FX「『何も信じない』から始まるFXトレード」石川久美子氏 FX特別インタビュー（後編）

以下の取材記事は個人の経験や考えに基づくものです。その内容について当社が保証するものではありません。実際のお取引については充分内容をご理解の上ご自身の判断にてお取り組みください。

今回は、ソニーフィナンシャルグループ 金融市場調査部 シニアアナリストの石川 久美子氏にインタビューいたしました。 後編では個人投資家へ向けて、投資を長く続けていくうえで、重要なポイントやアドバイスを伺っています。

▼目次

1.「値動き」にも「周りの見解」にも振り回されない
2.個人投資家はどうすれば投資と上手く付き合えるか
3.石川さんが思うFXならではの魅力とは？

1.「値動き」にも「周りの見解」にも振り回されない

編集部：

日頃からアンテナをはっていると、お休みの日でも相場のチェックは欠かせないでしょうね？

石川：

いえ、そんなことないです。休みの日は山に行ったりして自然の力に癒されています。 先日もトレイルランニングのレースに出てきましたよ。

編集部：

トレイルランニングって、山中を走るやつですよね？さすがアクティブな石川さん！ でも、周りの状況が気にならないものなんですか？

石川：

そこなんですが、私は休みの日の長さにもよりますが、休むときは相場は出来るだけ見ないようにしています。 中長期の相場を見定める分析が主体なので、日々の細かな値動きは大きな気持ちで受け止めて、しっかりリフレッシュすることを優先させることが、休み明けに仕事を頑張る上で大事だと心がけています。

2.周りに振り回されない

編集部：

たしかに、石川さんのように中長期の値動きをメインで追っていらっしゃる方であれば、日々の値動きに一喜一憂していられませんしね。 でも、他のアナリストの見解とかはさすがに気になりますよね！？

石川：

はい、他のアナリストの方のレポートから勉強させていただくことも多いです。ロジックの組み立て方や、様々な意見を拝見しつつ、自分のロジックを修正することもあります。ただ、他のアナリストの見方がある一定方向に傾いてきたとき、果たしてそれが本当に整合的なのか、かえって懐疑的に見たりすることも多いです。どんな時でも、冷静に自分の見方を構築することを心がけています。

編集部：

周りに振り回されるといけないですもんね。

石川：

そうですね。あくまでなぜそのようなギャップが生じているのかということを詰めていきます。 繰り返しになりますが、検証の結果、見通しに修正をかけることもあります。自分の考えに固執しても駄目です！

編集部：

「思いこまないこと」「自分の考えを大事にし過ぎないこと」と先ほども仰られていましたもんね。 アナリストによって見通しが大きく異なる事もあるかと思います。 個人投資家の方は何を信じたらいいのでしょう？

石川：

厳しい言い方ですが、「何も信じない」ってことでしょうか。 見解が分かれているということは、どっちに転んでもおかしくないという事。もちろん、どの部分でどう見通しが割れているのかも重要ですが、その異なる見解を受けて、自分が今どう動けばいいのか、最終的には自分で決断を下す必要があります。アナリストの見解はあくまで投資判断の材料の1つに過ぎません。

編集部：

うぅ、厳しい意見ですが、アナリストも神様ではないので、「絶対」はありませんからね。 他に個人の投資家に向けて投資をするうえで、重要なポイントとかってありますか？

石川：

それは、リスク管理以外のなにものでもないです。

編集部：

リスク管理というのは、損切りとかそういったことでしょうか？ 損切りに苦手意識を持たれている方は結構いらっしゃるんですよね・・・

石川：

とてもよくわかりますが、都合の悪い事実から目を背けると、しっぺがえしはありますね。 見通しを立てるときに、自分の見通しに反する状況にも目を背けずに、必ず視野に入れて考える必要があります。不確実な事実はいつでも発生するものなので、そのリスクからは逃げないことが大切です。

編集部：

自分の見通しに固執し過ぎず、柔軟性をもってということですね。

石川：

もちろん、ガチガチにルールをかためてしまうと、投資をすること自体が窮屈になり楽しくなくなってしまいますので、初めは利食いと損切りはセットで出すことを意識するということでも十分だと思います。FXをコツコツ長く続けるためには、これらは最低限外せないことですね。

3.石川さんが思うFXならではの魅力とは？

編集部：

ありがとうございます。ちなみに数ある金融商品の中で石川さんから見て、FXの魅力ってなんだと思いますか？

石川：

たくさんありますが、やはり「機動性」と「柔軟性」でしょうか。 24時間取引が出来るので、時間の縛りが無い点も大きな魅力です。

編集部：

たしかに、運用スタイルも色々ありますし、リスクのコントロールも可能なので、「柔軟性」があります！これってつまり、幅広い層にマッチしやすい金融商品ってこと！？

石川：

そこまでは・・・断言は出来ません（笑）

編集部：

ですよね～ では、最後に個人投資家の皆さんに向けてメッセージをお願いします。

石川：

外国為替市場を生き抜くのは、プロでも本当に難しいです。 リスク管理をしっかりやりつつ、長くトレードを楽しんでください。

編集部：

ありがとうございました。

PickUp編集部より

後編では、オフの日の過ごし方のほか、個人投資家へのメッセージ、FX投資の魅力についても伺いました。皆様のトレードスタイルの確立にお役に立てれば幸いです。

投資の真髄がここにある！伝説のディーラー列伝　インタビュー記事まとめ

media.gaitame.com

ソニーフィナンシャルグループ 金融市場調査部　シニアアナリスト
石川久美子（いしかわ・くみこ） 氏
商品先物専門紙での貴金属および外国為替担当の編集記者を経て、2009年4月に外為どっとコムに入社し、外為どっとコム総合研究所の立ち上げに参画。同年6月から研究員として、外国為替相場について調査・分析、レポートや書籍、ブログ、Twitterなどの執筆、セミナー講師、テレビやラジオなどのコメンテーターとして活動。2016年11月より現職。外国為替市場の調査・分析業務を担当。

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