メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。
作成日時 :2025年6月20日16時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
メキシコペソ/円(4時間足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
先週のメキシコペソ/円は底堅い展開
週初16日は7.598円前後で取引を開始。直後に7.583円前後へと弱含んだものの、イスラエルと交戦中のイランが米国との対話再開を模索しているとの観測から市場心理が改善する中で翌17日には7.660円前後まで上昇しました。その後は、トランプ米大統領がイランに対し「忍耐は限界に近付いている」と警告したことなどから、再び中東情勢を巡る警戒感が広がったためやや失速しましたが、18日、19日といずれも7.597円前後で下げ止まると7.6円台を回復。20日の16時時点では7.640円付近で推移しています。ペソは、投資家心理の悪化が上値を抑えた一面もありますが、中東から地理的に遠い産油国通貨として原油価格の上昇を背景に底堅く推移しました。
今週のメキシコペソ/円の注目ポイントは政策金利
今週26日にメキシコ中銀が政策金利を発表します。市場では8.50%から8.00%への利下げ予想が大勢です。予想通りなら8会合連続の利下げとなり、50bp(0.50%ポイント)の利下げは4会合連続となります。ただ、同国のインフレは5月に4.42%へと上昇し、中銀の目標レンジ(2-4%)を5カ月ぶりに上回りました。これを受けて中銀のヒース副総裁は、利下げを一時停止して様子を見るべきだと主張しています。ヒース氏は5人の理事の中で最もタカ派と見られ、利下げ停止は「極端な意見」と言えるかもしれません。しかし、政策決定に関与するその他4人の理事の判断によっては利下げ幅が25bpとなる可能性もないとは言えないでしょう。まずは、今回の利下げ幅に注目です。利下げの消化が一巡した後は、声明のガイダンスから今後の利下げペースを探ることになるでしょう。
今週のメキシコペソ/円の見通し
予想レンジ
7.500円~7.750円
基調
底堅い
今週の注目ポイント
☆6/26 メキシコ中銀政策金利
・主要国株価、国際商品価格
メキシコペソ/円(MXN/JPY) FX為替レート・チャート

神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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