
執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人
執筆日時 2026年1月30日 19時05分
上昇基調も米ドル安の反動から上値も限定的か
ユーロ/円・ポンド/円、円高圧力で下押しも下値限定
ユーロ/円とポンド/円は上値の重い展開でした。前半は円買い介入への警戒感から、ユーロ/円は181.783円、ポンド/円は209.605円まで売りが先行しました。中盤には、米ドル独歩安の影響からユーロやポンドの上昇を足がかりにして、ユーロ/円は183.88円付近、ポンド/円は212.16円付近まで戻したものの、依然としてくすぶる介入警戒心がクロス円の戻りを抑え、上値は限定されました。
(各レート水準は執筆時点のもの)
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■ユーロの見通し
来週開催されるECB理事会では、政策金利の据え置きが見込まれているものの、足もとのユーロ高が物価に与える下押し圧力について、ECB高官の間で警戒感が強まりつつあります。こうした状況を踏まえると、ラガルドECB総裁が理事会後の会見で示すスタンスが市場の注目点となります。
ユーロ高に対する懸念が限定的であるとの印象が市場に伝われば、ユーロは上昇基調を再び取り戻す可能性があります。一方で、想定以上にユーロ高への警戒が示される場合には、ユーロの調整局面入りを促す要因となり得ます。
もっとも、将来の相場変動に対する市場参加者の見方を反映するオプション市場のリスクリバーサルでは、ユーロ上昇リスクへの警戒が強まっていることから、ユーロの下落余地も限定的とみられます。
■ポンドの見通し
来週は英国でも金融政策委員会(MPC)が開催される予定です。市場では今回も政策金利の据え置きが見込まれています。政策スタンスは利下げ方向に傾きつつあるものの、12月の消費者物価指数は前年比3.4%と、11月の3.2%から再加速しており、現時点で中銀が利下げを急ぐ環境にはないと判断されます。市場コンセンサスは4月利下げが中心となっています。
もっとも、前年に引き上げられた公共料金の効果が剥落することで、物価上昇率は今後数カ月で急速に減速する見通しです。4月から5月にかけて、中銀が目標とする2%近辺までインフレ率が低下する可能性が指摘されています。こうした中、今回公表される金融政策レポートにおいて物価見通しが上方修正される場合には、利下げ時期の後ずれ観測が強まり、ポンド相場が大きく変動するリスクもあります。
一方で、市場の想定通り4月利下げが視野に入る内容となれば、イベント自体への反応は限定的となるものの、足元のポンド上昇に対する反動から、調整を伴う値動きとなる可能性も否定できません。
ユーロ/円とポンド/円、上値は抑制されやすい(テクニカル分析)
■ユーロ/円:21日線の下抜けで、目線下がり気味
ユーロ/円は、これまで下値を支えてきた21日移動平均線を明確に下回る推移となっています。加えて、昨年5月23日安値(161.083円)を起点とする支持線の割り込みも意識されつつあり、テクニカル面では下方リスクが徐々に高まりつつあります。
現状では同支持線付近で踏み止まっているものの、これを下抜ける展開となれば、日足一目均衡表の雲下限が位置する180.00円近辺までの調整余地を念頭に置く必要があります。
一方、戻り局面では185.50円付近が上値抵抗として意識されやすく、この水準では上昇モメンタムが鈍化する可能性が高いとみられます。
■ポンド/円:ボックス相場か
ポンド/円は上値の重さが意識され始めているものの、値動きをやや広い視点で捉えると、直近のボックス相場の範囲内での推移とも解釈でき、方向感に欠ける状況と言えます。テクニカル面では明確なブレイク材料に乏しく、総じて中立的な地合いが続いていると判断されます。
このため、当面は上下いずれにも動きづらい展開が想定され、210.00円〜215.00円を中心としたレンジ取引がメインシナリオとなりそうです。上値では戻り売り圧力が意識されやすく、一方で下値も一定程度サポートされる構図が続くとみられます。
【ユーロ/円チャート 日足】

出典:外為どっとコム「TradingViewチャート」
予想レンジ:EUR/JPY:180.000-186.000
【ポンド/円チャート 日足】

出典:外為どっとコム「TradingViewチャート」
予想レンジ:GBP/JPY:209.000-216.000
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一言コメント
ファーストレディでもありトランプ夫人でもあるメラニア氏のドキュメンタリー映画が、30日から世界各国で同時公開されるそうです。これも中間選挙対策の一環なのでしょうか...。
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