(1)
中国商務省は「米中は9月の訪米に関して協議している」などと発表。その上で米国の関税引き上げに報復しない方針を示唆した。これを受けて米中貿易戦争激化への懸念が和らぎ、対豪ドルを中心に円売りが強まった。
(2)
独8月消費者物価指数・速報値は前月比-0.2%、前年比+1.4%と、いずれも予想(-0.1%、+1.5%)を下回った。
(3)
米4-6月期国内総生産(GDP)・改定値は前期比年率+2.0%と速報値(+2.1%)から、予想通りに下方修正された。内訳では、輸出が-5.8%と大きく減少した一方、個人消費は+4.7%と予想(+4.3%)を上回る伸びとなった。また、米新規失業保険申請件数は21.5万件と予想(21.4万件)を僅かに上回り、前週(21.1万件)からやや増加(悪化)した。
(4)
欧州中銀(ECB)の次期総裁に指名されたラガルド国際通貨基金(IMF)専務理事は、欧州議会宛の書簡で「ECBはまだ金利の下限を付けていない」「ECBには幅広い手段がある。行動の準備が必要」との認識を示した。これを受けて一時ユーロが売られたが、その後オランダ中銀のクノット総裁が「現時点で量的緩和(QE)再開を正当化できるほど景気は弱くない」と述べた事が伝わると反発した。
(5)
トランプ米大統領はラジオのインタビューで、9月の米中協議は実現するのか、との問いに「異なるレベルでの協議が本日予定されている」と答えた。これを受けて円売りがやや優勢となった。
ドル/円の見通し
昨日のドル/円は終値ベースで約0.4%上昇。米中間の貿易問題を巡る対立緩和への期待から欧米株が買われ、米長期金利が上昇する中、106.60円台まで上値を伸ばした。ただ、106円台後半は8月中旬以降の上値抵抗であり、米国による対中関税第4弾の発動を今週末に控えて上抜けには苦労しそうだ。米中問題にポジティブなニュースがなければ107円台の回復は難しいと見る。もっとも、トランプ米大統領は米中通商協議について「(29日に)異なるレベルでの協議が予定されている」と話しており、本日はアジアタイムを中心に関連報道に注意が必要だろう。