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「ボラティリティトレードのススメ」田畑 昇人氏 FX特別インタビュー(後編)

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FX初心者から上級者までを対象とした「田畑昇人公式FXブログ」を日々更新するほか、ご自身のFXトレード手法をまとめた書籍はベストセラーとなるなど、個人投資家としても活躍する田畑昇人さんへインタビューを行いました。再現性の重要性について語っていただいた前半に続き、後編では、ボラティリティトレードについてお話を伺っています。

▼目次

1.成長のきっかけ
2.断捨離の威力
3.私はボラティリティ派
4.テクニカル分析は「包丁」
5.豪ドルの解説
6.おすすめのテクニカル分析
7.チャートから距離を置く価値
8.大きな損からの回復は早かった
9.偽トレーダーは気にしない

人に説明できるトレードにこだわる

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編集部:
田畑さんの1冊目の書籍では、スマートフォンでできる、どちらかというと手軽なFXトレード手法について言及されていました。 現在は一転し、ファンダメンタルズやボラティリティ重視の、ちょっと面倒そうなスタイルへ切り替えた経緯を伺いたいです。
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田畑:
何というか・・・。 トレードをしていて、いい時期もあれば悪い時期もあるわけです。 なので、前編の話と被りますが、どういうときに自分はトレードで勝っているか人に説明できなくては、と思っています。

・・・単純に、自分の人生を捧げていることを人に説明できないって、不安じゃないですか。 会社勤めの方なら、安定してお給料がもらえる、収入のバック(うしろだて)があるので生きていける確証がありますけど、僕の場合、運否天賦(うんぷてんぷ)のようなことで人生を成り立たせようと思ったときに、再現性がないことは絶対にダメだと思っていました
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編集部:
はい。そのような境地は、想像するしかないですけど。
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田畑:
そこで、投資のプロはどんなことをしているのか、どういう人が勝っているのか、プロはどういう指標を見ているのかなどを一通り順番にたどっていったんです。その結果として、今の自分がある気がします。
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編集部:
再現性にこだわったら、今のスタイルになっていったということですね。少し話題を変えます。最新刊「武器としてのFX」で印象的だった「相場はランダムウォークで、その期間にトレードばかりやってもしょうがない」という箇所についてです。 ボラティリティが発生する、全体で15%の時間帯でトレードすることを優先しましょうと提案されています。
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田畑:
はい。 トレード時間をただ時間帯で絞る、では分かりづらいと思ったので、僕の場合はボラティリティインデックス(VIX)で数値を見て判断していると書きました。  これは多分、株式投資に例えるとすごく簡単な話だと思うんですけどね。

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編集部:
株の例えでお願いできますか?
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田畑:
例えば企業決算があっても出来高がない株って、値動きが無いわけじゃないですか。 だから今トレードしている人がどれくらいいるか、売買の量はどうか、出来高があるか、などがボラティリティ的に重要なので、そこを見ないとトレンドをつかむのは難しいと思っています。 出来高の代用としてVIXを使っているという感じですね。
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編集部:
そのVIXですが、以前から見ていらっしゃったんですか?
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田畑:
VIXの数字自体は前から見ていました。 ただ、結局は株のボラティリティでしかないということは引っ掛かっていました。 ボラティリティインデックスって、米株のS&Pのボラティリティを示すわけなので、FXの通貨ペアのボラではないですからね。
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編集部:
確かにそうです。VIX以外でFXをどう見ていますか?
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田畑:
僕の中で、為替が動く4パターンがあります。
1つ目はリスクオフ。これは当然ですね。株が動けば為替もつられて、金融商品が動きやすいという場面です。
2つ目は金利が動くときですよね。政策金利を利上げする、利下げするなどです。
3つ目は政治的なイベント。例えばブレグジットだったり。これはちょっと1つ目のリスクオフと被ります。
4つ目は、ポジションの偏り。これは結構、為替特有だと思っています。

例えばIMM※で見たときに、豪ドルが過去最高に売りポジションが溜まってるとか、ユーロ売りが溜まっているとか、そういうときって、結構すごい相場の巻き戻しが起きたりするじゃないですか。

