<第189回>2025年3月1日
外為どっとコムの口座開設者のお客様を対象とした投資動向等に関するアンケート調査です。
分析・レポート作成
外為どっとコム総合研究所
調査実施期間
2025年2月21日(金)13:00~2025年2月25日(火)24:00
調査対象
外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』に口座を開設のお客様層。
調査方法
外為どっとコムの口座開設者にメールでアンケート回答URLを送付。
今回の有効回答数は567件。
※必要項目を全て入力して回答して頂いたお客様を「有効回答数」としました。
問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください。
「今後1カ月間の米ドル/円相場の見通し」については、「米ドル高・円安方向」と答えた割合が24.7%であったのに対し「円高・米ドル安方向」と答えた割合は56.3%であった。この結果「米ドル/円予想DI」は▼31.6%ポイントと前月の±0%ポイントから弱気を示すマイナスに大きく傾いた。
調査期間前後の米ドル/円相場は150円を割り込む展開。米2月サービス業購買担当者景気指数(PMI)が経済活動の拡大・縮小の分岐点である50を下回ったことで米景気減速懸念が台頭した。また、日銀の利上げ観測が高まっていることもあり、見通しを円高・米ドル安に切り替えた個人投資家が増加したと考えられる。
今後1カ月の米ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が160.00円、最安値が140.00円となり、高値の平均値は153.05円、安値の平均値は147.09円であった。高値の中央値は152.50円、安値の中央値は148.00円だった。実勢レートが前回調査時(最終日)から6円程度切り下がったのに対して高値・安値の予想中央値は5円程度、円高・米ドル安方向にシフトした。
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください
「今後1カ月間のユーロ/円相場の見通し」については、「ユーロ高・円安方向」と答えた割合が、19.2%であったのに対し「円高・ユーロ安方向」と答えた割合は46.6%であった。この結果「ユーロ/円予想DI」は▼27.4%ポイントとなり、前月の▼6.2%ポイントからマイナス幅が拡大した。
調査期間前後のユーロ/円相場は、上値の重い展開。日本1月消費者物価指数(CPI)が前回から伸びが加速したことで日銀の利上げ観測が高まり円買いに傾きやすい地合いとなった。また、トランプ米政権がユーロ圏に関税を付加することを表明していることによる先行き不透明感からユーロの上値が重いと見る個人投資家が増加したようだ。
今後1カ月のユーロ/円相場の高値と安値の予想については、最高値が168.00円、最安値が145.55円となり、高値の平均値は159.44円、安値の平均値は154.39円であった。高値の中央値は159.00円、安値の中央値は155.00円であった。実勢レートが前回調査時(最終日)から6円程度切り下がったのに対して高値・安値の予想中央値は4~5.7円程度、円高・ユーロ安方向にシフトした。
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください
「今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通し」については、「豪ドル高・円安方向」と答えた割合が、20.3%であったのに対し「円高・豪ドル安方向」と答えた割合は43.0%であった。この結果「豪ドル/円予想DI」は▼22.7%ポイントとなり、前月の▼3.9%ポイントからマイナス幅が拡大した。
調査期間前後の豪ドル/円相場は、昨年9月以来の安値を更新。トランプ米政権の関税政策を巡り世界的に株価が不安定となる中、上値の重い値動きが続いた。日銀の利上げ観測も相まって円買いに傾きやすい地合いとなっていることから個人投資家は円高・豪ドル安見通しを強めたようだ。
今後1カ月の豪ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が103.00円、最安値が89.00円となり、高値の平均値は97.45円、安値の平均値は93.82円であった。高値の中央値は97.00円、安値の中央値は94.00円だった。前月調査時(最終日)と比べ実勢レートが2.7円程度切り下がったのに対して、安値の予想中央値は2円程度、円高・豪ドル安方向にシフトした。
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問4:今後1カ月間の英ポンド/円相場の見通しについてお答えください
「今後1カ月間の英ポンド/円相場の見通し」については、「英ポンド高・円安方向」と答えた割合が、18.5%であったのに対し「円高・英ポンド安方向」と答えた割合は45.9%であった。この結果「英ポンド/円予想DI」は▼27.4%ポイントとなり、前月の▼7.6%ポイントからマイナス幅が拡大した。
調査期間前後の英ポンド/円相場は、190円台の上値が重い展開。日銀の利上げ観測が高まったことで円買いに傾くと190円を割り込んだ。その後、トランプ米政権の関税政策への先行き不透明感が重しとなり上値を抑えられる値動きが続いている。こうした動きを見て、ポンド/円の上値が一段と重くなると見る個人投資家が増えたのだろう。
今後1カ月の英ポンド/円相場の高値と安値の予想については、最高値が200.00円、最安値が178.00円となり、高値の平均値は192.31円、安値の平均値は186.62円であった。高値の中央値は192.00円、安値の中央値は187.01円だった。前月調査(最終日)から実勢レートが5円程度切り下がったのに対して高値の予想中央値は前回から2~6円程度、円高・ポンド安方向へシフトした。
