
執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人
執筆日時 2026年2月20日 16時30分
ドル円、静かに上昇中|155円キープなるか?鍵を握る『日銀人事』と『米消費者マインド』
米ドル/円、155円台回復
米ドル/円は155円台を回復。前半は153.00円を中心とした振幅が続いていたものの、米国の住宅指標が底堅かったほか、金利見通しについて、FOMC議事要旨で「(幾人かの委員が)利上げ・利下げ両方向の可能性を望んだ」ことから、米利下げ期待が後退。米ドル買い戻しが優勢となり、米ドル/円は155.50円付近まで上昇した。また、高市首相が改めて「責任ある積極財政」に言及したことで、株高・金利上昇・円安が意識されたことも、米ドル/円を支えました。
(各レート水準は執筆時点のもの)
遅ればせながら消費者心理も改善すれば
■構造的にドル売りにくい
来週の米ドル/円は、米金利の持続性や米消費者マインド、日銀政策への思惑が中心材料となりそうです。米国では住宅指標の強さに加え、FOMC議事要旨で利下げに慎重な姿勢が示されたことで、金利が下がりにくいとの見方が強まり、早期利下げ観測は後退しました。米金利が高止まりする限り、米ドルは買い戻されやすい地合いが続きます。24日の米2月消費者信頼感指数が堅調ならドル買い材料となり、弱ければ利下げ観測が再浮上し、米ドルの上値を抑える可能性があります。
■過度にタカ派な人選にはなり難い
日本側では、日銀の政策修正時期を巡る思惑が円相場の焦点となります。日銀執行部の人事次第で円買い・円売りのどちらにも振れやすく、短期的なボラティリティ要因となり得ます。ただし、高市政権が財政拡大を重視する中では、過度にタカ派な人選は想定しにくく、「株高=円安」の連想が円の上値を抑えやすいとみられます。
加えて、来週は月末フローが相場を動かしやすい時期です。企業の実需や機関投資家のリバランスにより、通常のファンダメンタルズとは異なる需給が発生する可能性があります。海外勢がドル買いに傾けば下支えとなり、国内勢の円転が強まれば円買いが入りやすく、短期的に値動きが荒くなることも考えられます。
総じて、米金利の高止まりを背景にドル高優勢が続きやすい一方、日銀関連のヘッドラインや月末フローが円買い戻しを誘発する可能性もあり、上下に振れやすい展開が想定されます。
モメンタムは維持(テクニカル分析)
テクニカル面では、米ドル/円は155円台を回復したことで、日足の短期移動平均線が再び上向きを強めており、下落の勢いは緩和しています。RSI(14)も50%付近へ戻し、MACD(12,26,9)もシグナルライン上方で推移していることから、もう一段の上昇が期待されます。ただし、25日と75日の移動平均線がレジスタンスとして意識され、155.50円前後が短期的なレジスタンスとして機能していそうです。これを明確に突破できれば157.00円が次に意識されてきます。一方、下値は154円台後半が初期サポートとなり、割り込むようなら154.00円、153.00円と調整余地が生じると考えています。
【米ドル/円チャート 日足】

出典:外為どっとコム「TradingViewチャート」
予想レンジ:USD/JPY:153.000-157.000
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一言コメント
相場は忘れたころに動き出しますが、決まってこちらの心構えがない時ほど、影響はしっかり置き土産を残していきます。
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