(1)
日本7月貿易収支(通関ベース)は2496億円の赤字となり、赤字額は予想(1945億円)を上回った。なお、米中貿易摩擦が長期化する中、日本の対中輸出は前年比-9.3%減少した。
(2)
欧州市場に入り、ポンド売りが活発化。前週末に英紙が、「合意なき離脱」となった場合に英国で食料や医薬品が不足する事態に陥るとの政府資料を掲載した事などが不安視された。また、ジョンソン英首相は19日、欧州連合(EU)のトゥスク大統領に書簡を送り、現行の離脱協定案からアイルランド国境問題のバックストップ(安全策)条項を削除するよう要請した。ただ、EUは協定案の再交渉拒否の姿勢を崩していない。
(3)
ドイツ政府の財政出動への期待などから欧州株が上昇する中、ユーロ/円が118.40円台に上昇。前週末にショルツ独財務相が、経済危機に陥った場合、政府として500億ユーロ相当の追加支出が準備可能だと示唆した事などが好感された。
(4)
ロス米商務長官は、中国通信機器大手ファーウェイに対する禁輸措置の猶予期間をさらに90日間延長すると発表。これを受けて豪ドル/円が72.30円前後まで上昇する場面があった。
ドル/円の見通し
昨日のドル/円は、終値ベースで約0.2%上昇。世界的に株価が値上がりする中、一時106.70円前後まで上昇する場面もあった。その結果、日足は3日連続で陽線引けとなり底入れ感も出ている。ただ、短中期のトレンドを示す20日移動平均線は依然として下向きであり、同線が通る107.00円前後が目先の上値抵抗になると見られる。少なくとも107円台に乗せるまでは強気化の判断は保留としたい。
107円どころの抵抗が思いのほか強いようだと、再び106円台前半に押し戻される可能性もあるため、本日の動きが重要となりそうだ。