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FX「上向きイメージ持ちづらい、独連立も向かい風に」週刊為替レポート ハロンズ ユーロ 2021年10月23日

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上向きイメージ持ちづらい、独連立も向かい風に

強弱はまちまち

商品価格上昇や株高による投資家センチメント改善から対ドル・対円では買いが先行し、ユーロ/円は133.48円付近、ユーロ/ドルは1.1670ドル付近まで上値を伸ばしました。ただ、その後利食い売りに押されて上昇幅を縮小。かたや英国やNZなど金利正常化に向け先行する国の通貨であるポンドやNZドルに対しては売り優勢に。ユーロ/ポンドは0.8420ポンド近辺、ユーロ/NZドルは1.6160NZドル近辺までユーロ安が進む局面がみられました。ビルロワドガロー仏中銀総裁は「インフレ急進は一時的で、来年利上げする論拠はない」とECBのスタンス変更にあくまでも慎重姿勢を示したことも強弱を分けたもようです。

インフレだけでは力不足

来週はECB理事会が開催されます。ECBを巡っては、来年3月までPEPP(パンデミック緊急購入プログラム)を維持することがすでに決まっていますので、緊急策終了に向けた新規材料は出づらいとみています。また、足もとのエネルギー価格急騰から、今後回復ペースが想定から乖離する危険性が懸念されるとあって、現時点でECBが何かを決定するとも考えにくいです。また、今年限りでの退任する意向を明らかにしたバイトマン独連銀総裁のニュースを受け、ECB内でラガルド総裁をはじめとする穏健派が幅を利かし、ハト派よりに傾くのではとの思惑も一部にくすぶり始めています。金利正常化へ邁進する米・NZ・加とは温度差があるのは明確です。ユーロに対するイメージから『上値の重たさ』を完全に排除するのは難しいでしょう。

ドイツは連立協議が急進

また、これから誕生するドイツの連立政権への不安がユーロを圧迫する危険もあります。大方の不安をよそに連立協議が大幅に進展し、社会民主党(SPD)、緑の党、自由民主党(FDP)3党で大枠合意に至りました。気候変動対策の強化、太陽光や風力発電の設置目標、デジタル化推進、最低賃金アップなど合意事項は多岐にわたりますが、総じて財政規律重視の度合いは高まりそうです。欧州復興基金・PEPPの恒久化議論にとってはネガティブに働きそうで、今後、ドイツでの新政権誕生が欧州経済への逆風となる恐れはあります。エネルギー価格急騰によるインフレ観測だけを手掛かりにユーロを買い進めるのは危険と言えそうです。短期的に米ドル・円の動向でユーロが持ち上げられる場面があるとしても、短命に終わるのではないでしょうか。戻り売りを基本線に据えたい。

ユーロドルは上方向に抵抗帯が並ぶ

日足一目均衡表・基準線(1.1672ドル前後)に頭を押さえられ上ヒゲを伸ばしたローソク足が出現し、1.1680-1.1700ドル付近の壁の厚みを再確認する格好になっています。上値を切り下げる同基準線(執筆時点は1.1656ドル前後)付近は戻り売り検討のレベルと考えます。ストップロスの買い戻しは浅めに1.1700ドルとしたい。ただ、上方向には、5月戻り高値(1.2266ドル)からの下降レジスタンス線(1.1734ドル付近を通過)や、一目・雲下限(1.1786ドル前後)も控えているため、1.17ドル前半は再度、売りトライと考えています。

ユーロ/円も買いは慎重にしたい。トレンド分析からは買いで追随するほうが無難と考えますが、投資家の心理状態を計るサイコロジカルは10日続伸して100つけるなど短期的なやり過ぎ感はうかがえます。日足一目・転換線(132.10円前後)付近でサポートされるかどうか様子を見てもよいのではないでしょうか。この水準を下回った場合、先の上昇幅の61.8%押し水準となる131.50円付近のサポート確認へ向かいそうです。

 

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チャート:ユーロ/ドル-日足、出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:
EUR/JPY:131.50-134.50、EUR/USD:1.1450-1.1750

10/25 週のイベント:

10/25(月)17:00ドイツ10月IFO企業景況感指数
10/27(水)15:00ドイツ11月GFK消費者信頼感調査
10/27(水)15:45フランス10月消費者信頼感指数
10/27(水)15:45フランス9月卸売物価指数(PPI)
10/27(水)17:00ユーロ圏9月マネーサプライM3
10/28(木)16:55ドイツ10月失業率
10/28(木)18:00ユーロ圏10月消費者信頼感
10/28(木)18:00ユーロ圏10月経済信頼感
10/28(木)20:45ユーロ圏欧州中央銀行(ECB)政策金利
10/28(木)21:00ドイツ10月消費者物価指数(CPI、速報値)
10/28(木)21:30ユーロ圏ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見
10/29(金)14:30フランス7-9月期国内総生産(GDP、速報値)
10/29(金)15:45フランス10月消費者物価指数(CPI、速報値)
10/29(金)17:00ドイツ7-9月期国内総生産(GDP、速報値)
10/29(金)18:00ユーロ圏10月消費者物価指数(HICP、速報値)
10/29(金)18:00ユーロ圏10月消費者物価指数(HICPコア指数、速報値)
10/29(金)18:00ユーロ圏7-9月期四半期域内総生産(GDP、速報値)


(執筆:小野 直人)

一言コメント:

ハロウィンの季節。今年はワクチン接種拡大や緊急事態宣言解除で2年ぶりに街は盛り上がりそうですね。万全の対策をしてお楽しみください。ところでこのハロウィン、米国や東京では大流行ですが欧州ではそれほどでもない様子。ドイツの仮装は派手ではないとか。プロテスタントの国だからなのでしょうか。

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