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金、順調に上昇中!このまま最高値を更新か(XAU/USD 市況と分析)2025/12/18

 

この記事の内容

金スポット日足は三角持ち合いを上方向にブレイクし、調整局面を脱して上昇トレンドへ回帰しました。RSI(9日)は75を超え過熱感も示唆されていますが、10日移動平均線(4268近辺)を確かなサポートとして、さらに高値(4381)を更新できる状況にあるのかを確認します。

金スポット日足チャート分析 ~調整局面を終え、上昇を回復

金スポット日足チャート(出所 外為どっとコム「CFDネクスト」)

出所:外為どっとコム「CFDネクスト」より

金スポットの日足チャートは、長らく続いた三角持ち合い(ペナント)を上方向に明確にブレイクし、現在は10日単純移動平均線を上回って推移しています。

ここでの注目点は、単に価格が上昇していること以上に、「方向感の乏しい調整局面を抜けた」という事実です。三角持ち合いは相場のエネルギーが蓄積されている状態であり、その上抜けは、相場が再び上昇トレンドへ動き出した可能性を強く示唆します。今回の値動きは、短期的なダマシや振れではなく、トレンド再開の本格的な動きとして捉えられます。

移動平均線から見た相場環境:押し目の目安は10日線

10日移動平均線が右肩上がりを維持し、価格がその上段で推移している点は、短期上昇トレンドの継続を示しています。

仮に一時的な利益確定売りで金価格が下がった場合でも、この移動平均線付近は下値支持線(サポート)として意識されやすく、下落幅は限定的になる公算が高い状況です。相場全体としては、健全な押し目を挟みながら高値を試す展開が想定されます。押し目の目処としては、10日移動平均線が位置する4268近辺が挙げられます。ここは三角持ち合いの上辺ラインとも水準が近いため、テクニカル的に意識されやすい価格帯となります。

RSIが示すモメンタムの状態

オシレーター系の指標であるRSI(9日)を確認すると、75を上回る高水準で推移しており、買いの勢いが非常に強い状態(買い優勢)が続いています。上昇モメンタムは強いものの、一般的に70以上は「買われすぎ」とされる水準であるため、短期的には過熱感からの反落リスクも念頭に置く必要があります。

テクニカル面の総括と今後の注目点

現在の金スポットは、複数のテクニカル要因が「買い」の方向で一致しています。ポイントは以下の3点です。

  • 三角持ち合いの上放れ(ブレイク)が確認できる
  • 価格が10日移動平均線を上回って推移し、上昇トレンドを形成している
  • RSI(9日)が75を超え、過熱感を伴いつつも強い買い圧力(モメンタム)を示している

総合的に見て、相場は強い上昇基調にあると判断できます。今後は、過熱感を冷ますための押し目がどこで止まるか(4268付近でのサポート)が焦点となります。
ちょうど一年前(2024年)、金スポットは横ばいで年越しとなりました。一方で2023年は、12月半ばから年末にかけて上昇しています。現在の強いモメンタムを背景に、このまま最高値の更新も視野に入っていると考えられます。

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金(ゴールド)の上昇・下落を左右する主な変動要因

金(ゴールド)価格は、インフレ実質金利米ドル相場地政学リスク、そして中央銀行の動きなど、複数の要因が重なって変動します。ここでは、金価格が上昇しやすい局面と下落しやすい局面を整理し、金相場の見通しを立てる際のチェックポイントをまとめます。

上昇要因は次のとおりです。

  • インフレ期待が強まると、金が価値保存手段として選好され、買いが入りやすくなります。
  • 景気後退懸念や金融市場の混乱が広がると、安全資産として金への需要が高まりやすくなります。
  • 実質金利が低下すると、利息を生まない金の相対的な魅力が高まり、金価格を押し上げやすくなります。
  • 米ドルの価値が低下すると、ドル建てで取引される金が相対的に割安となり、金価格が上昇しやすくなります。
  • 紛争や政治不安など地政学的緊張が高まると、リスク回避の動きから金への資金流入が起きやすくなります。
  • 中央銀行が外貨準備として金を買い増す局面では、需給面の支えとなり、金価格の上昇要因になり得ます。

下落要因は次のとおりです。

  • インフレ率が安定または低下し、物価上昇への警戒が後退すると、金への投資需要が弱まりやすくなります。
  • 景気が安定し、株式などリスク資産への投資が優勢になると、安全資産である金の需要が減少しやすくなります。
  • 実質金利が上昇すると、金以外の金利収入が得られる資産が相対的に有利となり、金価格の重しになりやすくなります。
  • 米ドルが強含む局面では、ドル建て金価格が押されやすく、金相場が下落しやすくなります。
  • 地政学的緊張が緩和し、リスク回避姿勢が後退すると、金への資金が流出しやすくなります。
  • 中央銀行が金を売却して市場供給が増える場合、需給が緩み、金価格の下落要因になり得ます。

これらの要因は単独で作用するとは限らず、複数が同時に起きることで金相場のトレンドが形成されます。金(ゴールド)のテクニカル分析とあわせて、マクロ要因を点検することで、相場観の精度を高めやすくなります。

 
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