)後に152円台へと下落。中旬にかけて下げ渋ったが154円台では上値が重かった。

19日には、オーストリアがロックダウン(都市封鎖)の再導入を決めた事がきっかけとなり、欧州通貨が全面的に下落する中、新型コロナウイルスの感染が拡大している英国のポンドにも下落圧力がかかった。26日には南アフリカで新たな変異株が見つかり、市場がパニック化すると150円台へと下落。ワクチン製造元のモデルナ社の最高経営責任者(CEO)が変異株「オミクロン」に対して既存ワクチンの効果が低いとの見解を示した事などから30日には150円台を割り込み149.72円前後まで下値を切り下げて10月1日以来の安値を付けた。

ポンド/円 11月の推移

ポンド/円 11月の4本値
出所:外為どっとコム

1日
ジョンソン英首相とマクロン仏大統領は前日、G20首脳会議の合間に両国間の懸案である漁業権について協議したが溝は埋まらなかったと報じられた。両国は英領海での仏漁船の操業許可を巡り対立を深めている。

4日
BOEは政策金利(0.10%)と資産買い入れプログラム(8950億ポンド)の据え置きを決定。議事録では政策金利の据え置きが7対2、資産買い入れプログラムのうち国債買い入れ(8750億ポンド)の据え置きが6対3で決定した事が明らかになった。「英経済が想定通りに推移すれば、今後数カ月で金利引き上げが必要になる」との見解も示された。ただ、10月にベイリー総裁が早期の引き締めに前向きな姿勢を示した事から政策金利が0.25%に引き上げられるとの観測が強まっていたため、据え置きを受けてポンドは急落した。ベイリー総裁は会見で10月の発言について「私を含めてメンバーは誰も今会合でのどんな決定も約束していない」と説明。市場の利上げ予想については「インフレ率を将来的に押し下げるであろう規模の利上げ予想に対しては警告する」と言明した。ベイリー総裁の発言を受けてポンドは下げ幅を拡大した。

11日
英7-9月期国内総生産(GDP)・速報値は前期比+1.3%と4-6月期の+5.5%から大きく減速。市場予想(+1.5%)も下回った。英9月鉱工業生産は前月比-0.4%(予想+0.2%)、同貿易収支は147.36億ポンドの赤字(予想143.50億ポンドの赤字)であった。これらを受けてポンドは弱含んだ。

15日
ベイリーBOE総裁は「労働力不足による賃金押し上げの兆候が増える中、インフレの状況を非常に懸念している」と発言。その上で「利上げを決める前に一時帰休者向け支援策が終了した後の結果が見たい」として、支援策が終了した9月末以降の労働市場を注視する考えを示した。また、今月の利上げ見送りは「非常にぎりぎりの決断だった」と述べた。

16日
英10月失業率は5.1%に低下(前回5.2%)、同失業保険申請件数は1.49万件減少した(前回8.59万件減)。英7-9月失業率は国際労働機関(ILO)基準で4.3%(予想4.4%、前回4.5%)であった。また英7-9月週平均賃金は前年比+5.8%と予想(+5.6%)を上回る伸びとなった(前回+7.2%)。英政府の賃金補助制度が9月末で終了した後も労働市場は堅調を維持した事が確認された。BOEの利上げに対するハードルが下がったと受け止められポンドは上昇した。

17日
英10月消費者物価指数は前月比+1.1%、前年比+4.2%と予想(+0.8%、+3.9%)を上回り伸びが加速。前年比の伸びは2011年12月以来の高さとなった。小売物価指数や生産者物価指数も加速しており、英国のインフレ高進が再確認された。

19日
英国も含めて欧州で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、オーストリアがロックダウンの再導入を決めた事がきっかけとなり、欧州通貨が全面的に下落した。

26日
前日終盤に、南アフリカで新型コロナウイルスの新たな変異株が発見された事で、世界経済への悪影響が懸念され、世界的に株価が急落。投資家のリスク回避姿勢が強まる中、ポンド安・円高が急速に進行した。なお、変異株は免疫反応を回避したり、感染力を高めたりする可能性があるとの事で、英国やドイツでは南アフリカとのフライトを制限する措置が取られた。また、世界保健機関(WHO)は、南アフリカで見つかった新変異株について「懸念すべき変異株」に指定した。

