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FX「日米中の話題で不安定な値動きも、黒田総裁発言に注意」週刊為替レポート ハロンズ ドル/円 2021年10月23日

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日米中の話題で不安定な値動きも、黒田総裁発言に注意

ドル/円は上伸

エネルギー価格高や人手不足による供給抑制を背景にしたコスト高で、本邦の貿易赤字拡大が円安誘導のきっかけに。足元のレンジ上限を超えたことで、手当てが遅れていた輸入勢が慌ててドル買いに走ったとの声も聞かれた。ドル/円は114.70円近辺と2017年11月以来の高水準を示現しました。さすがに約4年ぶりの高値や中国恒大問題もあって、さすがに利食い売りが被さり113.60円台まで押し戻されましたが、下値は限定的でした。

米成長やインフレ指標は・・・

来週は7-9月期国内総生産(GDP)、同個人消費など重要指標が目白押しです。11月2-3日のFOMCでのテーパリング開始に向けた最終確認が取れるかどうか注目です。そのGDPですが、7-9月期はコロナ・デルタ株拡大の影響から市場は控えめな数字が予想されています。しかし、同時に米国内でワクチン接種率が小幅ながら盛り返した時期の統計でもあるため、予想外に強気な数字となる可能性も否定できません。その場合、米金融当局の利上げ前倒し観測を不本意ながらも高め、米金利・ドル上昇を促す危険はあります。逆に緩やかな成長に留まれば、金利の先高観測が修正されてドル/円の調整ムードが広がる展開も考えられます。もっとも、輸入コスト上昇から本邦の貿易赤字が今後も拡大するとの見通しから、急速に円高が進展するとの期待は持ちづらく、ドル/円の下値も限定されると思われます。

 

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図表1.実質実効為替レートとドル/円スポット データ:日銀、外為どっとコム

 

内外情勢に気配り

以上のように一見盤石そうなドル/円ですが、油断は禁物です。理由は日銀会合と選挙。2015年当時、125.86円と2002 年6月以来の水準にまで円安が進んでいたドル/円は、黒田日銀総裁の「これ以上の円安はありそうにない」との国会発言で急落した経緯があります。当時、アベノミクスの3本の矢による大規模緩和から円安が進行。悪い円安との見方が強まるなかでの発言で、一日にして2円以上円高が進みました。当然ながら来週の日銀会合後の総裁会見の場では、記者から足元の円安に対する見解を求められるのは必至。当時は2014年から1年かけて20円超円安が進んでいたため状況が大きく異なりはするが、円の動向に市場が注目し始めたなかでの発言だけに注意が必要でしょう。また、同様のことは総選挙中の自民党幹部にも言えそうです。遊説先で原油高による業績悪化懸念を抱く有権者に向けたリップサービスが、円安の勢いを止める可能性もあり得ます。加えて中国恒台集団のデフォルトへの不安も相変わらずくすぶっており、やや円安過熱感があるなかで突発的な円高の動きに惑わされず丁寧に下値を買い拾うよう心掛けたいです。

ドル円、短期売買中心に機動的に

直近のローソク足では上ヒゲを伸ばした翌日に下ヒゲを伸ばすなど全体的には底堅さをキープしている様子がうかがえ、全体的には押し目買いスタンスとみています。113.85円近辺を上昇中の日足一目・転換線を支えに切り返せれば、115.00円突破の期待は高まります。しかし、円安スピードが速かったこともあり、下向きの流れも警戒です。同水準を割り込むと次は心理的節目の113.00円、これまでのレンジ(今年4月23日安値107.48円起点とした上昇チャネル)上限が位置する112.55円付近まで視線が下がりそうです。一方向に売買スタンスを決めずに、流れに沿って機動的に短期売買をこなす局面ではないでしょうか。

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ドル円日足;出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:
USD/JPY:112.50-115.00

 

10/25 週のイベント:

10/26(火)08:50日本9月企業向けサービス価格指数
10/26(火)22:00米国8月住宅価格指数
10/26(火)22:00米国8月ケース・シラー米住宅価格指数
10/26(火)23:00米国9月新築住宅販売件数
10/26(火)23:00米国10月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)
10/26(火)23:00米国10月リッチモンド連銀製造業指数
10/27(水)-日本日銀・金融政策決定会合(1日目)
10/27(水)21:30米国9月耐久財受注
10/27(水)21:30米国9月耐久財受注・輸送用機器除く
10/28(木)-日本日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表
10/28(木)-日本日銀展望レポート
10/28(木)08:50日本9月小売業販売額
10/28(木)08:50日本9月百貨店・スーパー販売額(既存店)
10/28(木)15:30日本黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
10/28(木)21:30米国7-9月期四半期実質国内総生産(GDP、速報値)
10/28(木)21:30米国7-9月期四半期GDP個人消費・速報値
10/28(木)21:30米国7-9月期四半期コアPCE・速報値
10/28(木)21:30米国新規失業保険申請件数
10/28(木)23:00米国9月住宅販売保留指数
10/29(金)08:30日本9月失業率
10/29(金)08:30日本9月有効求人倍率
10/29(金)08:30日本10月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)
10/29(金)08:50日本9月鉱工業生産・速報値
10/29(金)14:00日本9月新設住宅着工戸数
10/29(金)19:00日本外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
10/29(金)21:30米国7-9月期四半期雇用コスト指数
10/29(金)21:30米国9月個人所得
10/29(金)21:30米国9月個人消費支出(PCE)
10/29(金)21:30米国9月個人消費支出(PCEデフレーター)
10/29(金)22:45米国10月シカゴ購買部協会景気指数
10/29(金)23:00米国10月ミシガン大学消費者態度指数・確報値


(執筆:小野 直人)
一言コメント:先日、夜空を見上げたらきれいな満月が天空を照らし、幻想的な雰囲気でした。思い返せば、中秋の名月は台風の影響からよく見ることができず、久方ぶりに気持ちの良い満月をみたような気がしました。でも、満月から新月にかけてはドルが売られやすいとのアノマリーが頭をよぎり、高値更新を続けるドル円動向を気に変えるあたり職業病ですね。

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