▼主要国の早期利上げ牽制で…
▼第四波到来
▼OPECプラスに期待したが…
▼心理的節目を割れるか？
▼11/1週のイベント
第四波到来。ドイツの見通しは暗い…？
主要国の早期利上げ牽制で…
英仏間の漁業問題で対ユーロでのポンド売りの影響もありユーロは前週末から反発したものの、その後はラガルド欧州中央銀行（ECB）総裁が「来年利上げする可能性は極めて低い」と過熱する市場の早期利上げ期待をけん制。2日にRBAが、3日にはFRB、4日にはBOEと主要通貨の中央銀行が相次いで政策金利を据え置いたことや、ベイリーBOE総裁が市場に対して強い牽制をしたことから、主要国の利上げ期待も沈静化しドル買い、円買いが強まりました。131.92円でオープンしたユーロ/円は4日には132.56円まで上昇後、131.01円と約3週間ぶりのまで一転下落。
第四波到来
ドイツでは10月の半ばから新型コロナの新規感染者数が再び増加傾向になり、11月4日には1日で3.4万人弱の新規感染者数（ロベルト・コッホ研究所調べ）が確認されています。ワクチン接種率も7月上旬に人口の60％が1回目の接種を完了した辺りから急激に接種の勢いが衰え、いまだに1回目の接種完了者数が70％に到達していない。ちなみに日本は7月の上旬は30％前後が11月3日時点で78％が1回目の接種を完了している（ともにOur World in Data参照）。シュパーン独保険相は3日に「第四波は本格的に到来した」との見解を示しており、サプライチェーンのひっ迫で勢いを失った独経済は、第四波の到来により更にダメージを受けることとなりそうです。来週は9日にZEW景況感調査がありますが、結果に関係なくドイツの今後は当面曇り空となりそうです。
OPECプラスに期待したが…
世界的なエネルギー不足懸念は続いています。僅かに期待された4日のOPECプラスの会合でも追加の増産は行わず、これまでの計画通り毎月日量40万バレルずつの増産（減産幅の縮小）が決定されました。これにより、原油をはじめとしたエネルギー価格は次回のOPECプラス会合が行われる来月の2日までは底堅い動きとなりそうです。①エネルギー価格の高騰、②サプライチェーンのひっ迫、③経済の停滞。③以外は一時的なものとみられていますが、現在進行形です。ユーロももうしばらく頭の重い状況が続きそうです。
心理的節目を割れるか？
ユーロ/米ドルは日足一目均衡表の基準線、転換線がレジスタンスとして働いていますので、この水準では売りを検討して良さそうです。その上は雲下限が目安となりそうです。一方で下値は、10月12日安値の1.1524ドルがサポートとして働いています。この水準を下抜けても心理的節目となる1.1500ドルを抜けられるかが焦点となりそう。下抜けられれば2020年7月21日安値の1.1423ドル付近までの下落も考えられます。
【ユーロ/ドル 日足チャート 一目均衡表】
予想レンジ：
EUR/JPY：130.00-133.00、EUR/USD：1.1400-1.1650
11/8 週のイベント:
11/09 (火) 16:00 ドイツ 9月貿易収支
11/09 (火) 16:00 ドイツ 9月経常収支
11/09 (火) 16:45 フランス 9月貿易収支
11/09 (火) 16:45 フランス 9月経常収支
11/09 (火) 19:00 ドイツ 11月ZEW景況感調査（期待指数）
11/09 (火) 19:00 ユーロ圏 11月ZEW景況感調査
11/10 (水) 16:00 ドイツ 10月消費者物価指数（CPI、改定値）(前年同月比)
11/12 (金) 19:00 ユーロ圏 9月鉱工業生産(前月比)
（執筆：中村 勉）
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