ドル/円：ドルの戻り売り方針継続。104円台の下値抵抗にも注意。
直近の日足は実体のしっかりとした陽線引けとなり、上値余地を探る動きに繋げているが上値を切り下げる流れからは上抜けておらず、短期トレンドの変化は認められない。一方で104.60～105.00ゾーンの中期的な下値抵抗を終値ベースで守っており、今週もこのレベルが強い下値抵抗として働く可能性が高い。但し、トレンドが弱い状態にあることから、反発余地が限られる可能性が高く、基本戦略は“ドルの戻り売り方針”に変わりない。また104円割れを見た場合は一段のドル下落リスクに要注意。106.50-60の抵抗をクリアすれば若干上値余地が拡がり易くなるが、この場合でも107.00超えで越週するか、107.30超えで終えない限り、上値余地も拡がり難い。短期トレンドは108.50-60の抵抗を上抜けて終えない限り、“ドル強気”に変化しない。日足の上値抵抗は106.10-20、106.40-50、107.20-30に、下値抵抗は105.00±10銭、104.60-70、104.00-10、102.50-60にある。21日、120日、200日移動平均線は106.65、107.65、108.25に位置しており、これらの下に入り込んでおり、短期トレンドは“ドル弱気”の流れを変えていない。 一方直近の週足は、下ヒゲが非常に長く実体の小さい陰線引けとなり、下値トライに大きく失敗した形となっている。また、104.00-10にある週足の下値抵抗を攻めきれずに反発に転じており、短期的な底打ちを見た可能性にも注意する必要がある。現状は上値を切り下げる流れには変化が認めらないので、下値リスクがより高い状態に変わりない。107.00超えで越週すれば、若干上値余地が拡がり易くなるが、この場合でも108.60超えで越週しない限り下値リスクを残すことになる。週足の上値抵抗は106.20-30、107.00-10、108.00-10に、下値抵抗は104.90-00、104.00-10、102.40-50にある。31週、62週移動平均線は108.03と108.00にあるが、収束しているこれらを下抜けており、中期トレンドは“ドル弱気”の流れに入っている。 月足を見ると、7月足は陰線引けとなり上値を切り下げる流れに変わりない。この陰線の下ヒゲがやや長く、下値トライにも失敗しているが、6月足の下値抵抗であった106.50～107.00を下抜けて越月しており、新たな下落リスクが点灯している。現状は104.50～105.00ゾーンにある月足の横サポートを守って越月しているが、月足ベースでは強い抵抗ではないので、今月中に下抜ける可能性も高いと見られる。8月足の下値抵抗は102.00～102.50にある。可能性はまだ低いと見るが、102円を割り込んで越月した場合は99.50～100.00、97.50～98.00にある、月足サポートをどこまで切り崩せるかトライする動きへ。8月足の上値抵抗は106.50～107.00、108.50～109.00にある。31ヵ月、62ヵ月移動平均線は109.17と111.11に位置しており、長期トレンドは“ドル弱気”の流れに変わりない。 今週の戦略は、ドル売りは106.00-10で戻り売り。損切りは浅い場合で106.70、深い場合は107.10で一旦撤退。ドル買いは様子見か、104.60-70以下で軽く押し目買い。損切りは新たな下落リスクが点灯する103.90で撤退。 上値は、105.90-00、106.10-20、106.40-50、106.80-90、107.00-10、107.20-30に強い抵抗があり、全てをクリアしきれない可能性が高いと見るが、107.30超えで終えた場合は“短期トレンド”をニュートラルな状態に戻して、上値余地が若干拡がり易くなる。この場合でも107.50-60、107.80-90、108.00-10、108.40-50に強い抵抗が控えており、全てをクリアするには力不足と見ている。短期トレンドは108.50-60の抵抗を上抜けて終えない限り、“ドル強気”に変化しない。下値は、105.10-20に軽い抵抗が105.00±10銭、104.60-70、104.20-30に強い抵抗があるが、104円割れを見た場合は新たな下げエネルギーを得て102円方向への一段のドル下落に繋がり易くなる。101円割れで終えない限り、押しは一旦買い場となろう。
ドル/円【日足】期間：2019/11/28～2020/07/31（移動平均線は21、120、200日、以下日足は同様）
ドル/円【週足】期間：2017/06/16～2020/07/31（移動平均線は31、62週、以下週足は同様）
