メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。
作成日時 :2025年6月13日15時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
トルコリラ/円(4時間足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
先週のトルコリラ/円は後半に失速
先週は米国と中国が英国ロンドンで行う通商協議への期待からリラ買い・円売りが先行。11日には3.701円前後まで上昇して5月29日以来の高値を付けました。しかし、米中の合意内容が玉虫色で不透明な部分が多いとの見方から伸び悩むと、翌12日には3.62円台へ反落。トランプ米大統領が、2週間以内に交渉国へ書簡を送り一方的に関税率を通知するとの考えを示したことが嫌気されました。13日は、イスラエルがイランの核施設を攻撃したと伝わるとリスク回避の動きが強まり、およそ3カ月ぶりに3.602円前後まで下落。ただ、その後はドル/円の戻りにつれて3.65円台まで値を戻すなど底堅さも見られました。
今週のトルコリラ/円の注目ポイントはトルコ中銀
今週は19日にトルコ中銀が政策金利を発表します。前回4月会合では、予想外の利上げを行いリラ安の沈静化に向けた姿勢を強調しました。中銀の引き締めの効果もあって同国のインフレは伸びが鈍化していますが、リラ安についてはペースこそ鈍っているものの継続中です。そのため、政策金利は46.00%に据え置かれる見通しです。ただ、1年前に75%台まで上昇していたインフレ率が足元で35%台に鈍化していることから、市場では中銀が7月にも利下げを再開するとの見方がくすぶっています。ただし、拙速な利下げは市場の信認を再び失うことになりかねません。そうした中、中銀が声明で今後の政策運営の道筋をどのように示すのか注目が集まりそうです。
今週のトルコリラ/円の見通し
予想レンジ
3.600円~3.700円
基調
上値重い
今週の注目ポイント
☆6/19 トルコ中銀政策金利
・主要国株価、国際商品価格

神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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