(1)
日本7月消費者物価指数(除生鮮食)は前年比+0.6%と予想通りの低い伸びであった。
(2)
中国は米国からの輸入品に対する関税の発動を発表。米国による対中関税第4弾への報復措置として、750億ドル相当の米国製品に5-10%の追加関税を9月1日と12月15日の2段階で発動すると発表した。これを受けてドル/円やクロス円が下落した。
(3)
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が米ワイオミング州ジャクソンホールで講演。議長は「米経済は良好」との認識を示しながらも、「著しいリスクに直面している」とした上で「景気拡大の維持へ『適切に行動』する」と述べた。これを受けて米長期金利が低下するとドル/円も下落したが、米国株が議長の講演を好感して一時上昇したためドル/円も下げ渋った。しかし、トランプ米大統領が「唯一の疑問は、我々にとってパウエル氏と習氏のどちらが手ごわい敵なのだろうか」などとツイートした事などから米長期金利の低下が加速するとドル/円は106円台を割り込んで下落した。
(4)
トランプ米大統領は立て続けにツイッターに投稿。「偉大な米企業に対し、中国の代替先を即時に模索するよう命じる。事業を米国に戻し、米国内で生産することも含まれる」「われわれに中国は必要ない。率直に言えば、中国がいない方が状況はましだろう」と中国を批判した。また、中国の対米関税についてこの日の午後に対応策を発表する意向を明らかにした。これを受けて米国株が下落し、米長期金利が低下する中、ドル/円やクロス円の下げが加速した。なお、NY市場終了後にトランプ米大統領は、中国製品3000億ドル相当への関税を10%から15%に、2500億ドル相当の製品については25%から30% に、それぞれ5%の追加引き上げを発表した。
ドル/円の見通し
23日のドル/円は米中貿易戦争が激化する中、終値ベースで約1.0%の大幅下落となった。本日早朝には105円台を割り込み、一時104.40円台まで続落する場面もあった。中国は23日に対米報復関税の発動を発表。これに対し米国も対中関税の引き上げで対抗するなど、2大経済大国の対立がエスカレートした事で、リスク回避の動きが強まった。
ドル/円は、早朝の急落からやや持ち直しており、午前8時時点で下げ一服の様相だ。従来のサポートであった105.00円を回復できるかが、目先の反発力を占うカギとなりそうだ。ただ、世界的に株価の全面安が見込まれる中、市場心理の好転は期待しにくいため下落圧力の再燃にも注意が必要だろう。早朝に付けた104.40円台の安値を割り込めば103円台に続落する可能性も否定はできない。いずれにしても、本日のドル/円は不安定な相場展開が見込まれる。