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか
今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「円」と答えた割合が50.8%と最も多かった。次いで「米ドル」が27.5%、さらに「トルコリラ(7.8%)」、「豪ドル(3.7%)」、「メキシコペソ(3.2%)」、「ユーロ(1.8%)」と続いた。「円」が4カ月ぶりに首位を奪回。「米ドル」は前回の44.8%から大きく回答割合を減らして2位に後退した。「トルコリラ」は前回(10.1%)から回答割合が低下したものの3位を維持した。「円」と答えた理由については「トランプ政策の影響で世界情勢が不安定化」、「日銀の利上げで金利差が縮小」などの指摘が多かった。そのほか、「クロス円が弱い」との声や「150円の節目を割り込んだので当面は円高が続く」との声もあった。「米ドル」については「トランプ大統領の政策でアメリカひとり勝ち」、「アメリカ経済は好調を維持する」などが理由に挙げられた。また、回答割合は低かったが「ユーロ」と答えた向きからは、「ウクライナ戦争が終結すればユーロの追い風」など、地政学リスクの後退を期待する声が出ていた。
問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか
問5とは反対に、今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「米ドル」と答えた割合が39.7%と最も多かった。次いで「円」が26.5%、さらに「ユーロ(12.2%)」、「トルコリラ(4.9%)」、「中国人民元(4.8%)」、「メキシコペソ(3.7%)」と続いた。「米ドル」が前回(25.0%)から回答割合を増やした一方、「円」は前回(37.2%)より低下したことから首位が逆転した。問5の結果も合わせると、個人投資家の米ドル選好の姿勢は足元で大きく後退したようだ。「米ドル」が最も弱くなると考える理由については、「トランプ大統領のドル安誘導」「トランプ関税の反動」「トランプ氏の政策でドルに対する信認が損なわれる」「トランプ大統領の政策が裏目に出る」などと、トランプ米大統領に絡んだ回答が圧倒的に多かった。トランプ氏への不信感が個人投資家の米ドル選好姿勢を後退させたと言っても過言ではなさそうだ。
問7:スワップポイントがFX投資の判断に与える影響について、次のうちあてはまるのはどれですか
今回の特別質問として「スワップポイントがFX投資の判断に与える影響について、次のうちあてはまるのはどれですか」と尋ねたところ、「比較的重視している」が34.2%と最も多かった。次いで「それほど気にしない」が29.5%、「最重要視している」が20.5%、「全く考慮しない」が14.1%、「その他」が1.8%だった。FX投資においてスワップポイントを重視する派(比較的重視と最も重視の合計)が過半数を超えたことがわかった。なお、2021年2月の第141回調査で同じ質問をした際の回答は、多い順に「それほど気にしない(38.7%)」、「全く考慮しない(25.5%)」、「比較的重視している(20.3%)」、「最重要視している(14.0%)」だった。コロナ禍で多くの国が低金利政策を採っていた当時は、スワップポイントを重視しない派が多かったが、その後多くの国で金利が上昇したことで、個人投資家の投資スタイルにも変化が生じ、重視派が増えたと考えられる。
問8:仮にスワップポイントを考慮したFX取引を行う(円売り)場合、対象にするのに最もふさわしい通貨はどれだと思いますか
重ねて「仮にスワップポイントを考慮したFX取引を行う(円売り)場合、対象にするのに最もふさわしい通貨はどれだと思いますか」と尋ねたところ、「トルコリラ」が31.7%と最も多かった。次いで「米ドル」が25.4%、さらに「メキシコペソ(15.5%)」、「豪ドル(8.5%)」、「南アフリカランド(7.9%)」と続き、以下「英ポンド(4.4%)」、「NZドル(2.6%)」、「ユーロ(2.1%)」、「カナダドル(0.5%)」の順になった。政策金利が45.00%(2月27日時点)と圧倒的に高いトルコリラが首位だったのは頷ける結果だろう。一方、「米ドル」については3位の「メキシコペソ」や5位の「南アフリカランド」より政策金利が低いにもかかわらず、これらを上回って2位に選ばれた。「米ドル」については基軸通貨の信頼感という加算ポイントがあるのではないだろうか。後述するが、問9の結果で金利の高さ以外に重視する点として「景気(経済成長)」が最も多かった点も、個人投資家が新興国通貨よりも「米ドル」を高金利通貨として注目していることを裏付けている。
問9:仮にスワップポイントを考慮したFX取引を行う(円売り)場合、対象通貨について金利の高さ以外で重視するポイントは何ですか
重ねて「仮にスワップポイントを考慮したFX取引を行う(円売り)場合、対象通貨について金利の高さ以外で重視するポイントはなにですか」と尋ねたところ「景気(経済成長)」が36.3%と最も多かった。次いで「物価(インフレ動向)」が25.0%、「政治・政局」が22.8%と続き、以下「地政学」が8.3%、「国際収支(貿易含む)」が5.1%の順になった。前述のように「景気(経済成長)」の回答は、米国の景気が長期間にわたり堅調を維持していることを念頭に米ドルをイメージしたものであろう。また、問8で首位だったトルコリラについては、圧倒的な金利の高さから考えると回答割合が伸びなかったとも言えるだろう。本問で重視するポイントとして上位に挙げられた「物価(インフレ動向)」や「政治・政局」、「地政学」などがマイナスポイントになったと見られる。
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