メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。
作成日時 :2025年4月25日14時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
X(Twitter)@KandaTakuya
執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
豪ドル/円(4時間足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
先週の豪ドル/円3週間ぶりに92円台を回復
米中貿易戦争を巡る過度な懸念が和らいだことや、米国が日本に円安是正を迫るとの観測が後退したことで豪ドル買い・円売りに傾きました。22日に一時89.60円台まで下落しましたが、23日に米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が「米政府は中国との貿易戦争の緩和に向けて、対中関税の引き下げを検討している」と報じたことで91.60円台へと反発。24日には中国が米国との通商協議に進展がないことを明かすと90円台に差し込む場面もありましたが下値は限定的でした。加藤財務相が日米財務相会合で「為替水準や目標に関する言及は全くなかった」と明らかにしたことから25日は円売りが先行。米国が中国の自動車部品の一部について関税適用除外を検討しているとの報道や、中国が米国への報復関税の一部適用除外を検討しているとの報道が相次ぐ中で、豪ドル買いが強まっています。13時過ぎには4月4日以来の高値となる92.22円前後まで上値を伸ばしました。
今週の豪ドル/円/円の注目ポイントは第1四半期CPI
30日に豪中銀(RBA)が注目する1-3月期消費者物価指数(CPI)が発表されます。RBAは4月15日に公表した4月1日の理事会の議事録で「5月会合が金融政策設定を再検討する好機になる」と表明。追加利下げを行うかどうかの判断を5月20日の理事会に先送りした形で、その判断材料のひとつが30日に発表される1-3月期CPIです。ただ、トランプ関税を巡る世界経済の混乱などから市場はすでに5月20日の25bp(0.25%ポイント)利下げを100%超織り込んでいます。このため、1-3月期CPIが大幅に鈍化しない限り(50bp利下げの織り込みが進まない限り)、豪ドル相場への影響は大きくないでしょう。なお、1-3月期CPIの市場予想は前年比+2.3%となっており、10-12月期の+2.4%から小幅に減速する見通しです。RBAがコアインフレ率として重視するCPIトリム平均値は前年比+2.8に鈍化すると予想されています(10-12月期+3.2%)。仮に予想通りなら2021年10-12月期以来、3年強ぶりにRBAのインフレ目標レンジ(2-3%)内に回帰することになります。
今週の豪ドル/円の見通し
予想レンジ
90.000-94.000円
基調
底堅い
今週の注目ポイント
☆ 4/30 豪1-3月期CPI
☆ 米中貿易戦争の動向
・ 主要国株価、国際商品価格

神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。