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編集部:
ええ。ポジションが傾くときのオーバーシュートや、傾きが解消されるときの相場の逆回転は力強いですね。
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田畑:
この4パターンのとき、かつVIXでもIVでも何でもいいんですけど、ボラティリティが上がっていれば、ある程度値動きが出ると思っています。繰り返しますが、 本来は、株と通貨って金融商品として別だから、ボラティリティインデックスも別で考えるべきだと思っています。

※International Monetary Market、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)にある国際通貨市場の通称

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編集部:
為替が動く要因と、ボラティリティ、2つがそろうと大相場になるイメージですね。
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田畑:
そんな感じで、相場を因数分解してます。
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編集部:
書籍では、ボラティリティのありなしの基準をVIXなら「7」としていらっしゃいますけども、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた今のマーケットでは、「7」は引き続き有効なんでしょうか。というのも今VIXを見ると7を超える日が多かったので。
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田畑:
VIXにしても20を超えたら一般的にはリスクオフって言われているのと一緒で、これくらい超えたら動くかなという一つの指標として書きました。 出版する前は、しばらく「4」や「5」で、低ボラの時代でしたからね。 正直ここまでボラティリティが出るとは思ってなかったです。 「7」っていうのは特に根拠がない数字で、ただこれはもう書籍の都合上言い切らなきゃいけないと思ったんで(笑)。 最近のマーケットでは、「7」だと普通になっています。

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編集部:
はい。ありがとうございます。 ちなみに、今回の新型コロナショックで相場が乱高下することはどれくらい予想していましたか?
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田畑:
僕はアナリストではないので正直詳しいことは分からないんですよね。 ただ一つ、相場を見ていて違和感がめちゃくちゃあるなと思ったのが・・・。 ちょっと待ってくださいね。チャート画面を出しますので・・・
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編集部:
あ、はい。
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田畑:
そうだ、そうだ。 今ちょっとユーロ/ドルのチャートを見ているんですけど。 ユーロがファンディング通貨だって言われたのは、確か今年の2月ぐらいだったと記憶しています。 円より低金利なので、ユーロで調達して、ほかの高金利通貨に投資する、みたいな話です。

 

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編集部:
ええ。
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田畑:
ユーロ/ドルが上げ始めたのが2月後半だったんですよね。 だから僕は、ユーロが買われているので、リスクオフが来るのかな、と2月の終わりにはもう感じていました。 ユーロだけで見るとですよ。 株式市場には少し遅れて変化が来たので、正直戸惑った部分はありましたね。

 

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編集部:
では暴落を言い当てたというよりも、違和感を感じているうちにトレンドが始まった感じですかね。
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田畑:
そうです。 あと、僕の過去の相場のノートには、疫病とかテロとか、そういったもので相場が動いた場合、割とすぐ戻るみたいに書かれていたので、こんなにめちゃくちゃ下がると思っていなかったです。

とはいえ、ボラティリティが高くなれば、大口のストップロスも入るのでトレンドフォローするっていうのが基本でした。
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編集部:
では、トレンドが出てからはトレードルールに乗っ取って取引されていたんですね。
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田畑:
そうです。 僕は相場を事前に予想するというより、期待値が高いポジションを取って利益を出すタイプです。

だから極端な話、ボラティリティが出れば何でもいい、と言うかそのあたりは割り切っています。 あんまりニュースとかも深読みしないですね。まあ読んでもよく分からないんですよね。
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編集部:
いやいや。何をおっしゃいます。つまり、多少エントリータイミングが悪くても、決済が遅くても、相場のトレンドさえしっかりつかんでいれば、そこそこの利益が取れるんだということですよね。 これって、読者を勇気づけるお話かと思います。

リーマンショックを乗り切った猛者たち

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編集部:
2020年3月の相場は、ドル/円でもユーロ/ドルでも、下がって上がってと大忙しでしたね。 こんなすごい相場、お知り合いの皆さまはトレンドにうまく乗れたんでしょうか。
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田畑:
僕の周りの方々は、2008年のリーマンショックを乗り切っているFXトレーダーしかいらっしゃらないので。 そういう猛者からしたら、もう全然余裕だったという意見しか聞かなかったですね。
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編集部:
よ、余裕だったとは・・・すごい。
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田畑:
逆に多分、低ボラティリティの時期に慣れてしまって、いわゆる逆張りでエントリーして耐える習慣がある方は、すごく苦しかったかなと思います。 カーブフィッティングしすぎた、今までの相場に慣れすぎていた人にはびっくりの値動きですよね。
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編集部:
たしかに、今までの方法が通用しないから、驚いたでしょうかね。