11月の各市場

11月の日経平均、FTSE100の4本値

英2年債、10年債利回り

11月のポンド/円ポジション動向

11月のポンド/円ポジション動向

【情報提供:外為どっとコム】

  • ※ データの更新は、NYC時に行われます(前営業日のデータが追加)。また、過去180日間のデータが表示されます。
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  • ※ 尚、このポジション比率情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

 

12月の英国注目イベント

12月の英国注目イベント

ポンド/円 12月の見通し

12月のポンド相場の最大の注目イベントは15-16日の英中銀(BOE)金融政策委員会(MPC)だろう。BOEは11月のMPCで市場の利上げ観測を裏切る形で政策金利を過去最低の0.10%に据え置いた。利上げ見送りの理由として、9 月末に期限が到来した一時帰休労働者に対する賃金補助制度が終了した後の労働市場の動向を見極めたいとした。その後に発表された英10月失業率は5.1%に低下しており、賃金補助制度終了の影響による雇用情勢の悪化は確認されなかった。12月14日に発表される11月の雇用統計が良好であれば、BOEは15bp(0.15%)の利上げに踏み切る公算が大きい。

ただし、足元で感染が広がる新型コロナウイルス変異株「オミクロン」がBOEの政策判断に影響を及ぼす可能性には留意が必要だろう。英政府が「ウイズ・コロナ」のスタンスを取り続ける限り、英国内で感染が拡大してもロックダウン(都市封鎖)の再導入など厳しい制限が課される事はないと見るが、重症化率や死亡率が大幅に上昇するような最悪のケースを辿ればその限りではなくなる。現時点ではその可能性は低いと見るが、もしそうなればBOEも再び利上げを見送らざるを得ないだろう。その意味では、今後明らかになるであろう「オミクロン」の分析結果も12月のポンド相場の重要なポイントとなりそうだ。

(予想レンジ:147.500~154.500円)

豪ドル/円

豪ドル/円の基調と予想レンジ

豪ドル/円の基調と予想レンジ

豪ドル/円 11月の推移

11月の豪ドル/円相場は80.113~86.059円のレンジで推移し、月間の終値ベースでは約5.9%の大幅な下落(豪ドル安・円高)となった。

豪中銀(RBA)が長期金利を低位に抑えるイールドカーブ・コントロール(YCC)を事実上撤廃しながらもハト派スタンスを維持。市場の早期利上げ観測を度々けん制した事もあって上旬から豪ドルは弱含みの展開が続いた。82円台では下げ渋る動きも見られたが、南アフリカで見つかった新型コロナウイルス変異株への懸念が広がると、26日には一気に80円台へと下落した。

その後は戻りも鈍く、新型コロナウイルスのワクチンを製造するモデルナ社の最高経営責任者(CEO)が変異株「オミクロン」に対して既存ワクチンの効果が低いとの見解を示した事などから30日には80.11円前後まで下落して10月1日以来の安値を付けた。

豪ドル/円 11月の推移

豪ドル/円 11月の4本値
出所:外為どっとコム

2日
RBAは政策金利を0.10%に据え置いた一方、3年債利回りの誘導目標(0.10%)を撤廃。声明で「利回り目標撤廃は経済の改善とインフレ目標に向けた予想よりも早い進展を反映した」と説明した。また、従来「利上げの条件は2024年まで満たされないと予想」としていた一文を「利上げの条件が整うには一定の時間がかかる公算」に変更した。ただ、ロウRBA総裁がその後、「政策金利が2024年まで現在の水準に留まる可能性は依然として完全にある」「最新のデータは2022年の利上げを正当化しない」「ほかの地域で見られるほどのインフレ急進はない」などと述べてハト派姿勢を強調したため、豪ドルは下落した。

3日
豪9月住宅建設許可件数は前月比-4.3%と予想(-2.0%)を下回って減少。一方、その後に発表された中国10月財新サービス業PMIは53.8と市場予想(53.1)を僅かに上回った。

