ドル/円：上値余地を探る動き。ドル急伸にも繋がり難く、107円台はまだ壁。
直近の日足は、小陰線で終え、前の2手の小陽線の値幅を切り崩した格好となっているが、下値を切り上げる流れを守っており、週初の下値攻めには限りがありそうだ。一方で下値を攻めきれずに反発に転じた場合でも、106円台には強い上値抵抗が散在しており、ドル急伸にも繋がり難いと見られる。また、日足が105円割れで終えた場合は日足の形状が悪化して下値リスクがやや高くなり、104円台の足元を固め直す動きが強まろう。さらに可能性がまだ低いと見るが104.00割れを見た場合は“ドル弱気”に変化して一段のドル下落に繋がり易くなる。逆にこれも可能性がやや低い状態だが、107円台で終えることが出来れば上値余地がもう一段拡がり易くなる。この場合でも108.00～108.40ゾーンに日足、週足の抵抗が控えていること、中・長期トレンドが弱いことから、このレベルはあれば再び売り場となろう。日足の上値抵抗は106.20-30、106.50-60、106.80-90に、下値抵抗は105.30-40、104.90-00、104.10-20にある。21日移動平均線は105.42にあり、若干上抜けているが“ダマシ”の範囲内。また、120日、200日線は106.59と107.46に位置しており、上値を抑え込んだ状態にある。 一方直近の週足を見ると、値幅の小さい陽線引けとなったが、105.50-70にあった週足の抵抗を実体ベースで上抜けきれずに押し戻されて越週しており、強い上昇エネルギーも感じられない。現状は105.00-10の週足の下値抵抗も下抜けておらず、ドル急落にも繋がり難いが、104.40-50の抵抗を守りきれずに越週した場合は下値リスクが点灯、104円割れを見た場合は新たなドル下げトレンド入りの可能性が高くなる。逆に107.00-10の抵抗を実体ベースで上抜けて越週した場合は、上値余地が50銭～1円程度拡がり易くなる。この場合でも中・長期トレンドが弱いことに変わりなく、108円台はまだ大きな壁となろう。今週の週足の上値抵抗は106.20-30、106.90-00に、下値抵抗は105.00-10、104.40-50、104.00-10、102.20-30にある。31週、62週移動平均線は106.98と107.64に位置しており、中期トレンドは“ドル弱気”の流れに変わりない。 今週の戦略は、ドル買いは105.30-40で軽く押し目買い。損切りは104.80で浅めに撤退。これが付いた場合は、104.10-20で再度押し目買い。損切りは新たな下落リスクが生ずる103.80で浅めに撤退としたい。ドル売りは106.20-30で戻り売り。上値余地を106.70-80まで見ておく必要がある。損切りは107.10で一旦撤退。 上値は、105.80-90に軽い抵抗が、106.00-10にやや強い抵抗があるが、これをクリアした場合は、一段と強い抵抗のある106.20-30、106.50-60、106.70-80の抵抗をどこまでクリア出来るかトライする動きへ。106.80-90、107.10-20には一段と強い抵抗が控えており、全てをクリアするには力不足と見るが、107円台で越週出来れば上値余地がもう一段拡がり易くなる。この場合でも108円台は大きな壁となろう。下値は、105.30-40、104.90-00にやや強い抵抗が出来ているが、105円割れで終えるか104.80割れを見た場合は104.50-60、104.20-30、104.00-10にある下値抵抗をどこまで切り崩せるかトライする動きへ。さらに104.00割れを見た場合は、短期トレンドが“ドル弱気”に変化してドルの下落余地が一段と拡がり易くなる。
ドル/円【日足】期間：2020/02/06～2020/10/09（移動平均線は21、120、200日、以下日足は同様）
ドル/円【週足】期間：2017/08/25～2020/10/09（移動平均線は31、62週、以下週足は同様）
ユーロ/円：短期トレンドは“ユーロやや強気”。126円台半ばから厚くなる上値抵抗にも注意。
直近の日足は、小陽線で終え、単体では上昇エネルギーの強いものではないが、この足が9/1に付けた127.08を基点として上値を切り下げて来た流れから頭一つ上抜けた位置で終えており、上値余地がさらに拡がる可能性が点灯している。125.00-10の抵抗を上抜けきれておらず、“ダマシ”となる可能性を残しているが、日足の形状が安定しており、下値余地も限られる展開が予想されることから、目先はユーロの押し目買い方針が有効と見る。但し、127～128円台に中期的な上値抵抗が控えていることや、日足、週足の抵抗が126.30～126.60ゾーンにあり、これにぶつかる可能性にも注意したい。日足が124円割れで終えた場合は形状が悪化して下値リスクが点灯、123円割れで終えるか値動きの中で122.50割れを見た場合は短期トレンドが変化して、再び下値リスクが高くなる。日足の上値抵抗は。125.50-60、126.30～126.60、127.00-10に、下値抵抗は、124.00-10、123.20-30、123.00-10、122.50-60にある。21日移動平均線は123.99にあり、下値抵抗として働く可能性が高い。また、120日、200日線も122.04と121.02に位置しており、下値を支えている。 一方直近の週足は前週足から上寄りのスタートとなり、続伸となった。また、直近の陽線が、9月に付けた127.08を基点として上値を切り下げて来た短期的なレジスタンスラインを上抜けた位置で終えており、調整下げが一巡した可能性が高くなっている。調整下げが浅い感は否めず戻り余地を試した後の反落に対しても注意する必要がありそうだが、目先は短期トレンドが変化して日が浅いので押し目買い方針に転換としたい。但し、123円割れで越週した場合はこの陽線が“ダマシ”となった可能性が生じて再び下値リスクが高くなる。今週の週足ベースで見た上値抵抗は126.50-60、127.00-10、128.10-20に、下値抵抗は124.00-10、123.40-50、123.00-10ある。31週、62週移動平均線は121.24と120.51に位置しており、中期トレンドは“ユーロ強気”の流れにある。 今週の戦略は、ユーロ買いは124.10-20で押し目買い。急落した場合の下値余地を123.40-50まで見ておく必要がある。損切りは下値リスクが点灯する122.90に置く必要がある。売りは様子見か126.50-60超えがあれば軽く売り向かい。損切りは127.10で一旦撤退。 上値は125.00-10、125.50-60、126.00-10、126.20-30、126.50-60、126.80-90、127.00-10に強い抵抗があるが、小反落を繰り返しながらもどこまでクリア出来るかトライする動きが強まろう。下値は、124.70-80に軽い抵抗が、124.40-50、124.10-20、123.80-90、123.3-40に強い抵抗が控えているが、124円割れで終えた場合は日足の形状が悪化、123.00割れで終えるか122.50割れを見た場合は、短期トレンドが“ユーロ弱気”に変化して120～121円方向への一段の下落に繋がり易くなる。この場合でも中期トレンドがまだ強く、調整的な下げに留まるなら120円台を大きく割り込まない可能性が高くなる。 （川合 美智子）
ユーロ/円【日足】期間：2020/03/24～2020/10/09（移動平均線は21、120、200日） ユーロ/円【週足】
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