
このレポートの概要:米国株式市場と外国為替市場の最新動向と分析
金融マーケットで永く情報発信を行っている田嶋智太郎氏が、米国株式市場の最新動向を詳しく解説します。
引き続きS&P500種は史上最高値更新
先週は、S&P500種とナスダック総合指数がともに史上最高値を更新して3日の取引を終えた。なおも市場には楽観的な雰囲気が拡がっている模様であるが、同時に下値リスクも相当に高まっていると思わずにはいられない。一部の市場関係者から「非合理的な熱狂」との声も聞かれるなか、来週から徐々に本格化する米主要企業の4―6月期決算の結果と株価水準との整合性が問われる時間帯を迎えることとなる。
3日時点のS&P500種の予想PERは22.1倍程度と考えられ、過去5年平均の20倍程度と比べれば高めの数値となっている。むろん今後、予想業績が上振れしてくれば中長期的な上値余地が一段と拡大してもおかしくはない。それにしても、足元はロングの積み上がりが過去に比べて「かなり偏った状態」にあるわけで、やはり目先の高値警戒感とスピード警戒感は着実に高まっていると心得ておかねばなるまい。

米失業率の低下はポジティブか?
3日の米株高については、一つに同日発表された6月の米雇用統計の結果が予想を上回ったことを一因とすることができよう。実際、非農業部門雇用者数の伸び(NFP・前月比)は事前予想を上回り、前回5月分も上方修正されていた。失業率も前月より低下し、ヘッドラインの数値が米株価とドルを押し上げることに一役買ったことは確かである。
ただし、6月は州・地方政府での雇用増加がNFP全体の伸びをけん引する一方で、民間部門の雇用者数は昨年10月以来の低い伸びに留まった。労働参加率も低下し、結果的に失業率が低下したことは必ずしもポジティブではない。何より、トランプ政権が強硬な移民政策を進めている結果、外国生まれの労働者の数が足元で記録的な減少を見ており、そのことが今後の米雇用情勢やインフレにどの程度の影響を及ぼすかが心配される。
トランプ米大統領の“やり口”を嫌気
先週末にかけて、トランプ米政権の主要政策を盛り込んだ大型の減税・歳出法案が成立する運びとなったことが、米株市場で「テック株高を後押しする」との見方につながったところもあるようだ。同法案には、米国内で工場を建設する半導体メーカーなどへの税額控除の拡大措置が盛り込まれており、関連企業はその恩恵を受けるという。
とはいえ、同法案には不法移民の取り締まり強化に向けた資金拠出なども盛り込まれており、そこには将来的な人手不足と賃金インフレに対する懸念が潜む。さらに、トランプ米大統領は貿易相手国・地域に対する具体的な関税率を一方的に記した書簡の送付を4日から開始し、8月1日から徴収することを明らかにした。関税の発動期限を事実上先延ばしすると同時に「最大70%」などという脅しをかける“やり口”を強く嫌悪する声も市場からは聞こえ、4日の米株価指数先物市場は時間外で弱含みの推移となった。
今週は米株価が調整する番?
先週は、日・米株価がともに一旦調整の場面を迎えると個人的には想定していた。そして案の定、日経平均株価は一旦調整を交える展開となったが、S&P500種は想定以上に強気で推移した。今週は、さすがに米株価に調整の番が回ってくる(日経平均株価はもみ合いを続ける)のではないかと考えており、ポイントは一つに「先週3日に開けた窓を埋めに行くかどうか」であると見る。つまり、2日の高値=6227ポイントを下抜けるかどうかが重要で、同水準を明確に下抜けると「その前(6月24日)に開けた窓をも埋めに行く動き」につながりやすくなるのではないかと見る。その場合の下値の目安は、一つに6月23日安値=5943ポイントということになろう。
日本株の一旦調整でドル/円にも下値リスク
今週最大のトピックは、おそらくトランプ米大統領が「順次送る」としている関税率などに関する書簡の内容ということになろう。日本にとっては“ザンネンな”内容である可能性が高く、一旦は株式市場もあらためて嫌気しそうである。株価が一旦調整となればドル/円の下値リスクも高まりやすく、仮に142円台前半の水準をも明確に下抜けると、あらためて140円割れの水準が視野に入ってくる可能性も。個人的には144.70-80円処からも戻り売りスタンスで臨みたい。
ドル円週足チャート

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田嶋智太郎氏
経済アナリスト 慶應義塾大学を卒業後、現三菱UFJモルガン・スタンレー証券を経て、経済アナリストに転身。現場体験と綿密な取材活動をもとに、金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産掲載まで幅広い範囲を分析・研究。 WEBサイトで経済・経営のコラム執筆を担当し、株式・外為・商品などの投資ストラテジストとしても高い評価を得ている。 また、「上昇する米国経済に乗って儲ける法」など書籍も手掛けるほか、日経CNBCレギュラーコメンテーターも務める。
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