4日
豪9月貿易収支は122.43億豪ドルの黒字となり、黒字額は市場予想(123.75億豪ドル)をやや下回った。鉄鉱石価格の下落などで輸出が前月比-6%となった事が響いた。

5日
RBAは四半期に一度の金融政策報告を発表。豪州経済が中心シナリオに沿った動きとなれば、2023年末までに賃金の伸びは3%前後に達し、基調インフレは7年間で初めて2-3%の目標レンジ中央値に到達するとの見通しを示した。その上で、「その時点の景気の軌道次第だが、2024年の最初の利上げと整合的であり得ると判断している」とした。また、賃金上昇率とインフレが中心シナリオより高い場合には2023年の利上げの正当な理由になるとした一方、最新のデータと予測は2022年の利上げを正当化しないと表明して市場の早期利上げ観測をけん制した。これを受けて豪ドルは下落した。

11日
豪10月雇用統計は新規雇用者数が4.63万人減と市場予想(5.00万人増)に反して減少。失業率は5.2%と前月から0.6ポイント悪化した(予想4.8%)。豪主要都市メルボルンを抱えるヴィクトリア州だけで約5万人減少した事が響いた。同州は10月21日までロックダウン(都市封鎖)が継続していた。

16日
RBAは2日に開いた理事会の議事録を公表。7-9月期消費者物価指数(CPI)を受けて「インフレリスクが上向いた」との認識を示したものの、「他の一部先進国と比べ国内のインフレは抑制される」とし、「経済に関する中心的シナリオでは政策金利は2024年まで据え置かれる見込み」との見通しを維持した。

17日
豪7-9月期賃金指数は前年比+2.2%と予想通りの伸びとなった。豪中銀RBAはインフレを目標の2%に維持するためには3%前後の賃金の伸びが必要としている事から、賃金指数の結果を受けて早期利上げ期待がやや後退した。

19日
欧州で新型コロナウイルスの感染が再拡大する中、オーストリア政府は完全なロックダウンを再導入すると発表。欧州経済の先行き不透明感から欧州株や原油価格が下落する中、ユーロ/円の下落に連れて豪ドル/円も軟化した。

26日
前日終盤に、南アフリカで新型コロナウイルスの新たな変異株が発見された事で、世界経済への悪影響が懸念され、世界的に株価が急落。投資家のリスク回避姿勢が強まる中、豪ドル安・円高が急速に進んだ。

11月の各市場

11月の日経平均、NYダウ平均4本値

11月の上海株、豪10年債利回り4本値

11月の豪ドル/円ポジション動向

11月の豪ドル/円ポジション動向

【情報提供:外為どっとコム】

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12月の豪州・中国注目イベント

12月の豪州・中国注目イベント

豪ドル/円 12月の見通し

12月の豪ドル/円相場は方向感が出にくい展開となりそうだ。11月の月足は10月の大陽線にかぶさる大陰線で引けており、上値の重さが鮮明になっている。とはいえ節目の80.00円割れは回避しており、今年これまで月足ベースで終値が80円台を割り込んだ事は一度もないという「値ごろ感」も踏まえると下値は限られそうだ。シカゴ通貨先物市場で豪ドル売りポジションが多い事もあって、仮に70円台に差し込んでも8月に付けた年初来安値77.89円前後に近付けば押し目買いが強まると考えられる。

注目すべきは、足元で世界的に感染が広がる新型コロナウイルス変異株「オミクロン」の動向と、豪中銀(RBA)の利上げに対するスタンスであろう。「オミクロン」については徐々に重症化率や死亡率などの詳細が明らかになれば市場の不安も和らぐと見るが、当面は関連ニュースのヘッドラインに一喜一憂する公算が大きい。

RBAの利上げスタンスについては、7日に発表される声明文がカギとなろう。豪州でもインフレが高進する中、市場は比較的早い時期にRBAが利上げに動く可能性が高いと見ているが、RBAのロウ総裁は利上げは早くても2024年との姿勢を崩していない。人手不足による労働市場のタイト化が進むと見られる中、RBAのスタンスに変化があるか注目したい。16日に発表される豪11月雇用統計の結果にも注目が集まりそうだ。

(予想レンジ:78.000~83.500円)

 

神田卓也

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