断捨離の威力

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編集部:
情報取得の頻度を伺います。 サラリーマンの兼業FXトレーダーのように、常にニュースを見ていられない方は、どのように相場情報を得たらよいでしょうか。 隙間時間にTwitter、などでしょうか。
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田畑:
実は僕、Twitterはもうほとんど見ていなくてですね。
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編集部:
え、意外です。 ファンダメンタルズ分析重視ということで、常に最新情報をチェックしていると思っていました・・・。
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田畑:
言いたいのは、僕らが得られる情報は多すぎるっていうことですね。 Twitterを見なくなって一番良かったのが、ほかの人の意見が全く入ってこなくなったことです。 例えば、僕が相場見通しを立てたとき、あとから誰かの売りだ買いだという情報が入ってくると、迷うわけです。

今思えばそのような他人の情報はノイズだったなと思います。 だから僕は情報の断捨離をしたんです。
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編集部:
情報の断捨離がプラスに働いたんですね。
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田畑:
ええ。 すると、例えば今週はSQに向けてどう動くかだけだから、基本的には株が下がるのを待つだけなどと見切りれます。 あと、次のFOMCまでこうなるだろうとか、1週間くらいの期間を詰将棋のように考えてトレードするスタイルなので、そもそもその間のニュースなど無くてもあんまり右往左往しないですね。 もちろん大きなニュースは勝手に目に入ってくるんで、見ますけど。
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編集部:
今後の経済イベントや、現在のボラティリティなどをもとに相場観をパパっと組み立てることができれば、その後は頻繁に情報を更新する必要はないということでしょうか。 で、Twitterは、もはやノイズであると気付かれた。
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田畑:
Twitterは、ちょっとは見てるんですよ。 ただ、新しく鑑賞用のアカウントを作って、フォローしているのは多分40人とかなんで、もうほとんど情報は入ってこない。 Twitterを辞めるだけで、おそらく本当に1日の3時間ぐらいが浪費されずに済みます。これはすごいことです。 なので僕はTwitterをやめてみて良かったです、正直。
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編集部:
私もやめたいですね。やめたいけど、スクロールすると、どんどん下から文字が出てくるから、どんどんめくっちゃうんですよね。
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田畑:
それはすごい分かるんですけど、意外とやめても人生困らないなと思いました。 専業投資家って自分の頭で投資について考えるのが仕事ですよね。

だから情報を得たら、本当は咀嚼して考えなきゃいけないのに、情報を得ることが目的になって、考えることを怠って情報に踊らされちゃっているのが一番ダメだなと思うんです。
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編集部:
ご自身のトレード方法が固まったているので、情報に迷わされることがなくなってきたっていうことですね。うらやましい。

私はボラティリティ派

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編集部:
こちらも書籍の中にあった「ボラティリティトレード」という表現ですが、テクニカル分析、ファンダメンタルズ分析に続く、第3の視点だと思いました。
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田畑:
僕は現物株とかも一通り取引しているんですけど、出来高が多いときに入って(エントリーして)、出来高が高い時に抜けてしまう(決済してしまう)っていうのが、一番しっくりくる気がしています。 基本的にやっていることはそれだけなんです。だから何も難しくはないですね。
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編集部:
相場のどこが盛り上がっているかをちゃんと調べて、そこにちゃんと入っていって、ボラティリティがあるうちに出て行くということですかね。
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田畑:
そうです、そうです。 なので、次に動きそうな材料だけはウォッチしますけど、そこにある程度狙い定めたら、それ以外の金融商品はあまりがトレードしないです。
だから為替の取引をしない週もあります。  自分なりにそのとき旬なテーマを探していますね。

