メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。
作成日時 :2025年6月27日14時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
トルコリラ/円(4時間足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
先週のトルコリラ/円は上値が重い展開
23日は、早朝に3.643円前後まで下落したのち、一転して3.701円前後まで切り返したものの、結局3.684円前後で取引を終えるなど、荒い値動きとなりました。前週末21日にイスラエルとイランの衝突に米国が軍事介入したことで、リスク回避の円買いと有事のドル買いが交錯。リラ/円は、ドル/円とドル/リラの乱高下に巻き込まれた格好です。24日以降は、中東情勢の緊張が和らぎドルが売られた(有事のドル買いの反動)にもかかわらず、ドル/リラの下値が限定的だったため、リラ/円はドル/円につれて軟化。25日、26日も上値を切り下げる展開が続き、27日の取引開始直後には3.60円台を割り込んで3.594円前後まで下落する場面もありました。
今週のトルコリラ/円の注目ポイントは6月CPI
トルコ中銀は今月19日、政策金利を46.00%に据え置くことを決定。前回4月会合ではイスタンブール市場の逮捕を受けたリラ急落によって、インフレ再燃が警戒される中、予想外の利上げを決めましたが、今回は「インフレは5月に鈍化、先行指標は6月も鈍化が続くことを示唆している」としてインフレ警戒の姿勢を緩めました。また、「インフレ率が著しく、かつ持続的に悪化する場合、あらゆる金融政策手段を効果的に使用する」と表明。これは、4月の「物価見通しが著しくかつ持続的に悪化する場合には『追加的な引き締めが必要』になる」から、タカ派トーンをやや弱めた内容です。そうした中、今週7月3日に発表される6月消費者物価指数(CPI)が中銀の見立てどおりに鈍化すれば、次回7月24日の会合で3会合ぶりに利下げを再開する可能性が高まりそうです。なお、トルコの5月CPIは前年比+35.41%でした。仮に6月にこれを下回るようなら、伸び率としては2021年11月以来の低さとなります。
今週のトルコリラ/円の見通し
予想レンジ
3.550円~3.675円
基調
上値重い
今週の注目ポイント
☆7/3 トルコ6月CPI
・主要国株価、国際商品価格

神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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