
株式会社外為どっとコムの完全子会社である株式会社外為どっとコム総合研究所(以下、「外為どっとコム総研」、本社:東京都港区、代表取締役社長:竹内 淳)は、個人投資家の外為投資に役立つ外国為替情報の調査・研究を行なっております。今回、FX投資家の実態を調査しましたので、お知らせします。
政局不安でJPY(円)は1兆2658億円の売り越しへ 個人投資家、4カ月連続で収益積み上げ 【外為どっとコム総研FX投資家調査2025年8月】
一般社団法人金融先物取引業協会 FX投資家動向まとめ
取引額は15.9%減少
金融先物取引業協会が9月12日に公表した資料によると、2025年8月の店頭FXにおける取引金額は980兆円と、7月の1166兆円から約15.9%減少した。主要取引通貨ペアではUSD/JPY(米ドル/円)の取引額が約15.8%減少したうえ、他のクロス円も軒並み取引額が減少した。一方、月末時点の未決済ポジションは9兆2762億円と7月から約5.1%増加した。また、JPY(円)に限ってみれば、月末時点のJPY(円)売りポジション額は約27.4%増加したのに対し、JPY(円)買いポジション額は約15.5%減少し、ネットでは1兆2658億円のJPY(円)売り越しとなった。
取引金額上位5通貨ペアは、USD/JPY(米ドル/円)・GBP/JPY(ポンド/円)・EUR/JPY(ユーロ/円)・EUR/USD(ユーロ/米ドル)・AUD/JPY(豪ドル/円)の順で、EUR/JPY(ユーロ/円)やAUD/JPY(豪ドル/円)が順位を下げた。

図1.取引金額とポジション計
(出所)金融先物取引業協会の「店頭FX月次速報」をもとに、当社が作成
左軸-取引金額、右軸-ポジション計
グラフ中のデータ単位は百万円
株式会社外為どっとコムFX投資家動向2025年8月
FX個人投資家の取引許容度が改善
FX口座数が87万件を超える株式会社外為どっとコムの協力の下、2025年8月のFX投資家動向を調査した。
【調査概要】
調査対象:株式会社外為どっとコムのFXサービス「外貨ネクストネオ」利用者(約87万口座)
調査機関:株式会社外為どっとコム総合研究所
調査対象:調査期間中にFXサービス「外貨ネクストネオ」の新規口座開設およびFX取引をした顧客
調査期間:2025年8月1日6:00 ~ 2025年8月30日6:00
調査方法:対象期間中の取引データより抽出
(特定の個人を識別できないよう個人情報を匿名化した上で行っております。)
FX取引における実現損益
8月のFX取引において実現益を出した投資家の割合は62.1%と、7月の58.1%から増加した。一方で、実現損を出した投資家の割合は37.8%と、7月の41.8%から低下した。その他の投資家は収支がゼロだった。米国の労働市場の軟化を示唆する雇用統計の結果を受け、JPY(円)は対USD(米ドル)で150.90円付近から147.30円付近まで序盤に急騰したものの、その後は明確な手掛かりが見つからず、147円台を中心に限られた値幅で推移した。こうした中、個人投資家はJPY(円)の高値を丁寧に売り、利益につなげたと推察できる。ただ、序盤の大きな動きの後、全体的に動意が限られたことから取引は縮小傾向となった。

図2.取引参加者の損益
通貨ペア別取引者数
通貨ペア別取引者数のトップ10は、USD/JPY(米ドル/円)・TRY/JPY(トルコリラ/円)・AUD/JPY(豪ドル/円)・GBP/JPY(ポンド/円)・EUR/JPY(ユーロ/円)・EUR/USD(ユーロ/米ドル)・MXN/JPY(メキシコペソ/円)・NZD/JPY(NZドル/円)・ZAR/JPY(南アフリカランド/円)・GBP/USD(ポンド/米ドル)の順で、GBP/JPY(ポンド/円)・EUR/JPY(ユーロ/円)の順位が入れ替わった。
USD/JPY(米ドル/円)がシェア1位を維持しているほか、TRY/JPY(トルコリラ/円)も2位をキープしている。
※現在の取引保証金額はコチラで参照いただけます。

図3.通貨ペア別取引者数
平均取引数量
FX投資家の1注文あたりの平均取引数量は4.4万通貨(44 lots)と、前月の4.2万通貨(42 lots)から増加。平均取引量は1-3月の平均47.3 lotsを下回っているものの、直近3カ月平均では43 lotsまで戻しており、個人投資家のリスク許容度の改善傾向がうかがえる。
USD/JPY(米ドル/円)は、1 lotあたり6,000円の必要保証金(9/16時点、法人口座除く)がかかるため、1注文あたりの必要保証金額は約26万4,000円となる。TRY/JPY(トルコリラ/円)は、1 lotあたり200円の必要保証金(9/16時点、法人口座除く)がかかるため、1注文あたりの必要保証金額は8,800円となる。
※現在の取引保証金額はコチラで参照いただけます。

図4.平均取引数量
口座の開設期間
取引をしたFX投資家の口座開設後の期間は、平均121カ月(10年1カ月)と、前月から横ばいだった。

図5.口座開設期間
FX投資の年齢分布
FX投資家の年代別では50代が32.0%でトップ。次に40代が29.5%で続き、以下、60代の14.9%、30代の12.1%と続いた。ミドルシニア世代が7割を超える状態が続いている。

図6.取引参加者の年齢構成
FX口座開設者動向
新規にFX口座を開設した投資家は、40代が24.5%、30代が24.0%で拮抗した。続いて、20代の20.1%、50代の19.5%となった。

図7.口座開設者の年齢構成
まとめ
2025年8月の個人投資家は明暗が分かれた可能性がある。月初めのJPY(円)急騰に巻き込まれて含み損を抱えた投資家は様子見を貫いたとみられる一方、この相場変動を上手にかわした投資家はその後のレンジ相場を活用し収益を積み上げたとみられる。もっとも、序盤の値動きをみて更なる大相場を期待した投資家にとっては、後半のレンジ相場は少し物足りなさを感じた投資家もいた可能性があり、取引は低調だった。また、参議院選挙の大敗から「ポスト石破」の動きが活発化し政局不安が強まる中で、日銀も積極的な金融引き締めに踏み込めないとの思惑から、個人投資家のJPY(円)売り意欲は強かった。投資家の見立て通りにJPY(円)下落が進行すれば、今後、ショートポジションの買い戻しにより、さらに利益を積み上げることが期待できる。
※過去の調査結果は、マネ育ch( https://www.gaitame.com/media/ )よりご参照ください。
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