テクニカル分析は「包丁」

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編集部:
書籍の中で、テクニカルトレードは「包丁」であると書かれていました。 あくまで重要なのは「旬の通貨」を扱うことで、それを見つけない限りおいしいものはできないんだとあったのが印象的でした。
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田畑:
いや、そう。本当そう思いますよ。 僕、和食屋さんがすごい好きで行くんですけど、やっぱり和食屋って旬なものをきれいに用意して出してくれますからね。
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編集部:
素材が良ければ、それだけでおいしいですからね。  さて、FXの注文情報についてです。 外為どっとコムでは「外為注文情報」として公開していますが、これらを見ることは現在でも有効なトレード判断のポイントとお考えでしょうか。
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田畑:
はい。 オーダー情報をトレードに活かすための注意点を言うと、まず1点目として、FX会社の複数社の情報を見ることです。 2点目としては、今市場がきちんと動いているかを確認することです。 ボラティリティが高くないと、指値のストップロスをつけに行かないんですよね。 勢いがないからストップ注文が多くある価格の手前で反転しちゃったりします。 だから今の2点は確認します。
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編集部:
ここでもボラティリティが大事になってくるんですね。 ボラがあって、直近のどこにストップ注文があるかをチェックする、そういう順番で見てらっしゃる。
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田畑:
そうです。 例えば1日20pipsくらいしか動かないのに、ちょっと離れたところにストップロスがあっても、なかなか到達するのって難しいじゃないですか。 なのでボラティリティが最優先になります。 あとは、「FXオーダー」っていう、オプション情報を出してくれるスマホアプリもあるので、参考にしたりしますね。
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編集部:
「FXオーダー」は、金融ライターの高城さん(@takagifx )も便利だとおっしゃっていました。やっぱり、いいですかね。
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田畑:
あれはいいですね。 「FXオーダー」は無料なのがすごくやりやすいなと思います。 ただ、あれって金額が分からないんですよね。 ドル/円の110円台に「大きめのオプション」があるとかしか書かれてないので、それをインターバンクとかちゃんと見ていくともっと良いんですけど。 まあ無料なんでね、あんま文句言ってもしょうがないです。
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編集部:
目安には使えるということですね。 あとシカゴIMMのデータなんですけど、これも書籍の中で、買い持ちから売り持ちに、また逆へ反転するときはグッと相場が動くんだとはっきり書かれていましたが、これは今も同じようなお考えでしょうか?
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田畑:
最近の傾向として、IMMは円買いなんですけど、相場が連動しないと感じることがありました。 ただユーロの買いが9万枚あるなど、買われすぎ売られすぎを見極める指標としては、いまだ機能するという印象です。
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編集部:
では、例えばユーロが高くなった場合、そろそろ下落するかなという視点でチェックしてらっしゃる?
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田畑:
そうですね。 ユーロ/ドルは1.14まで上昇トレンドだったんですけど、1.15にはレジスタンスラインがあったのと、IMMの買いもたまっていました。

豪ドルの解説

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編集部:
豪ドル/円のトレードについて伺います。 外為どっとコムでは、ドル/円に次ぐ人気の豪ドル/円なんですが、世界景気に連動して動くことや、豪ドル/円はリスクオフのときにはドル/円などに比べて2倍動くことなど田畑さんの書籍の中でも言及されていますね。
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田畑:
そうですね。豪ドル/円は株価指数との相関係数がとても高いので、リスクオン・オフで相場を取りたいような人であれば向いている通貨ペアだとは思います。
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編集部:
10年前は高金利通貨として人気だったようですが、もう金利は全く無視して、売ったり買ったりすればいいということですね。
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田畑:
ええ。豪ドル/円ってスプレッドが狭いですよね。 ドル・ストレートよりスプレッドが狭いから、外為どっとコムさんでトレードする方にとっては、いいのかもしれないですね。 豪ドル/円でのトレードは、結局リスクオン・オフを見極めるためには、株価指数を見なきゃいけないのですね。 為替のチャートだけを見ているのでは、ちょっと厳しいと思っています。
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編集部:
そうですか。 市場では、値動きの先行するのは株が先だ、為替が先だという議論が起きるんですけ、どちらだと思っていますか?
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田畑:
株が先ですね、絶対。 為替が先に動くことは、僕はないと思っているんですよね。
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編集部:
おっ、断言されますね。
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田畑:
円高だから株安になるっていうのは全然理解ができないです。 株が売られて、円に戻すから円高になるっていう理屈じゃないですか、順序としては。 自分が外国株に投資したときのことを考えたら、わかります。 外国株をまず売ってドルにして、それを円に戻すから円高になるわけです。
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編集部:
そうですね。 海外投資で外国株を買ったり、それを戻したりするときに為替が動くと考えると、株が先ですね。
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田畑:
はい。

