
執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人
執筆日時 2026年2月20日 16時30分
日銀・レパトリ・政治リスク…来週のクロス円を動かす『3つの地雷』とは?
ユーロ/円は底堅く、ポンド/円は振幅
ユーロ/円は後半に上昇幅を広げた一方、ポンド/円は方向性の見定めにくい展開でした。ユーロ/円はドル円の上昇を支えにして、183.155円まで上昇しました。またポンド/円は冴えない雇用情勢を受けて売りが先行し、207.229円まで下落したものの、インフレの粘着性が示されると、円売りの流れも相まって209.55円付近まで戻しました。
(各レート水準は執筆時点のもの)
日銀・レパトリの動きに警戒
■ユーロの見通し
来週のユーロ/円は、円サイドの脆弱性が持続するかどうかが最大の焦点となります。米国では利下げ観測が後退し、タームプレミアムの上昇もあって米金利が高止まりしているため、円は主要通貨に対して弱含みの状態が続いています。日銀の追加利上げ時期は依然不透明で、政策委員会内でも正常化に向けた議論は限定的です。日銀人事を巡る思惑も円買い材料には乏しく、現政権の財政運営への警戒感は円売り要因として残存しており、円安方向にバイアスのかかった需給構造が続きやすい局面です。
一方、ユーロは強材料が多いわけではないものの、ECBが当面の金利据え置きを維持していることで、早期利下げ観測が後退し、下値が限定されやすい状況です。ユーロ圏の景気指標は弱めですが、市場はすでに織り込み済みで、ユーロ売りを誘発する新規材料も乏しい状態です。
総じて、ユーロ/円はユーロの相対的な底堅さと円の弱さが重なり、上方向を試しやすい地合いが続くとみられます。ただし、月末を控えた本邦勢のレパトリ(資金還流)フローが発生する可能性があり、短期的にはフロー主導でボラティリティが高まりやすい点には注意が必要です。
■ポンドの見通し
来週のポンド/円は、英国の政治リスク、労働市場の軟化、粘着性の高いインフレが併存し、ファンダメンタルズの方向性が定まりにくい展開が続きそうです。景気指標は頭打ちとなる一方、サービス価格を中心にインフレ圧力が根強く、BOE(イングランド銀行)は早期利下げに踏み切りにくい政策制約を抱えています。市場は景気後退リスクを意識しつつも、インフレ高止まりが利下げペースを抑制するとの見方も強く、「景気は弱いがインフレは高い」というねじれがポンドのトレンド形成を難しくしています。ただし、26日には下院で補欠選挙が実施され、現政権に対する批判が強まるリスクはあり、注意が必要です。
一方、米金利の高止まりを背景に円は売られやすく、日銀の追加利上げ時期も不透明で、円買いに傾く材料は乏しい状況です。円の相対的な弱さがポンド/円の下値をサポートするとみますが、強弱入り混じるファンダメンタルズで方向性が定まりにくい展開も考えられます。また、月末の本邦フローや中東情勢など、外生ショックがリスクプレミアムを急変させ、ポンド/円の方向性を一時的に変える可能性があるため、引き続き警戒が必要です。
ユーロ/円とポンド/円(テクニカル分析)
■ユーロ/円:上昇のモメンタムは限定的
テクニカル面では、75日移動平均線は右肩上がりを続けているものの、短期の25日移動平均線は横ばいでレジスタンスとして機能しています。オシレーターではRSI(14)が40台で伸び悩んでおり、足元の上昇の勢いは限定的です。MACD(12,26,9)も低下基調にあり、本格的な反転局面に入ったとは言い難い状況です。
上値は184円前後が最初のレジスタンスとなり、突破すれば185円台が視野に入りますが、上昇が長続きしない可能性もあります。一方、下値は180円台前半がサポートとして意識されます。
■ポンド/円:上方向・下方向、見据えて立ち回り
ポンド/円もユーロ/円と同じようなチャート形状になっています。オシレーターのRSI(14)が40台で伸び悩んでいるほか、低下中のMACD(12,26,9)も気になります。
210.00円を突破すれば、213.00円が見えてきますが、少し距離はありそう。一方、208.00円を割り込めば、206.00円が次に意識される水準となりそうです。
【ユーロ/円チャート 日足】

出典:外為どっとコム「TradingViewチャート」
予想レンジ:EUR/JPY:180.000-185.000
【ポンド/円チャート 日足】

出典:外為どっとコム「TradingViewチャート」
予想レンジ:GBP/JPY:206.000-212.000
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一言コメント
最近は相場よりAIのほうが素直に動く気がしています。ま、私にはどちらも上手く使いこなせていませんが...。
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