ボラティリティを愛するトレーダーへ ――天然ガス CFD がゆれる理由を追う!
最近とくに値動きが激しい天然ガス CFD(差金決済取引)について、専門用語をできるだけかみ砕きながら紹介します。CFD初心者にも「なるほど」と思ってもらえるよう整えました。夏を前にガスの事をしり、投資チャンスに活かして下さい。
天然ガスと CFD をざっくり紹介
CFD は、価格の「上がる・下がる」を予測し取引するものです。FXとほぼ同じと言えます。天然ガスCFDで買い注文を出しても、実際に天然ガスを受け取ることはありません。上がると思えば買い、下がると思えば売りを選ぶ。差額が損益として計算されます。
外為どっとコムの「CFDネクスト」で取引ができる天然ガスは、家庭用のガスコンロだけでなく、アメリカでは発電燃料の主力でもあります。そのためアメリカで気温が下がれば暖房需要が、上がれば冷房需要が膨らみ、天候の変化が価格に直結しやすいのが特徴です。
この2か月間で起こったドラマ
この春の天然ガス相場は、ジェットコースターのように急上昇と急降下を繰り返しました。
3 月末〜4 月上旬では冬場の余熱と投機的な買いが重なり、1 mmBtu あたり 4 ドル前後で高止まりしていました。
4 月中旬〜下旬になると状況が一変します。アメリカエネルギー省(EIA)の在庫統計で「想定以上の余剰在庫」が示され、わずか三週間で 4 ドル台から 3 ドル台前半に急落しました。
そして5 月は、 3 ドルを挟んで上下を繰り返し、じりじりと軟化しています。
値段が揺れたメカニズムをやさしく分解
天然ガスの値動きの背後には三つの大きな力が働いていました。
在庫サプライズ――春の間、ガス貯蔵量が歴史的高水準で推移し、「余っているなら安くなる」という素直な反応が売りを呼び込みました。
穏やかな天気――アメリカが寒くも暑くもない日が多く、冷暖房に使うガス需要が減少。需要減少は価格下落を加速させます。4月に起きたのは、まさにこの値動きでした。
供給サイドの稼働状況――アメリカではシェールガス田の高い生産量に加え、液化して海外に運ぶ LNG ターミナルの拡張についてのニュースが相次ぎ、「まだ供給が増えそう」という思惑が下げ圧力を後押ししました。
なぜ今、トレーダーの注目が天然ガス CFD に集まるのか
第一の理由はレバレッジ効果です。CFDネクストの天然ガスはレバレッジが 20 倍ですので、値段が 1 %動くだけで損益は 20 %前後、弾みます。ボラティリティを求める短期トレーダーにはぴったりです。
第二に、天然ガス相場には毎週木曜の23:30に発表される週間EIA在庫統計や、毎日の天気予報モデルといった「材料が出る時間帯」が決まっています。イベントを即した値動きを活用するという戦略が立てやすいとも言われます。
※日本時間の20時(黄色の縦線)以降に気象に関するニュースが流れるため、動きが出やすい
第三に、値段の安さです。現在の3ドル前後の値段の場合、取引にかかる費用(必要保証金)は2500円前後です。現在のドル円が6000円前後必要なため(個人の場合)、2倍の取引が出来る計算になります。
これから三か月、特に注目したい四つの場面
まず在庫の積み増しペースが最大の注目点です。もし週あたり 100 億立方フィートを超えるハイペースが続くなら、3 ドル割れの可能性も出てきます。
次に夏の暑さ、です。冷夏なら需要減で価格は軟調、猛暑ならエアコン需要が急増し短期の急騰になることも珍しくありません。
3つ目は LNG 輸出ターミナルの稼働時期です。予定より早く動けば国内の余剰ガスが海外に流れ、価格を下支えする要因になります。
最後にハリケーンシーズン。8〜10 月にメキシコ湾岸を襲う台風は、パイプラインや掘削施設を停止させ、過去には1 日で 20 %以上高騰するケースもありました。
ボラティリティ相場と上手に付き合う三つの心得
このように、大きく値段が動く天然ガスの取引を行う上でのポイントをお伝えします。
第一に、取引するロットは欲張らず、小さく始めましょう。値動きのリズムを体で覚えることが思わぬ事故防止につながります。
第二に、日本時間の20時ごろ(夏時間)で大きく動くことがあります。また、経済イベント発表の時間などの前にはアラームをセットし、見逃さない習慣をつけてください。
第三に、ポジションを取ったら利益確定の指値と損切りの逆指値をワンセットで入れましょう。これだけで思わぬ大損をかなり減らせます。
まとめ
天然ガス市場は「在庫」「天気」「ニュース」という三つの歯車がかみ合い、値段が大きく動く、ボラティリティが高くなる傾向があります。短期トレードをチャレンジするなら、魅力的な銘柄だと言えるでしょう。まずは「CFDネクスト」へログインし、チャートを一日に数分眺め、動いた理由をニュースで確かめる――そんな小さなルーティンから始めてみてください。
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