おすすめのテクニカル分析

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編集部:
テクニカル分析について、「武器としてのFX」でも紙面を割かれておりました。 移動平均線、ボリンジャーバンド、MACD、ダウ理論について書かれてありましたけれども、今現在、初心者の方に習得をすすめるとしたら何ですか?
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田畑:
書籍に書いたのは、いずれもわかりやすいと思いますので初心者に学んでほしいでです。 本に書いていないものでおすすめの一つは、パラボリックですね。 これ、MACDよりシグナルが早いです。
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編集部:
パラボリックですか。 ちょっとマニアックじゃないですかね。
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田畑:
すごくいいですよ。 なぜかと言うと、あれ、トレンドが分かるんですよ。 今みたいにトレンドが出るマーケットだと初心者の方は点に沿って売買すればいいだけなんで。
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編集部:
そ・・・うですね。 ただ、私の経験上、結構ダマシだなっていうのもあった気がするんですけど。
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田畑:
一つだけ見るとそうですね。 テクニカル指標っていうのは因果関係があった上で用いるべきなので。 直近のユーロ/ドルのチャートとか、僕は日足にパラボリックを入れています。

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田畑:
様々なシグナルを全部組み合わせた上で活用するのが良いと思いますよ。 ちなみにトレンドが出てない通貨ペアや、ボラがない通貨ペアにパラボリックを用いると多分悲惨なことになりますね。
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編集部:
悲惨なことに・・・。とはいえ、田畑さんがパラボリック見ているなら、、今度から私も見ます!
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田畑:
正直、一目均衡表の何が使えるのかは僕は全く分からない。 あとFXの価格帯別出来高なんかがあるとよいですよね。ティックを足し合わせたもの。
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編集部:
ティックの足し合わせが長ければ、多くレートがついたと判断できますね。
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田畑:
例えばナスダックですけど、一番ボリュームが大きいところを僕、黄色のマークをつけているんです。 一目均衡表で、ここの雲が重いんだって言われるよりも、単純に2日前ここで一番多く約定していて、ここがいわゆる抵抗線になっているから重いんだって言われたほうが全然納得がいくというか。
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編集部:
なるほど。一目・・・。
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田畑:
あとはもう1つはVWAPっていうのをチャートに足しています。
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編集部:
VWAPですか?
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田畑:
その日の平均約定価格を出しているということです。 これで平均的な約定価格が出せるんです。

移動平均線の何がダメかといえば、例えば朝9時に出来高が100あって、朝10時に出来高が1あって、朝11時に出来高が1あったとします。 この3つを平均したところで何の意味もないですよね。 だから約定が多いところに重点を置くべきだと思います。 主要な経済イベントがあった日のVWAPはメモしておいて、これを下回ったら、その日にロングした人は含み損になるな、と発想します。

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編集部:
どこで活発に取引があったかが分かれば、そこが次の抵抗帯になるという発想でしょうか。
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田畑:
そうです。 一目均衡表よりもめちゃくちゃ分かりやすい。
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編集部:
一目均衡表が相当お嫌いですね・・・。

チャートから距離を置く価値

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編集部:
嫌いつながりで、書籍に「メンタル」って言葉はお嫌いだと書いてありました。 儲け損ねる恐怖に敏感なのに、損をしなかった喜びには鈍感な生き物であるわれわれが、本能に勝つにはどうすればいいでしょうか?
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田畑:
一番簡単なのは、チャートを見ないことですね。 僕はポジション持ったら、どっかに行っちゃうんですよ。
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編集部:
チャートから離れる、って究極の解決法ですね。 ポジションを持ったら、チャートや損益を、ずっと見ちゃいますもんね。
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田畑:
そうなんです。 結局、持ったポジションに対して最大損失額を決めたら、僕らがやれることっていうのはそんなになくて。 スキャルパーの方とかは別ですけど、僕みたいに、詰将棋のように分析したあとは、買ってくれる人や売ってくれる人を待つだけなんですよね。
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編集部:
まあ確かにそうですけど、すごい割り切りですね。 昔からそのようなスタイルなんですか?
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田畑:
昔からではないです。 もちろん、最初は自分に確信がなかったので、できなかったんですけど、もう最近は、VWAPとか価格帯別出来高みたいな計算して、ここまでやって負けるんだったらしょうがないと吹っ切れたところはありますね。
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編集部:
小ロットで、小額ならちょっと損してもいい、ぐらいの気持ちになれるならチャートを見ないで済むと思いますが。
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田畑:
それ、筋トレやストレッチと一緒だと思っています。最初は慣れていないから筋トレとか辛いじゃないですか。 でも、慣れていくうちに、気にならなくなるみたいな。
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編集部:
徐々にですね。また、FXのポジションを持つとき、リスクリワードはよく考えられるんですか?
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田畑:
もちろんです。リスクリワードが良いことは、期待値が良いっていうことと多分同一ですよね。
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編集部:
損切りと利食いの比率、何対何などはその場その場で決めているんですか?
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田畑:
そうですね。 ある程度トレンドがある中であれば、ポジションの持ちすぎさえ気を付ければ、何かミスっても大丈夫なんで。 余裕のある範囲でやります。

