ドル/円:ドルの下落リスクに引き続き注意。109.50割れで一段のドル下落へ。111.50超えで終えれば“ドル強気”に変化。
直近の日足は実体の小さい陽線で切り返して上値トライの可能性に繋げている。先週の下値トライでも109.50-60の抵抗を下抜けられずに小反発に転じているが、上昇エネルギーの強いものではないことや、今年1月に付けた102.59を基点として下値を切り上げて来た流れから下抜けた位置で推移しており、下値リスクにより警戒する必要がある。このトレンドラインの日足の上値抵抗は、週初は111.00-10に、週末には111.50-60まで上げて来るのでこれを上抜けて来ないと下値リスクも軽減されない。また、値動きの中で109.50割れを見た場合は短期トレンドの変化が確定的となり、108円方向への一段のドル下落に注意が必要となる。日足の上値抵抗は、110.50-60、111.00-10,111.50-60に、下値抵抗は109.50-60、108.80-90、108.00-10にある。21日移動平均線は110.55にあり、短期的な上値抵抗として働く可能性が高いが、120日、200日線は108.73と106.91に位置しており、中期トレンドは“ドル強気”の流れに変化が認められない。 一方直近の週足は実体が小さい陰線引けとなり小幅続落となった。単体では下げエネルギーの強いものではないが、今年1月に付けた102.59を基点として下値を切り上げて来た流れからは下抜けた位置で推移しており、またこのトレンドラインの上値抵抗にもぶつかって押し戻されている。この週足レジスタンスは今週は110.80-90にあり、111.00超えで越週しない限り、下値リスクがより高い状態にあることを示している。現状は109円台の下値抵抗も守っており、急落地合いにも繋がっていないが、109.50割れを見た場合は新たな下げエネルギーを得て、108円方向への一段のドル下落に繋がり易くなる。但し、この場合でも中期トレンドが強い状態にあることから、調整下げに留まるなら107~108円台を割り込まない可能性が高くなる。また、111円超えで越週した場合は週足の形状が改善して来週以降も上値トライの動きが強まり易くなる。今週の週足ベースで見た上値抵抗は110.80-90、111.10-20、112.30-40に、下値抵抗は109.50-60、108.50-60、108.00±10銭にある。31週、62週移動平均線は107.70と106.80に位置しており、中期トレンドをサポート中。 今週の戦略は、ドル買いは109.70-80で押し目買い。損切りは新たな下落リスクが点灯する109.40で撤退。ドル売りは110.40-50で戻り売り。上値余地を110.60近辺まで見ておく必要がある。損切りは111.10で撤退としたい。 上値は、110.30-40に軽い抵抗が、110.40~110.60、110.90-00、111.10-20、111.50-60に強い抵抗があるが、111.60超えで終えた場合は“ドル強気”の流れに戻して一段のドル上昇に繋がり易くなる。下値は、109.90-00に軽い抵抗が、109.50~109.70に強い抵抗があるが、109.50割れを見た場合は短期トレンドの変化が確定的となり、109.10-20、108.80-90、108.50-60、108.00±10銭、107.60-70の抵抗をどこまで切り崩せるかトライする動きへ。
ドル/円【日足】期間:2020/11/12~2021/07/16(移動平均線は21、120、200日、以下日足は同様)
ドル/円【週足】期間:2018/06/01~2021/07/16(移動平均線は31、62週、以下週足は同様)
ユーロ/円:上値の重い展開続く。129円割れを見た場合は一段の下落リスクが点灯。132円台回復で“ニュートラル”、132.80超えの越週で“ユーロ強気”に変化。
直近の日足は小陽線で切り返して上値トライの可能性に繋げている。129.60-70の下値抵抗には跳ね返されているが、上昇余力の強いものではなく、上値を切り下げる流れにも変化が認められず、週初の上値追いには限りがありそうだ。また、129.50以下で終えた場合や値動きの中で129円割れを見た場合は、下値余地がさらに拡がり易くなるので注意したい。日足が131円台を回復して終えれば、上値余地が若干拡がり易くなるが、この場合でも132円を回復しない限り、短期トレンドは変化しない。また132円台乗せを見た場合でも132.50-60に週足ベースで見た強い上値抵抗が控えており、これをしっかり上抜けて越週しない限り、上値余地も拡がり難い。日足の上値抵抗は130.30-40、130.70-80、131.80-90に、下値抵抗は129.60-70、129.00-10、128.30-40、127.50-60にある。21日、120日移動平均線は131.19と130.55に位置しており、短期トレンドが弱い状態にあることを示しているが、200日線は128.35にあり、中期トレンドは“ユーロ強気”の流れを変えていない。 一方週足を見ると、3週連続陰線引けとなり、上値を切り下げる流れに変化が認められない。また、2手前のタクリ足の陰線が昨年5月に付けた114.43を基点として下値を切り上げて来た中期的なサポートラインを下抜けており、中期トレンドが変化する可能性が生じている。現状は調整的な下げの範囲内に留まっているが、129.00割れを見た場合や、ユーロが対ドルで、1.1800割れで越週するか、値動きの中で1.1700割れを見た場合は、ユーロの下落余地がさらに拡がり易くなることから、ユーロ/円も一段下げに注意が必要となる。逆にユーロが対ドルで1.20台を回復した場合や、対円で132.50-60の抵抗をしっかり上抜けて越週した場合は、下値リスクが後退して、ユーロ/円の上値余地が拡がり易くなる。しかし、現状は下値リスクがより高く、一段の下落リスクに要注意。今週の週足ベースで見た上値抵抗は130.80-90、131.80-90、132.50-60に、下値抵抗は129.60-70、128.00±10銭、126.60-70にある。31週移動平均線は129.67に位置しており、先週の下値トライでもこれを下抜けていない。また、62週線は126.35に位置しており、中期トレンドをサポートしている。 今週の戦略は、ユーロ買いは今週いっぱい様子見か、128.80に浅い損切りを置くなら129.10-20まで引きつけて軽く試し買い程度に。売りは130.60-70で戻り売り。損切りは131.20で一旦撤退。これが付いた場合は131.70-80で再度売り向かい。この場合の損切りは短期トレンドを“ニュートラル”な状態に戻す132.10で撤退としたい。 上値は、130.30-40に軽い抵抗が130.70-80、131.00-10、131.70-80に強い抵抗があり、全てをクリアしきれない可能性が高いと見るが132.00超えに値を戻した場合は短期トレンドを“ニュートラル”な状態に戻して、上値余地を探る動きが強まり易くなる。この場合でも132.50-60に週足ベースで見た強い抵抗があり、“ダマシ”を排除しても132.80超えで越週しない限り、下値リスクを残すことになる。下値は、129.80-90に軽い抵抗が129.60-70,129.10-20に強い抵抗があるが、129円割れを見た場合は新たな下落リスクが生じて一段のユーロ下落に繋がり易くなる。この下の抵抗は128.50-60,128.00±10銭、127.30-40,127.00-10,126.60-70。(川合 美智子)
ユーロ/円【日足】期間:2020/12/29~2021/07/16(移動平均線は21、120、200日) ユーロ/円【週足】
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