
作成日:2026年4月27日 12時30分
今週のドル円予想レンジ:157.50~160.50円
今週の米ドル円は、157.50〜160.50円を中心とした推移を想定しています。160円台を一時的に試す場面があっても、上値追いには慎重で、むしろ戻り売りを意識したい局面と考えています。
米ドル円、中東情勢・金利差と介入警戒の対立構造継続
米ドルは、中東情勢の緊張と原油高を背景に支えられています。原油高は米国の物価を押し上げやすく、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに動きにくくなるとの見方につながります。そのため、米金利が下がりにくく、ドルも底堅くなりやすい構図です。
一方で、今のドル高は景気の強さだけで支えられているわけではありません。中東情勢や原油価格の変化に左右されやすく、相場は荒れやすい状態です。特にドル円は160円に近いため、ドル買い材料が出ても、日本の介入警戒によって上値が抑えられやすいと考えます。
米連邦公開市場委員会(FOMC)は直近会合で政策金利を3.50〜3.75%に据え置きました。米金融当局は、インフレがまだ完全には落ち着いていないと見ており、すぐに利下げへ動く姿勢は見せていません。この点はドル円の下支えになりますが、今週はそれ以上に160円近辺での反落リスクを重視します。
日銀からの利上げメッセージはどの程度か
今週の焦点は、日銀会合と本邦当局の為替けん制です。
日銀は4月会合で利上げを見送る可能性が高いと見られています。通常であれば、日銀の利上げ見送りは円売り材料です。ただし、植田総裁が今後の利上げに含みを持たせる発言をすれば、円買い戻しが入りやすくなります。
また、財務省は足元の円安について強い警戒感を示しています。特に160円前後では、市場参加者が実際の為替介入を意識しやすくなります。相場がゆっくり動くなら口先介入にとどまる可能性がありますが、短時間で160円台を大きく上抜けるような動きになれば、警戒感は一段と高まりそうです。
米インフレ動向と主要な経済指標は利下げ急がずを支持
米3月の米消費者物価指数(CPI)は、前年同月比3.3%上昇しました。2月の2.4%から伸びが高まり、インフレ再加速への警戒が出ています。
ただし、食品とエネルギーを除くコアCPIは前年同月比2.6%上昇で、全体を大きく押し上げたのは主にエネルギー価格です。つまり、米国の物価はまだ高いものの、すべての分野で強いインフレが広がっているわけではありません。
雇用面では、3月の失業率は4.3%でした。労働市場は強すぎるわけではありませんが、急に悪化しているとも言えません。そのため、FRBはインフレを警戒しながら、しばらく様子を見る姿勢を続けやすいと考えます。
今週は、米国内総生産(GDP)や米個人消費支出(PCE)価格指数が重要です。弱い結果になれば米金利が低下し、ドル円の下落につながる可能性があります。逆に強い結果ならドルは支えられますが、160円近辺では上値も重くなりやすいでしょう。
投機筋ポジションはネットで円売り越しが増加
市場では、ドル買い材料は残っているものの、160円近辺での上値追いには慎重な空気が出ています。

投機筋の円売りポジションは2026年4月21日現在、円買いポジションは前週比で -728 枚となり、円売りポジションは前週比で +10,524 枚となりました。これに伴い、投機筋ポジションの売り越しは前週比で +11,252 枚となっています。しかし、ポジションが一方向に傾きすぎると、相場が反転したときに円買い戻しが一気に入りやすくなるリスクもあります。
特に今週は、日銀会合、米連邦公開市場委員会(FOMC)、米個人消費支出(PCE)価格指数など、相場を動かしやすい材料が多くあります。強いドル買い材料が続かない場合、投機筋の利益確定が出やすく、下方向への調整が入りやすいと見ます。
米ドル円のテクニカル分析:短期では上昇の勢いが緩和

日足チャートでは、ドル円は高値圏で横ばいになっています。
10日移動平均線は159.15円前後、50日移動平均線は157.45円前後です。現在値は50日移動平均線を上回っているため、中期の上昇トレンドはまだ崩れていません。ただし、10日移動平均線の近くで小動きになっており、短期の上昇力は弱まっています。
上値では、159.50円、160.00円、160.50円が重要です。特に160.50円を日足終値で明確に上抜ける場合は、下向き目線をいったん弱める必要があります。
下値では、まず159.15円の10日移動平均線が分岐点です。ここを明確に下回ると、158.50円、158.00円、157.45円の50日移動平均線が意識されます。RSI9日は51.5で、まだ売られすぎではありませんが、上昇の勢いはかなり落ちています。
テクニカル面では、中期上昇トレンドは維持しつつも、短期では調整に傾きやすい形です。
今週の米ドル円取引戦略:160円台乗せは、打診的な売りを検討
今週の基本戦略は、160円近辺では戻り売りを優先し、157円台後半では下げ止まりを確認するというものです。
メインは、159.50〜160.00円にかけての戻り売りです。160円前後では介入警戒が強まりやすく、買いで追いかけるよりも、上値の重さを確認して売る方が合いやすい局面です。
売りの利益確定目安は、まず158.50円、次に158.00円、さらに下げる場合は157.45円前後です。157.45円は50日移動平均線があるため、いったん買い戻しが入りやすい水準です。
一方で、160.50円を日足終値で明確に上抜けた場合は、売り目線をいったん修正します。その場合は、161.20円や162.00円方向への上昇リスクも出てきます。
まとめ:米ドル円は158円台から157円台へ調整を警戒
今週の米ドル円は、上値は160円前後で重く、下値は157円台半ばで支えられやすい展開を想定します。
米金利の高さと原油高はドル円の支えになりますが、160円近辺では介入警戒とポジション調整リスクが強くなります。そのため、今週は一方向に上昇するよりも、159円台後半では上値が重くなり、158円台から157円台へ調整する可能性をやや重く見ます。
結論としては、米金利高は下支え材料だが、160円近辺では反落リスクが勝りやすい。目線は6対4で下向きを考えています。
今後の重要イベント・経済指標カレンダー
4月27日(月)〜28日(火):日銀金融政策決定会合
- 結果公表は4月28日。
- 植田総裁の会見は午後に予定されており、今後の利上げに含みを持たせるかが焦点です。
4月29日(水)27:00:米連邦公開市場委員会(FOMC)政策発表
- 政策金利は据え置きが中心視されています。
- 声明文で、原油高や中東情勢、インフレへの警戒感がどの程度強く示されるかが重要です
4月29日(水)27:30:パウエル米FRB議長、会見
- 利下げ時期について慎重な発言が出ればドルを支えやすく、
- 景気への警戒が強ければ米金利低下を通じてドル円の重しになります。
4月30日(木)21:30:米1〜3月期実質国内総生産(GDP)速報値
4月30日(木)21:30:米3月個人所得・個人消費支出、米個人消費支出(PCE)価格指数
4月30日(木)21:30:米1〜3月期雇用コスト指数(ECI)
5月1日(金)23:00:米4月ISM製造業景況指数
中東情勢をめぐる関連ヘッドラインや日本当局の円安けん制発言には常に注意したい
ドル円が3月中旬から横ばい推移を続ける一方、日経平均(日本N225:CFDネクスト)は上昇トレンドが発生し、心理的節目の6万円を突破しています。ドル円の動きを確認しつつ、値動きのある銘柄をチェックすることで、取引チャンスを広げられる可能性があります。
日本N225株価指数・商品CFDチャート
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