大きな損からの回復は早かった

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編集部:
ではここで、日銀がマイナス金利を発表した日について伺いたいです。
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田畑:
いいですよ。2016年の話ですね。
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編集部:
ちょっと聞きづらくもあり、じっくり聞きたくもあり、な質問です。 その日、9時間で4600万円を失ったという記事を、田畑さんのブログを拝見しました。
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田畑:
はい。
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編集部:
その9時間の中でも一番きつかった、10分間で2700万円を失った当時の心境、また体に起こった異変などをお聞きしたいです。
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田畑:
異変か・・・。 とりあえず吐いたことは覚えているんです。 その時、マンションに住んでたんですが、ポストに不動産屋のチラシが入ってて。 チラシにあるマンション価格が、6000万くらいでした。・・・損したおかねで、ほとんど買えたな、とか思って。
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編集部:
ひえーーーー。
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田畑:
その記憶はめちゃくちゃありますね。でもまあ、3日後から普通にトレードやってましたよ。
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編集部:
それまた驚きです。田畑さんのブログでは、そのあと1カ月で損をとり戻したって書いてらっしゃったんですけど。
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田畑:
ええ。たまたまそのときはボラティリティもあったので。 今考えれば、めちゃくちゃ無茶をしていたとは思うんですけど。
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編集部:
私にとって、なにがショックって、田畑さんはその時点で何年もFXを取引されていて、相場の値動きに慣れていたはずなのに、それでも大きな損を出したということです。 そんなことはあり得るんだということが衝撃でした。
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田畑:
いやいや、大きな損は、あり得ますよ。 日銀のマイナス金利発表のときに、豪ドル/円が一気に3円上げて、一気に3円下げたんですよ。 僕の中では、相場が全戻ししていたら、その材料では上げきれないっていうルールだったで、1回切るしかなかったんですよね。
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編集部:
あと、大きな損をした後、何とかその損を取り戻そうと直後に相場に入っちゃったので、ダメージが大きくなったという印象なんですが。
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田畑:
そうです。 日銀の金融政策で動いた相場だから、ドル/円をポジればよかったのに、なんかポンド/円とかをポジって、その日ポンドが売られてポンド/円が全然上がらなかった、みたいなことになりました。 だから、大事なのは本当に分かりやすい通貨ペアでポジション取ることですよね。 
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編集部:
ふむふむ・・・。 ではボラティリティについての質問です。 いろんな通貨ペア、金融商品を見てらっしゃると思うんですけど、ボラティリティが本当になくなってしまったら、トレードチャンスが無いので取引は諦めるというお考えなんですかね。
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田畑:
はい。 僕は小型株とかもやったことあるんですけど、1日の出来高がほぼ自分だけだと、やっぱりレートが動かなかったりするんですよね。それに近いと思っています。 これ、ゲームに例えたらすごく簡単な話だと思っています。
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編集部:
ゲームに、ですか?
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田畑:
ゲームは、参加する人が多ければ多いほど、自分より弱いプレイヤーは見つかりやすい。これはボラティリティが高いときです。 ボラティリティが低いときっていうのはゲームの参加者がいないとき。 僕しか参加していなければ必然的にゲームに負ける人もいないので、ゲームに参加する手数料で僕が負けるという事態が起こります。 そういうときは、もう優位性がないですよね。
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編集部:
ありがとうございます。 現状のトレードスタイルについて、書籍を拝読する限りはスイングトレードかと思っています。 トルコリラ/円が変動すると予想していながら、実際はドル/円を取引したとありましたが、スイングトレードである程度の値幅を取るんなら、スプレッドはそんなに気にしなくていいんじゃないですか。
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田畑:
そうですね。正直僕はFX各社のスプレッド競争はあまり気にしてはないです。 何というか、もしトルコリラ/円を取引するならオプションを買うようなものだと思っています。 フラッシュクラッシュにかけるみたいな。
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編集部:
ああ、なんかわかってきた気がします。
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田畑:
だから、オプショントレーダーの話に置き換えると、オプションのロングを持つ感じです。 ボラティリティが出るほうに乗っていくのはトレンドフォローじゃないですか。 逆張りする人はオプションの売りですよね、損失が無限大で、結局損切りできないみたいなことになる。 だからVIXが上がってきて、損する人が明確そうだなって思ったときに、そこを突っ込むっていう感じですね。 トルコリラ/円をやるときは、ちいさい値幅を取るトレードではなく、トルコリラ/円が15円から10円まで大きく下がるような、フラッシュクラッシュを狙う場合ですね。  スプレッド云々じゃなくて。大穴狙いに常にかけてるっていう感じです。
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編集部:
すごく分かりやすかったです。 オプション取引の発想に切り替えると、為替がすごくうまくいくっていうのが分かりましたね。
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田畑:
FXは値幅制限がないですからね。 もちろん約定するかどうかは各社のシステムにもよると思うので一概には言えないんですけど。 

