メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。
作成日時 :2025年5月16日14時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
X(Twitter)@KandaTakuya
執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
豪ドル/円(4時間足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
先週の豪ドル/円は2カ月ぶり高値から反落
10-11日に行われた米中関税交渉で、お互いがそれぞれの関税を115%ずつ引き下げることに合意。予想以上の歩み寄りが見られたことを好感して12日には94円台後半へと上昇しました。13日には、オフショア中国人民元が対ドルで年初来高値を更新したこともあって豪ドルも上昇。3月18日以来の高値となる95.64円前後まで上値を伸ばす場面もありました。しかし、14日になると、韓国が米国との関税交渉で為替政策について協議したと発表したことを受けて円が全面的に上昇。日米交渉でも円安是正が協議されるのではとの警戒感が浮上する中、円買い主導で95円台を割り込みました。翌15日には豪4月雇用統計が予想を上回ったものの、豪ドルの上昇は一時的で94円台割れへと続落。16日もドル/円が一時144円台に差し込むなど円が買われる中で93円台を割り込み、92.70円台まで下落しましたが、売り一巡後は93円台を回復しています。
今週の豪ドル/円の注目ポイントはRBA
豪中銀(RBA)は今週20日、政策金利を発表します。市場は政策金利が4.10%から3.85%に引き下げられることを確実視しており、実際に引き下げられると今年2月以来2会合ぶりの利下げとなります。もっとも、利下げは織り込み済みとあって、市場の関心は今後の利下げペースを巡る手掛かりを得ようと声明やブロック総裁の会見に向かっています。なお、RBAは4年ぶりに利下げを決めた2月会合の声明で「理事会はさらなる政策緩和の見通しについて引き続き慎重だ」と表明。ブロック総裁は会見で「本日の決定は、市場が示唆するような追加利下げの実施を意味するものではないことを明確にしておきたい」と強調しました。先週15日に発表された豪4月雇用統計が予想以上の好結果だったことを考えると、今回も声明や総裁会見で追加利下げに慎重な姿勢を示すと見られ、いわゆる「タカ派的な利下げ」となる可能性もあるのではないでしょうか。
今週の豪ドル/円の見通し
予想レンジ
91.500円~95.500円
基調
方向感模索
今週の注目ポイント
☆5/20 RBA政策金利
・ 主要国株価、国際商品価格

神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。