ユーロ/円：短期トレンドは“ユーロ強気”を維持。長期的な上値抵抗は128円台に。123円割れで終えた場合は“ニュートラル”に変化。122円割れの越週で下値リスクが点灯。
直近の日足は陽線で引け上値トライの可能性に繋げているが、上ヒゲがやや長く、上値トライにも失敗しており、週初の買いは慎重に臨む必要がある。一方で、124円台に実体を置く陽線となったことから、一段の上昇の可能性が生じており、押し目買い方針継続とするが、123.50以下で終えた場合は日足の形状が悪化して、前日の陽線が“ダマシ”となった可能性が高くなる。さらに123円割れで終えた場合は下値リスクが点灯、122円割れで終えた場合は短期トレンドを“ニュートラル”な状態に戻して、調整下げ局面に入る可能性が高くなる。この場合でも120円台までの下げは調整下げの範囲内となる。逆に125.50超えで終えた場合は、長期的な上値抵抗ポイントである127～128円台をトライする動きへ。日足の上値抵抗は125.10-20、125.50-60、126.50-60に、下値抵抗は124.00-10、123.70-80、123.00-10、122.00-10にある。21日、120日、200日移動平均線は122.58、119.46、120.01にあり、短期トレンドは“ユーロ強気”の流れを変えていない。 週足も3手連続陽線引けとなり、下値を切り上げる流れを維持している。また、8手前の6月第2週の大陰線の値幅（高値124.05）も上抜けて越週しており、上昇余地が一段と拡がる可能性が生じている。個々の足が強い上昇エネルギーを持ったものではないので、“ダマシ”となる可能性もあるが、週足の形状が安定しており、急落地合いにもなり難い状態にある。但し、123円割れで越週した場合は先週足が“ダマシ”となった可能性が生ずる。さらに122円割れで越週した場合は短期トレンドが変化して調整下げ局面入りとなる。この場合でも120.30-40に週足ベースで見た強い抵抗があり、ここまでの下げは調整的な押しの範囲内となる。今週の週足の上値抵抗は125.30-40、126.50-60、127.70-80に、下値抵抗は124.00-10、123.60-70、122.00-10にある。31週、62週移動平均線は119.80と119.96に位置しており、中期トレンドは“ユーロ強気”の流れにある。 月足を見ると、7月足は陽線引けとなり、3ヵ月連続して陽線引けとなった。この間に6月足が、2018年2月に付けた137.50を基点として上値を切り下げてきた流れから上抜けて越月して、中期トレンドに変化を生じさせており、7月も一段高に繋がっている。一方で、2014年12月に付けた149.55を基点とする長期的なレジスタンスラインは上抜けておらず、この月足の上値抵抗が127.50～128.00に位置することから、続伸に繋げた場合でもこれにぶつかる可能性に注意する必要がありそうだ。8月足の上値抵抗は125.00～125.50、127.50～128.00に、下値抵抗は121.50～122.00、120.00～120.50にある。31ヵ月、62ヵ月移動平均線は124.58と125.36に位置しており、これらをしっかり上抜けきれておらず、長期トレンドは下値リスクを残した状態にある。 今週の戦略は、買いは124.20-30で押し目買い。下値余地を123.70-80まで見ておく必要がある。損切りは浅い場合で123.30、深い場合は短期トレンドを“ニュートラル”な状態に戻す122.90に置く必要がある。売りは今週いっぱい様子見か127.70-80の吹き値があれば売り向かい。損切りは128.30で一旦撤退。 上値は、125.00-10に軽い抵抗が、125.30-40、125.70-80、126.10-20、126.50-60、127.00-10に強い抵抗があるがどこまでクリア出来るかトライする動きが継続しよう。下値は、124.50-60に軽い抵抗が、124.20-30、124.00-10、123.80-90、123.50-60に強い抵抗があり、下値余地が限られる展開が継続すると見るが、123.00-10の抵抗を守りきれずに終えた場合は、日足の形状が悪化して下値リスクがやや高くなる。さらに122.50-60、122.00-10の抵抗を全て下抜けて終えた場合は、短期トレンドが変化して120円方向への一段の下落リスクに注意が必要となる。この場合でも120円割れで越週しない限り、調整下げの範囲内となる。（川合 美智子）
ユーロ/円【日足】期間：2020/01/13～2020/07/31（移動平均線は21、120、200日） ユーロ/円【週足】
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