偽トレーダーは気にしない

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編集部:
最後に偽トレーダーについて一言いただきたいです。
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田畑:
それについては僕は何も思ってなくてですね。 すごい不思議なのが、例えば宝くじ売り場に並んでる人に、そんなもんぼったくりだから買うのやめろっていう人、一人もいないじゃないですか。 それは別に注意喚起したところで何もないというか、宝くじ売り場でそんな叫んだところで僕が変な人になるだけなので。
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編集部:
確かに、そうですね。
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田畑:
偽トレーダーは、いないほうがいいですよ、もちろん。 日本のFX業界としてそうだろうし、そもそも詐欺をする人はよくないなとは思いますけど。 それを止めるのは僕の仕事ではないというか。僕はTwitterで、ある程度フォロワーもいる方なので、本当は注意喚起するのがいいかもしれないですけど、きりがないといいますか。 だからそれは僕がやらなくてもいいのかなとは思っています。
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編集部:
気にもかけない、勝手にやってるなというところですかね。
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田畑:
何だろうな。 トレードが僕にとっての仕事と考えたときに、スマホの、パソコンの画面越しに、相手となるトレーダーがいるわけですよ。 そこに神経を使うべきじゃないですか。 野球のバッターに例えたら、目の前に投げ込まれるボールを打ち返すことに集中すべきですよね。 自分の仕事に対して、最大限のパフォーマンスを発揮するために頑張るべきです。 だから他の選手の成績や、他人がどう活躍しているかなんて気にする必要がないし、神経を使うべきじゃないと思っています。 
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編集部:
納得です。 ちなみに、うちの情報商材を扱ってください、みたいな営業って来るんじゃないですか?
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田畑:
僕、TwitterのDM、許可してないので問い合わせとか来ないんですよ。
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編集部:
ああ、そっか(笑)。
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田畑:
連絡先も非公開なので多分連絡する手段がないと思います。
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編集部:
・・・平和でいいですね。
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田畑:
はい。 だから本当にあんまり余計な情報は見てないので、実態も知らないです。
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編集部:
距離を取るっていうのは非常に有効ですよね。
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田畑:
そう。近しい人と時間過ごしたりとか、そういうことに重きを置きたいので、あまりネット上のいざこざには興味がないです。
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編集部:
長時間にわたり、大変ありがとうございました。
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田畑:
ありがとうございました。

 

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f:id:gaitamesk:20200713155222p:plain田畑 昇人 氏
大学3年生からトレーディングを始め、僅か50万円を9ヶ月で1000万円に増やしたトレーディング力が注目され、東大大学院在学中にメディア出演し、話題に。 FXに出会って相場の世界に足を踏み入れたことをきっかけに個人投資家として活躍するようになる。 書籍も発行されており、「東大院生が考えたスマートフォンFX」10万部・「武器としてのFX」2.5万部など、それぞれベストセラーとなっている。FX初心者から上級者までを対象とした「田畑昇人公式FXブログ」を随時更新している。