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消費者物価は目標以下、感染拡大、6.50を上抜けず下落

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総括

消費者物価は目標以下、感染拡大、6.50を上抜けず下落

「通貨最下位、株価6位」

「予想レンジ 南アランド円 5.7-6.7」

(ポイント)
*6月インフレも目標以下
*6円半ばを上抜けず
*中銀は流動性供給拡充
*IMFが緊急融資実行
*ウィルス感染は深刻化
*IMF成長・財政見通しを公表
*利下げされたが反対意見もあった
*中銀の20年成長見通しはマイナス7.3%
*中銀の20年インフレ見通しは3.4%
*コロナ感染拡大で学校を再閉鎖
*財政赤字拡大の中で南ア航空救済に批判
*中国を除くBRICSでコロナウィルス感染者が多い
*国家的災害事態を8月15日まで延長
*海外からの南ア投資は増加
*5月の鉱業生産は改善
*対中関係は良好
*1Q若年層の失業率は 59.0%
*株価は世界の中では上位に位置している
*17年ぶりに経常黒字
*年初来では最弱通貨
*感染者数増加続くも、経済活動は再開
*不良債権拡大の恐れがある

(市況)
 6月、7月ともに6円半ばを上抜けきれず。6月、7月ともに月足は長い上ヒゲを残した。金など資源価格の上昇で貿易収支が改善しているが経済全体では弱く、コロナ感染拡大の不安も払しょくできない。南ア中銀は新型コロナウイルス危機に対応して実施している流動性供給を拡充すると発表した。8月3日から、商業銀行向けに短期のリバースレポを導入する。実施するタイミングは不定期で、規模も状況に応じて決定するという。新型コロナ危機による市場の流動性ひっ迫を受け、同中銀は量的緩和に踏み切っている。

(IMFから融資受ける)
IMF理事会は、新型コロナウイルス対策として、南アフリカに対する43億ドルの緊急融資を承認した。

(6月消費者物価もインフレターゲット下限以下)
 6月の消費者物価は前年比2.2%上昇と、約15年ぶりの低い伸びとなった5月の2.1%から上昇した。ただまだインフレ目標の下限3%以下だ。
  前月比では0.5%上昇、5月は0.6%低下だった。コアCPI(食品、非アルコール飲料、燃料、エネルギーを除く)は前年比3.0%上昇、5月は3.1%上昇だった。前月比では0.3%上昇、5月は0.2%低下だった。

(ウィルス感染は深刻)
南アはアフリカ大陸で新型ウイルス感染拡大が最も深刻になっており、これまでの累計感染者数は50万人を超えた。8月1日で死者数は8153人。学校は再び7月27日から8月24日まで閉鎖される。

(220億ドル規模のインフラ事業計画 雇用を創出)
 南ア政府は7月27日、雇用を創出するため、3600億ランド(220億ドル)を投じて国内のあらゆる分野でインフラ整備事業を行う計画を発表した。
政府当局によると、民間部門から資金を調達する計画で、既に国際開発金融機関などから3400億ランドの融資を取り付けた。南ア経済は新型コロナウイルスの感染拡大前に既にリセッション入りしていたが、新型コロナがそれに追い打ちをかけ、今年の成長率はマイナス7.3%に落ち込むと予想されている。また1Qの失業率は30.1%と、過去最悪となった。 政府は、給水や公衆衛生、農業、道路などあらゆる分野で55のインフラ事業を行い、29万人の雇用を創出する計画という。

(IMFの成長見通し財政赤字見通し)
IMFは、新型コロナウイルスの影響により、今年の南ア経済は7.2%縮小する可能性が高く、債務返済の増加が回復を妨げるとの見方を示した。報告書で、景気後退により債務削減や財政赤字縮小に向けた南ア政府の能力が制限されると指摘。「多額の救済措置にもかかわらず、パンデミックは2020年の南ア経済を深刻なリセッションに追い込み、財政赤字と債務に悪影響を及ぼすだろう」とした。
また、南アの連結財政赤字の対国内総生産(GDP)比は16%に達し、公的債務の対GDP比は20年に78.1%、21年に82.4%になると予想した。
見通しには「顕著な下振れリスクを伴う」とし、リスク要因として、国債発行の増加や社会的不安定性、国営電力会社エスコムなど国有企業への救済措置などを挙げた。
 IMFは「10月の中期予算案で具体的かつ明確な財政健全化にコミットすることは、改革に向けた取り組みへの信頼性を築き、その後の着実な実施につなげるための重要な一歩となる」とした。南アの財務相と中銀総裁はIMFへの書簡で、債務削減に向け「現在実施されている歳出上限に加え、債務上限を導入することを検討している」とした。

テクニカル分析(ランド/円)

ボリバン上限上抜きから一気に下限を下抜く

 日足。7月22日のボリバン上限上抜きから一気に下限を下抜く。雲中。7月30日-31日の下降ラインが上値抵抗。6月25日-7月31日の上昇ラインがサポート。5日線下向き。
 週足。7月6日週-20日週の上昇ラインを下抜く。7月20日週-27日週の下降ラインが上値抵抗。6月22週-7月27日週の上昇ラインがサポート。ボリバン中位は越えている。
月足。3か月連続陽線とならず。6月、7月ともに上ヒゲが長い。6.50が上値抵抗。6月-7月、4月-5月の上昇ラインがサポート。
 年足、16年-19年の上昇ラインを下抜く。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。

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喜望峰

南アの日経企業

 ジェトロと在南アフリカ日本商工会議所(CCIJ)が、新型コロナウイルスの影響に関する緊急調査の結果、「売り上げに甚大な影響がある」と回答した企業は32%、「売り上げに影響がある」と回答した企業は48%で、あわせて8割の企業に売り上げへの悪影響があることが明らかになった。
 また、今後の懸念として、駐在員の一時退避の長期化による現地スタッフの統制不足や、3月末から実施されているナショナル・ロックダウンに伴う国境の閉鎖により、「サブサハラ・アフリカ域内国への出張ができない」「同域内の事務所統括業務に支障が出ている」などの声が挙がった。サブサハラ・アフリカのビジネスにおけるゲートウエーである南アには、域内最大の集積となる120以上の日系企業が拠点を置き、広域にビジネスを行っているだけに、南アでの国境閉鎖(物流などを除く)の影響は域内全体に及びつつあることが明らかになった。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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