シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットロング2週連続で減少】
5月13日時点で円のポジションは、ドルに対して約17.2万枚の買い越し(ネットロング)。
ショートよりも、ロングの取り崩し量が多かったことから、ネットロングは前週から約0.5万枚減少した。
期間中のドル/円相場は、米連邦公開市場委員会(FOMC)で金利の据え置きと追加利下げに慎重な姿勢が示されたほか、米中貿易協議で両国の関税が大幅に引き下げられたことなどにより、一時148.65円前後まで上値を伸ばした。
その割には、円のネットロングは取り崩されていなかった。米国の相互関税(10%)は引き続き有効であることから、投機筋が円先高観を大きく見直すには至らなかったようだ。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットロング増加】
5月13日時点でユーロのポジションは、ドルに対して約8.5万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが、ショート以上に積み増されたことから、ネットロングは先週から約0.9万枚増加した。
期間中のユーロ/ドル相場は、米中貿易摩擦の緩和を受けて約1カ月ぶりに1.10ドル台半ばまで下落する場面も見られた。
ただ、米国の関税政策が米経済にダメージを与えるといった見方に変わりはなく、景況感に改善が見られたユーロが選好されるとの思惑から、投機筋のユーロ先高観はさらに強まったようだ。
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IMMポジション
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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