ドル/円:上下の抵抗を抜けきれない可能性。短期トレンドは106円割れでニュートラルに変化。
日足は2手連続陰線引けとなり、上値を切り下げている。単体では下げ余力の強いものではなく、107.50-60の下値抵抗を守って終えているが、直近の陰線が8/26に付けた104.85を起点として下値を切り上げて来た流れから若干下抜けた位置で終えており、日足の形状が悪化し始めている。このトレンドラインの上値抵抗は、週初は107.90-00に、週末には108.50-60まで上げて来ることから108.50超えに実体を戻さない限り上値余地が拡がり難くなっている。また、4/24に付けた112.40を起点として上値を切り下げて来た流れの中に再び押し戻されており、下値リスクが生じていることにも注意したい。日足の上値抵抗は107.90-00、108.40-50に、下値抵抗は106.90-00、106.50-60、106.00-10にある。短期トレンドは“ドルやや強気”の流れを維持しているが、107.50割れで終えた場合は、日足の形状がさらに悪化して107.00以下の下値抵抗の強さを確認する動きへ。さらに、106円割れで終えた場合は短期トレンドを“ニュートラル”な状態に戻して、今後のドルの上値余地が限られ易くなる。可能性がまだ低いと見るが104.50割れを見た場合は“ドル弱気”に変化して一段のドル下落に繋がり易くなる。21日移動平均線は107.03にあり、短期トレンドをサポートしているが、120日、200日線は108.57と109.31に位置しており、中期トレンドは“ドル弱気”の流れを変えていない。 一方直近の週足は、上ヒゲがやや長く、実体の小さい陰線引けとなった。下げ余力の強いものではなく、また下値を切り上げる流れにも変化が認められないが、上値トライに失敗した形となったことや、4月に付けた112.40を起点として上値を切り下げる流れに押し戻されており、下値リスクにも注意する必要がある。今週の週足の重要ポイントが107.80近辺にあり、これを下抜けて越週した場合は、下値リスクが点灯、逆にこれを上抜けて越週した場合は、上値トライの可能性を残すことになる。今週の週足の上値抵抗は108.80-90、109.30-40に、下値抵抗は107.00-10、106.00-20、104.90-00にある。31週、62週移動平均線は109.01と110.26にあり、中期トレンドは“ドル弱気”の流れに変化が認められない。 今週の戦略は、ドル買いは106.80-90の押し目待ち。損切りは短期トレンドをニュートラルな状態に戻す105.80で撤退。ドル売りは、107.90-00で戻り売り。損切りは108.60で一旦撤退としたい。これが付いた場合でもドル急伸にも繋がり難いと見ている。 上値は、107.70-80に軽い抵抗が、107.90-00、108.20-30、108.40-50に強い抵抗があるが、108.50超えで終えれば、108.80-90、109.10-20、109.30-40にある一段と強い抵抗をトライする動きへ。可能性が低いと見ているが、109.50超えで越週出来れば110~111円台までもう一段上値余地が拡がり易くなる。下値は、107.50-60にやや強い抵抗があるが、これを下抜けた場合は107.20-30、107.00-10、106.70-80、106.50-60、106.20-30、106.00-10にある抵抗をどこまで切り崩せるかトライする動きへ。106円割れを見た場合は短期トレンドが変化して105円台の足元を固め直す動きが強まり易くなるが、104.60-70に一段と強い抵抗があり、これを下抜けて終えるか値動きの中で104.50割れを見ない限り、下値余地も拡がり難い。但し、104.50割れを見た場合は新たなドル下落トレンド入りの可能性が高くなり、102円方向への一段のドル下落へ。
ドル/円【日足】期間:2019/01/17~2019/09/20(移動平均線は21、120、200日、以下日足は同様)
ドル/円【週足】期間:2016/08/05~2019/09/20移動平均線は31、62週、以下週足は同様)
ユーロ/円:上値抵抗にぶつかる。118円割れで短期トレンドは“ニュートラル”に変化。
日足は3手連続陰線引けとなり、直近の陰線が9/3に付けた115.87を直近安値として下値を切り上げて来た流れから下抜けた位置で終えており、日足の形状が悪化し始めている。118.00-10に強い抵抗があるが、これを下抜けて終えた場合は短期トレンドを“ニュートラル”な状態に戻して116~117円台にある下値抵抗をどこまで切り崩せるかトライする動きが強まり易くなるが、このレベルは週足の下値抵抗の厚いポイントでもあることから、一旦下抜けても押し戻される可能性が高く、117.00以下の売りも慎重に臨む必要がありそうだ。逆に120円台を回復して引ければ日足は再び“ユーロ強気”の流れに戻すが、この場合でも週足の抵抗が122.00-10に控えており、これをしっかり上抜けて越週しない限り、下値リスクを残すことになる。日足の上値抵抗は、119.00-10、119.60-70に、下値抵抗は118.00-10、117.00-10、116.50-60にある。21日移動平均線は118.19にあり、短期トレンドをサポートしているが、118円割れで終えた場合は下値リスクが高くなる。また、120日、200日線は121.44、123.01に位置しており、中期トレンドは“ユーロ弱気”の流れを変えていない。 一方直近の週足は、前週の陽線の値幅内に陰線が入り込んでいる。続伸に繋げられずに終えているが、調整下げの範囲内に留まっていることや、118.00-10に週足の下値抵抗が控えており、これを下抜けきれずに反発に転ずる可能性を残している。一方で、119.80近辺にあった週足の上値抵抗にぶつかって反落しており、120円台を回復して引けるか、119.80超えで越週しない限り上値余地も拡がり難い状態にある。今週の週足ベースで見た上値抵抗は119.60-70、121.00-10、122.00-10に、下値抵抗は前述の118.00-10、116.60-70にある。短期トレンドは118.00割れの越週でニュートラルな状態に戻すが、116円割れで越週するか、値動きの中で115.50割れを見ない限り、下値余地も拡がり難い。31週、62週移動平均線は122.19と125.09にあり、中期トレンドは“ユーロ弱気”の流れに変わりない。 今週の戦略は、ユーロ買いは118.10-20で押し目買い。損切りは短期トレンドをニュートラルな状態に戻す117.80で浅めに撤退。ユーロ売りは119.00-10で戻り売り。損切りは浅い場合で119.80、深い場合は120.10で撤退としたい。 上値は、119.00-10、119.30-40、119.60-70にやや強い抵抗が出来ており、上値余地が限られ易い状態にあるが、120円台で終えた場合は、“ユーロ強気”の流れに戻して一段の上昇に繋がり易くなる。この場合でも122.00-10に週足ベースで見た強い上抵抗が控えており、これを上抜けて越週しない限り、大幅続伸にも繋がり難い。下値は、118.10-20に強い抵抗があるが、118.00割れで終えた場合は短期トレンドが変化して下値リスクがやや高くなる。この場合でも週足ベースで見た下値抵抗が116.60-70に控えており、116円割れの越週か115.50割れを見ない限り、下値余地も拡がり難い。(川合 美智子)
ユーロ/円【日足】期間:2019/03/04~2019/09/20(移動平均線は21、120、200日)ユーロ/円【週足】
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