
今週は為替相場の大きな転換点となりそうです。
30日のFOMC、31日の日銀金融政策決定会合、そして1日の米雇用統計と、重要イベントが目白押し!
外為どっとコム総合研究所の宇栄原宗平氏に、今後の相場展望を伺いました。
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足元のドル円相場:基本的な円安基調は継続
7月に入りドル円は一時149円台まで上昇。参議院選挙での与党大敗懸念から円売りが進みましたが、結果的には大敗とまではいかず、石破首相の続投表明もあり145円台まで一時下落。
しかし、テクニカル的には調整程度の動きで、現在148円手前まで回復。基本的な円安基調に変わりはない状況です。
今週の注目イベント分析
■FOMC(7月30日):現状維持がほぼ確実
利下げ織り込み度は3.1%で、現状維持が濃厚です。
利下げ見送りの理由
トランプ関税の不確実性
インフレ懸念の継続
最大の焦点
パウエル議長が9月の利下げ可能性について何らかの示唆をするかどうか。
■日銀会合(7月31日):物価見通し上方修正に注目
金融政策は現状維持予想ですが、物価見通しの上方修正があるかが焦点。これがあれば利上げ観測につながります。
注目ポイント
・展望リポートでの見通し修正
・日米貿易交渉合意の影響反映
・植田総裁の今後の政策スタンスに関する発言
■雇用統計(8月1日):労働市場軟化の確認
6月は民間企業部門にトランプ関税の影響が見え始めており、7月の数字で労働市場軟化が確認されれば9月利下げ観測が高まります。
年末に向けた相場見通し
■秋頃まで:155円近辺まで円安継続
上昇要因
・金利差の継続(日銀利上げも実質金利はマイナス継続)
・資本流出(対米投資81兆円、防衛装備品購入等)
・貿易赤字拡大
■年末にかけて:調整局面も
テクニカル的には153円付近が上値目処で、秋頃を高値に年末は調整の可能性。
■警戒すべきリスク
パウエル議長解任リスク
トランプ大統領による解任観測は、FRBの独立性への懸念からドル売り要因となる可能性。
テクニカルのポイント
■200日移動平均線(149円台半ば)が重要
現在価格は200日線を下回っているものの、下から切り返し中。明確な突破があれば150円台への上昇が想定されます。
■月足チャートでは三尊天井パターン
昨年7月の161円台高値を基点とした三尊天井を形成中。ネックライン(140円付近)をサポートに反発している状況。
まとめ
今週のシナリオ
✅ 円安継続パターン:両中央銀行が現状維持・慎重姿勢 → 150円方向
⚠️ 円買いパターン:FRB利下げ示唆 or 日銀利上げ観測 → 一時的な下落
中長期見通し
秋頃にかけて155円近辺まで円安、年末は調整局面を予想
外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト小俣 凪子(おまた・なぎこ)
大学卒業後、約2年メガバンクで勤務し個人営業で投資信託や保険販売等を行う。 2021年3月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 銀行勤務時代に得た接客スキルを活かしながら、X(Twitter)やYouTubeなどSNSで個人投資家に寄り添った情報発信を精力的に行っている。元邦銀ディーラー今井雅人氏と共に「FX脱初心者塾」(動画シリーズ)を担当。
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